
自宅保管の品です。中身は大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
山崎豊子先生の素顔 野上孝子
『白い巨塔』『華麗なる一族』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』……。現代のタブーに迫り、戦争と平和を問い続けた国民的作家・山崎豊子。
その素顔と創作の現場を、52年間支えた秘書が明かす。
「秘書、求む」の張り紙を見て訪れた先は、「あんさん、二、三年持ったらええほうでっせ」と怖れられる女性作家の家――。それが、山崎豊子という渦潮に巻き込まれる歳月の始まりだった。
「意見なき者は去れ」が信条の作家は、新人秘書にも絶えず感想を求め、小説をめぐって熱いバトルが続く。「小説はテーマで50点」などの小説作法から取材秘話まで。
「文藝春秋読者賞」受賞の回想録に大幅加筆した決定版!
「先生は、日本一の作家です!」
現代のタブーに迫り、戦争と平和を問い続けた国民的作家・山崎豊子。
膨大な資料を読み込み、年月の限りを尽くして取材を重ねる先生を支えた日々。
編集者に意見を求め、面白い小説づくりに妥協しない作家魂と、犬を愛する女性らしい素顔を明かす、
その創作の現場を五十二年間一心同体で支えた秘書による回想録。
巻末に山崎豊子「私を奮起させた読者」を特別収録。
レビューより
山崎豊子の作品に対する真摯な姿勢
執筆の第三者の目で見た裏側がわかった事。山崎豊子の秘書を50年やっていたと聞くと、作品と関連づけて理解が一層進みます。「舞台の裏側」ならず「小説の裏側」が披露されるていました。好奇心は思いっきり満たされました。さらに、大物作家の素顔を垣間見ることができるので、私はそれだけで値打ちを感じました。
男言葉でせっかちに叱り怒鳴る/態度豹変。自分勝手のええカッコしい/家計入出金は実家昆布店経理部に一任/素材群からテーマ絞込む/良いテーマは50点取ったも同然/盗用。頼んだ親戚名を出さず秘書のせいの卑怯/小説は小が大を食うカラクリ。大が小を呑む結末/野望巻込み→不健全家族/丸太を割る斧三島はナイフ/座談。独自の価値観と多少の虚構/記者怒らせ。新聞社告訴/欲望型から理想型へ/せせら笑う男を泣かす/大事な事は真っ先にする/これが一つの小説になるのですか?/巻物のように長くなっていく進行表/完成へ秘書の使命感/