【前口上】
人の心には、献身的な仏の生命も、大六天魔王に支配され
た醜く残酷な生命が同居している。わかりやすく言えば、ク
リミア(ウクライナの一部)戦争で命懸けで人の生命を救っ
たナイチンゲールも、今日の平気で嘘つく奪命魔プーチンの
生命も同じ根っこにある・・・。
人は理性が機能しないと、愚かで滑稽で哀愁に満ちた惰性
に流されるものだ。そんな人間の本性を日蓮信者であった三
遊亭圓朝は見逃さず作品化した。一連の怪談噺での人殺しも、
「文七元結」で娘を遊廓に預けて得た大金を投げ与える慈悲
心も内在している人間の営みは、実にいとおしい・・・。
そんな一念三千の魂のチャンネルを、最晩年の正蔵(彦六)
と人形劇のコラボは、時にリアルに時にユーモラスに演じて
いる。昨今の落語通のなかには、怪談噺「牡丹燈籠」を圓生
歌丸は演じても、正蔵の十八番だったことを知らない輩がネ
ットでしたり顔で論じているのには微苦笑してしまう。正蔵
こそ、圓朝が高弟・一朝老人直伝の正統派であることを押さ
えて頂きたい・・・。
【出品紹介】
昭和55年(1980)、10月27日(月)と28日(火)
に、東京・中野公会堂で行われた八代目林家正蔵と人形劇団
プーク共演「牡丹灯籠」公演は、昭和55年の文化庁度芸術
祭参加作品でもあった。その年の8月26日(火)から30
日(土)に、東京・新宿西口の紀伊国屋ホールで行われた同
じ公演がマスコミで大絶賛されて、その勢いにのって急遽追
加公演(10月)が決定し、下馬評どおりに、正蔵と劇団プ
ークは昭和55年度の芸術祭大賞を受賞した。
【公演スタッフ】
●原作 三遊亭圓朝(1839~1900)
●脚色・演出 川尻泰司
●人形美術 星野 毅
●証明 大庭三郎 三上つとむ(助手)
●各種装置セット 斉藤英一(小道具)
若林由美子(衣装)佐藤新(人形)
●音楽 長沢勝俊・田村直(効果)
●舞台監督 長谷照夫
●かっぽれ舞踊指導 八光亭春輔
●お囃子 植田久子・小島つた(三味線)林家上蔵(太鼓)
●宣伝美術 戸井昌造
【キャスト】
●萩原新三郎(浪人者) 佐藤達雄・板倉りゃう
●お露(可憐な十七歳) 大橋友子・原山幸子
●お米(女中) 早川百合子・小林万佐子
●伴蔵 川尻原次・笹沼貞美
●おみね(伴蔵の女房)梶野由紀子・渡辺真知子
●飯島平左衛門(武芸者) 高橋博・岡本和彦・坂下絵季古
●お国(平左衛門の妾)岸本真理子・坂下絵季古
●源治郎 夢多啓明・板倉りゃう
●久蔵 岡本和彦・小林万佐子
●おます 小林万佐子・早川百合子
●ろくろ首 板倉りゃう・大橋友子
●唐傘のお化け 岡本和彦
●三ツ目小僧 坂下絵季古
●提灯のお化け 原山幸子
●牡丹花の灯籠 岸本真理子・小林万佐子
【出品ラインナップ】
①正蔵と劇団プークの「牡丹灯籠」公演の激レアパンフ
昭和42年(1967)の初演以来、川尻泰司(演出)で林家
正蔵(彦六)の名コンビで、昭和55年には「文化庁大衆芸
術部門芸術祭大賞」にも輝いた。その時の稀少パンフである。
文中には、川尻監督の解説や正蔵との対談、各種データが
ほんさと記されて、とても貴重な資料です。この「牡丹灯籠」
の舞台は、劇団創立80周年の平成21年(2009)に復活し
たことは御存じですか。進行役の正蔵が鬼籍の人となったの
で、すべてを人形が演じる新しい形となった。興味ある方は
是非とも一度御覧下さいませ。
なお、本パンフは、製本のホッチキスが錆びてパンフを汚
すことがあるので、針は抜いてあります。御了承下さい!
②激レア・八代目林家正蔵と人形劇団プーク共演「牡丹灯籠」
紀伊国屋ホール公演チケット。55年8月公演の30日ラク
日のものです。
③激レアチラシ・昭和55年度10月、芸術祭大賞受賞対象
の八代目林家正蔵と人形劇団プーク共演「牡丹灯籠」中野公
会堂公演のものです。
【状態と発送に関して】
3点とも保存状態はよく「美品」に近い状態で、送料は当
方が負担いたします。