【商品の説明】
ブランド、メーカー:久保田宣伝研究所(宣伝会議ユニークブックス)
書名:広告の仮面と真実 - サムスタッグの体験的広告論 - ニコラス・サムスタッグ著 / 松島 史尚訳 ハードカバー 美品
大きさ:A5版(215mm × 150mm) ※規格よりもやや大きめ
重量:500グラム
著者:ニコラス・サムスタッグ著 / 松島 史尚訳
発行:1969年1月初版
【商品の状態】
たぶん表紙カバーがあったのだと思いますが、それはなく、本体のみです。しかし、スレは破れなどありません。小口に少々のヤケなど、経年の劣化が若干ありますが、書籍としての状態は良好です。ハードカバーの書籍です。その他、線引き、汚れ、破れ等は無く、全体としてはキレイです。写真をご覧戴き、不明点はご質問ください。
イントロダクションより-------
この本の生地と、その記事を織るたて糸は、著者が抱く二つの深遠から生まれたものである。その信念は、他人の説得をこととして生計をたててきた著者の三十年の体験から芽生えたものである。
その信念の一は、人間というものは他人の同意なしにには生きられない、ということである。
信念の二は、人間は論理的根拠をもとに、あれかこれかの判断を下しているかに装おうとしているが、およそ実情とかけはなれている、ということである。
いずれの所見も、哲学の分野では驚天動地の発見でも何でも無い。だが、もっともらしい表現に素直にうなずくことと、その真理を肌につきささる痛みとして受け取ることとは別物なのである。私が、以上の二つの信念に含まれた真実を、仕事の上でないがしろにするたびに、誰かが、何かが私の背中をたたいて、私をこの現実の世界に引き戻してくれる。
信念の一(人間というものは、他人の同意なしには生きられない)は、本書のたて糸であると述べたが、事実その通りなのである。人が生きていくためには、絶えず互いに相手の立場を認めてやらねばならぬ。もそもそうでないとしたら、説得などという慣行はこの世において、なんら重要ではなくなってくるだろう。説得もたまさか必要であるかもsれないが、どこへいっても年中ぶつかる現象ではなくなってくるだろう。生活の必要条件というよりも、一つの側面ということになってしまうだろう。生活の必要条件というよりも、一つの側面ということになってしまうだろう。人間社会の常として(こえは現代に限ったことではない。いつの時代でもそうだった)二人の人間がいれば、その二人の間に、直接的にせよ間接的にせよ、エドワード・L・バーネイズがいうところの「エンジニア的合意」なしには交流が保てないのである。世捨て人や無頼漢ならいざ知らず、他人の同意を何ら必要とせず自分だけで存在しうるような者は、この世にあり得ないのである。
これは不愉快な事実であり、多くの人がその事実をやっきになって否定しようとする。我々は「自由な人間」であるといいたいのだ。だがこの事実はいやでも、われわれ生活の糧、愛、社会的な満足感が他者に由来することを思い興させる。また、われわれが権力者の前に出るとしっぽを振り、権力者の側に立てば露骨にいばりちらす、ということを思い起こさせる。誰しもがあこがれる独立自尊の人士となるかわりに、膝を折って懇願する哀れな存在となり果てた自分をわれわれは突如見出すではないか。(このような人間絵図をかたくなに拒否するのは、とりわけ非宗教的な人々に多いが、もっとも傑出した、独立の魂をもった人々も、こうした人々の中に多い。)
もちろん、他人の同意を得るという作業は、常に表立ったものではあるとは限らない。口に出されるとも限らない。行為によって、他人の同意を勝ち取ることも多いのである。さらに多いのは、何も行動に移さずに、すなわち抑制という行為によって、同意を得る場合である。そのうえ、われわれが口頭で同意を求める場合でも、その多くは別段許可を求めているふうには響かないのである。
たとえば、「今夜ポーカーをやろうかな」と部長が言えば、この発言にクエスチョンマークはどこにもついていないにも関わらず、それが一個の質問であることには変わりない。部下のうち、妻帯者はやるかやらぬか、思いをめぐらさないわけには、いかないからである。
実をいうと、この本は一対一の口頭による説得に関しては何も触れていない。いずれご覧になるように、この宣伝の世界は巨大かつ複雑なで、とても一個人の手に負えるようなものではない。
私の第二の信念ー人間は論理的根拠をもとにあれかこれかの判断を下しているかに装おうとしているが、およそ実情とはかけはなれているーは、この本の随所に顔を出している。宣伝の機会、戦略、作戦に関する従来の考え方にひそむ虚偽の仮面と自己欺瞞とを、読者がうんざりしない程度に指摘してみたいと思う。また、私としても、このような虚偽が私自身の文章の中に紛れ込まないよう、できうる限り努力するつもりである。
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目次より-------
第1章:宣伝とは何か、第2章:宣伝の機会、第3章:マーケット・リサーチ、第4章;宣伝本能、第5章:クリエイティブ・プロセス、第6章:宣伝のための文章、第7章:宣伝に関する四つの理論、第8章:宣伝マンとは等。
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【個人の感想】
書かれた時代は古いのですが、社会がどのように変化しようが、発展しようが、その中心は人間そのものです。社会のあらゆる職は、人間のためにありますが、社会の中で技術が発展すると、その仕組みの維持に労を割かねばならず、何の為にそれが始まったかを捉えるのが難しくなります。
日本の広告界の欧米化の過程で、アメリカの広告宣伝手法が輸入されていた時代に感光された本です。しかし、そこに書かれている内容は、国を問わず、人間としての本質を見る目であり、方法であるように思います。ある意味、今も変わらない問題と、突破口がそこにあるのではないかと思います。不変的要素群です。「宣伝とは何か」という、原点を気づかせてくれる参考書です。
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