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サーシャ・バッチャーニ著、「月下の犯罪（Und was hat das mit mir zu tun？） - 1945年3月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史」です。伊東信宏訳、講談社選書メチエ。状態は、非常に良好です。送料はクリックポストで185円です。

★内容：　本書は、終戦前夜に起きた「レヒニッツの虐殺」と呼ばれる事件の真相を追っていくノンフィクションである。1945年3月24日の晩、ハンガリー国境沿いにあるオーストリアの村レヒニッツで、約180人のユダヤ人が虐殺された。主犯は、当時、村にあったハンガリー貴族バッチャーニ家の居城でパーティーを行っていたナチスの将校・軍属たちとされる。そして、このパーティの主催者であるドイツ人女性・マルギットは、本作の著者・ジャーナリストのサーシャ・バッチャーニにとって大伯母にあたる人物である。サーシャは、あるとき、マルギットがこのユダヤ人虐殺事件に関わっていた、という新聞記事を同僚から見せられる。マルギットは、当時「ヨーロッパで最も裕福な女性」と噂され、また彼女こそ事件の首謀者だったのではないか、という疑惑も事件直後からささやかれ続けており、近年これを題材にした戯曲さえ書かれている。

　では、本当の真相はどうだったのか？　 マルギットの関与はあったのか？なかったのか？　サーシャは、祖母マリタが残した日記、レヒニッツで食料品店を営むユダヤ系の娘アグネスの日記などを手がかりに各地を訪れ、謎に迫っていく。実に7年間に及ぶ探求の旅は、著者自身の心象風景と交錯しながら、さらに深い次元に向かうことになる。はたしてサーシャは真実に到達できるのか？ 探求の旅はどこに辿り着くのか？ ── ドキュメンタリーとミステリがスリリングに同時進行し、衝撃のラストまで読む者を飽きさせない！　2016年の出版直後から欧米の読書界を席捲した話題の書が、ついに邦訳で登場。

「本書はこの事件の謎解きだけで終わらない。その解明が著者に旅をさせる。自分の心の内奥への旅。シベリアの収容所に送られた祖父の足跡を追う父親との旅。現代史を生きた被害者と傍観者の手記を発見する旅。それぞれの旅が微妙な不協和音を残す。この不協和音が、時折挟まれる想像上の対話とともに、ヒトラーとスターリンの時代から現代までの歴史のやり切れなさを、重ね塗りのように表現する」（藤原辰史； 読売新聞オンライン書評より）

★著者、サーシャ・バッチャーニ　（Sacha Batthyny）は1973年生まれ。チューリヒとマドリッドで社会学を修めたあと、『新チューリヒ新聞』を経て、同じくチューリヒの『ターゲス・アンツァイガー』の記者を務める。2015年より、同紙のワシントンDC特派員を務め、2018年より再びチューリヒ在住。この間、2016年に発表した「月下の犯罪（Und was hat das mit mir zu tun？）」が世界的に高い評価を受け、英語やフランス語をはじめ各国語に翻訳されている。

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