
自宅保管の品です。大変美品ですが、古いもので経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
「一見するといまの日本人は、暴力を厭う、きわめて善良で親切な人々なのですが、しかし一皮むけば、絶体絶命の場所に生きている他者にたいして無理解な、利己的で冷酷極まりない生き物なのです」という著者が、「正義」と「名誉」と「誇り」を失ってしまった日本人に鋭く突きつける、衝撃の日本人論。ベストセラー『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』に続く第二弾、遂に文庫化。
醜い日本人に生きる価値はあるのか。「暴力」と戦わず、「名」より「命」を惜しみ、「気分」の海を漂いつづける醜悪な醜悪な日本人。その醜悪の構造を明らかにする、三島賞受賞の気鋭による痛烈無比の日本人論。
目次
第1章 卑怯者の烙印をおされた日本人
第2章 名誉を取り戻すための戦い
第3章 暴力と戦わない日本人
第4章 醜悪な醜悪な日本人
第5章 気分という海を漂う日本人
第6章 日本人であることを忘れた日本人
エピローグ 国松長官の辞職に想う
レビューより
・生まれながらの人格など人間には備わっていない。
・日本の教育には人間観が欠如している。
・人間ができること、選べることは、きわめて限られている。
・教育の目標は、よき人間ではなく、よき日本人を育成すること。
前回のつづきですね。
今回は、日本人の教育というのが大きなポイントになっています。
よき日本人としての自己認識をいかに持つか? ページを繰りつつ、我が身振り返らざるを得ない。
「正義」「名誉」「誇り」といったフレーズにリアリティは1ミリもなくなってしまった中で、ここまで真摯に語れる人材は他に見当たらないだろう。右傾化と言われようと、論壇において追っていくべき存在なのは確かだ。
ペルーの日本大使館占拠事件に際して、当時の橋本龍太郎首相のとった「卑怯」な振舞いを厳しく批判し、暴力と正面から向き合う中で「正義」と「名誉」と「誇り」を改めて考えなおそうという内容です。
暴力から目をそらし、闘わずして逃げる卑怯な日本人。「放埓」や「けじめのなさ」を「自由」と混同する緊張感なき日本人。大和心も美意識も一切喪失した日本人。欺瞞と偽善と卑怯が横行する国。無価値なものを信仰の対象にしている醜悪な人々の群れ。それは我が国の礎をつくり、気概と勇気を持ち合わせていた過去の"日本人"とは別種の生き物である。本書を読むのは鏡を見ることだ。己の醜さを醜いと知り、それに耐えられなくなった時に我が国の再生があるのかも知れない。