ミッシェル・ドラクロワ（Michel Delacroix， 1933年フランス・パリ生まれ）は、パリのエコール・デ・ボザールで学び、舞台美術に携わった後、ナイーブアートの画家として活躍。1974年に初渡米し、国際的な評価を高め、1975年にフランス画家展で銀賞、アーティストフランス金賞を受賞。1976年にローマ・セブンヒル賞、翌年にカンヌのグランプリ・デ・コート・ダジュールを受賞。1986年にハーバード大学350周年記念作品を依頼され、1990年に来日展を開催。1996年にはアトランタ・オリンピック公認アーティスト、アートエキスポNYの公式画家に選ばれ、1998年にはフランスW杯サッカー公認アーティストとなる。現在はフランス・ロワール地方在住。作品はパリナイーブ美術館、ビィックのイル・ド・フランス・ナイーブ美術館、パリ文化省などに収蔵され、古き良きフランスの街並みや人々の日常を温かく描く作風で知られる。最高位ナイトの称号を受け、数々の国際的グランプリを獲得している。

ドラクロワ Michel Delacroix「MD-1758ホースマン」油彩 オリジナル作品（一点物）
ミッシェル・ドラクロワ特有の温かく叙情的な世界観が凝縮された本作「MD-1758 ホースマン」は、夕暮れの森を背景に、騎手と猟犬たちが静かに佇むワンシーンを描いた一枚です。左右を高い木立が囲む構図は、まるで舞台装置のように深い奥行きをつくり、中央の開けた草地に視線を導きます。地平線には沈みゆく太陽の柔らかな橙色が広がり、静寂と温もりが交じり合う時間を印象的に照らしています。騎手や犬たちはシルエットに近い簡潔な造形で描かれながら、そこに確かな存在感と物語性が宿っています。ナイーブアートの巨匠として知られるドラクロワらしい、素朴さと詩情が混ざり合った筆致が画面全体に広がり、見る者をフランスの田園へと誘います。

ミッシェル・ドラクロワは、フランス画家展銀賞やアーティストフランス金賞、ローマ・セブンヒル賞、カンヌのグランプリなど多くの栄誉を受け、ハーバード大学350周年記念作品、アトランタ五輪、フランスW杯など国際的な舞台でも活躍した作家です。本作にも、彼が生涯大切にしてきた「古き良きヨーロッパの静かな時間」への敬愛が、美しい夕景と穏やかな空気感を通してやさしく描き出されています。