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■『東洋思想に於ける孤独と無情』太田悌蔵著。1972年第2刷凾付。法政大学出版局。
■お堅い本で恐縮ですが、是、出品者の大学の教養課程の倫理学で使用したTextです。勿論手放した物を懐かしの余り古書展で再度買い直した物です。何故買い直したかと云うと、入学して最初の、爾後疾病で最後の授業と為って仕舞った著者の、講義内容が鮮烈だったからでして、失礼乍ら当時72歳よりも高齢に見える、今にも転倒しそうな踉蹌々々した足取りで、漸く壇上に座ったかと思うと、滑舌とは行かず、焼酎１本飲み干し、公園のベンチで寝腐って居る泥酔者の様な呂律の回らない口振りで、開口一番、何を言うのかと思ったら、
『人間は本来孤独です。糞をする時も独り、小便をする時も独り、誰も自分に代わって糞小便をして呉れる人なぞは居りません。皆さんも屹度そうだと思います。昔の中国には…』
と始まりまして、私は此の一言で「孤独が何たるか」を萬事諒解した次第。後の講義内容は忘却しました。該書は其の教授が渾身認めた本です。如何でしょうか？。
尚、因みに其の時の授業は受講生約200人で、男子が３割、女子が７割も占めて居たにも拘わらずです。女子は皆顔を赧らめて居ましたね。(笑)
●古書展に於ける並本です。紙質経年劣化で痛みが有ります。
●全314頁。書き込み有りません。
●私の自己紹介欄もお読み下さい。読まずに取引為さる方が居られますので、宜しく願います。