17.7×12㎝
全32丁
【題箋】『歌会集』
【内容】
一 √此先(このさき)に 五
どんな櫻(さくら)が 七
あらふとも儘(まま)よ 八
わたしや枯木(かれき)に 七
情(じやう)立(たて)る 五
一 √道ならぬ 五
事(こと)としりつゝ 七
私(わたし)が悪(わる)い 七
夫(それ)でもおまへを 七
うらむそう? 五
等の句には、チョット和歌には出てこない言葉遣いがある。
全体を眺めると、どうも都々逸のようで、それには色んな句のタイプがあって、一・二 の歌は、都々逸(どといつ)「七七七五」の頭に「五」を加えた「五七七七五」の形である。
それが、一~百と墨書された百首。(1丁表~25丁裏)。
後半は、墨書された一文字の仮名「まつたけむめおみくしきをた?ごづてんいういすものかみのひきや」の下に都々逸が一首ずつ記されている。~32丁裏
*都々逸の文言は、なぜか朱筆で記されている。
*一枚、墨書の紙片が挟まれている【画像6参照】。中味は「清玄桜姫物」に関するもの。《 Wikipedia》に依ると、
清玄桜姫物(せいげんさくらひめもの)とは、歌舞伎の芝居における世界のひとつ。京都清水寺の僧清玄が高貴の姫君桜姫に恋慕して最後には殺されるが、その死霊がなおも桜姫の前に現れるという内容。
【刊期等】不明。
【参考】都々逸 《ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典》に依る。
*七・七・七・五の四句 二十六文字で男女の情愛などをうたうもの。
この四句はさらに細分すると
*三四・四三・三四・五となる場合が多い。
その詞章は多くは即興で作られ,俳諧,川柳などと同じく大衆の即興文学としての意味もある。
定型のうえに
*五文字一句を加えて五句三十一文字
*下二句の前にほかの俗曲を挿入して「アンコ入り」と称するものなど,各種の変型がある。
三味線を伴奏にする場合が多く,調子は本調子が正調である。
18世紀後半,潮来 (いたこ) 節,尾張のどどいつ節,上方のよしこの節などの形を経て江戸で完成し,
天保9 (1838) 年8月 「1世都々逸坊扇歌」が寄席でうたったのを機として流行したといわれる。
※全体的に、経年によるくすみ、汚れあり。
※経年による紙の劣化、変色、斑点状の染み、多数あり。
※梱包材の再利用に努めています。ご理解下さい。