・ウインフイルとの第1番付
〇フルトヴェングラー・バイロイト祝祭
ベートーヴェン交響曲第9番合唱・1951年ライヴ録音・
大戦後の独復興への全員の喜び
①敗戦国ドイツのクラシック音楽の復興は非常に遅れていました、バイロイト祝祭劇場などは
米占領軍将校家族のダンス会場に収用されていました
敗戦後約5年ようやくバイロイト祝祭のワーグナー上演も可能になります
フルトヴェングラーもナチ疑惑も晴れて指揮者・オーケストラ・歌手・合唱団(この頃は殆ど
が独逸人あるいはドイツ系の人)の素直な喜びの爆発がそこにあります
②出演したシュワルツコップも舞台に出る瞬間に異常な感動で足が震えたを覚えたと回想しています
このライヴ録音は意図したものではなくシュワルツの夫君英EMIのデイレクターのウオーターレッグ
が自分が後で聴こうとひそかに録音したものと言われます
③フルトヴェングラー死後フルトヴェングラーの奥さん、とレッグや関係者があつまり協議した結果
満場一致でこの録音をフルトヴェングラーの第九の正式録音としてLP化することになったそうです
④この録音は至るところに欠陥がある演奏で最後のコーダではフルトヴェングラーのアッチェラに追いつけず
オケが総崩れになるところもあります
フルトヴェングラーの第九としては後年のルツエルンライヴの方が
上とされますが、でも聴いて感動を覚えるのは文句なくこのバイロイトライヴの方がずっと上です
そこに音楽する全員の喜びの爆発があるからです
音楽というのは面白いものです
⑤仏PATHEプレスですが、当時の仏PATHEには熟練のレコード金型つくりの匠が多くいて独特の音色を
誇っていた時代でした、このレコードでも英国EM盤日本東芝盤とはまた一味違った独特の音色が楽しめます