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§ 日本神話 桃の節句と古事記(黄泉の国)
「古事記」には、伊邪那美命の死の様子に驚いて、黄泉の国から逃げる伊邪那岐命が、追手に対し、髪にさした櫛の歯や桃の実を投げて退散させたと記されています。
桃は邪気を払い、私たちを守ってくれるという考えは桃の節句にも通じるものです。
§ 桃の節句と古事記。
日の本(ひのもと)では古来より、
桃には古来から、不思議な力が潜むと信じられている。
おとぎ話の桃太郎は、山の霊に満ちた上流の川から、流れ下って来た桃から誕生した。
「古事記」によれば日本の国土ができると、伊邪那岐命いざなぎのみことと伊邪那美命いざなみのみことは多くの神さまを生みました。
イザナミノミコトは、ホト(陰部)から火の神を産み落とし、その火でホトに火傷を負い死んでしまう。そして黄泉の国へ下る。だが、イザナギノミコトは、別れがたく、イザナミノミコトを、忘れることは断ち難い。
イザナギノミコトは苦悶し、黄泉の国へ、イザナミノミコトに会いに出かける。
その時、黄泉の国へ降りて来たイザナギノミコトへ、「私の亡骸を見ることだけはならない」と、イザナギノミコトへ約束を誓わせ、黄泉の神へ相談に出かけた。
だが、長い間、イザナギノミコトは戻ってこない。 イザナギノミコトは我慢できず覗き見てしまった。
イザナミノミコトの死体には蛆がたかり、腐乱した恐ろしい姿になっていた。
イザナギノミコトは、イザナミノミコトを見て驚愕。その恐ろしさのあまりに、その場から逃げだす。
誓いを破られ、恥をかかされたイザナミノミコトは、猛然とイザナギノミコトを追いかける。
イザナミノミコトと醜悪な形相で追いかける、ヨモツシコメラの鬼女たち。
もうどれくらいたったことでしょう。待ちきれなくなった伊邪那岐命は、髪にさしていた櫛をとって火をともし、辺りを見回しました。
何としたことでしょう。妻の姿が見るも恐ろしい姿となって、そこに横たわっているではありませんか。
あまりの恐ろしさに、伊邪那岐命は逃げ出してしまいました。
自分の姿を見られた伊邪那美命は、髪を振り乱してその後を追いかけました。
黄泉の国の入口まで逃げてきた伊邪那岐命は、大きな岩でその入口をふさいでしまいました。
伊邪那美命は自分を見ないでという約束が破られたことを悔しがり、「あなたの国の人を一日千人殺してしまおう」といいました。
これに対し伊邪那岐命は、「それならば、私は一日に千五百人の人を生もう」と告げました。
それ以来、一日に多数の人が死に、より多くの人が生まれるようになったということです。
イザナギノミコトは必死に逃げ、黄泉と現世の境界まで逃げ切る。
ようやくイザナキ神が黄泉比良坂のふもとに来た時に、そこに生えていた桃の木から実を三つ取り、待ちかまえて投げつけたところ、雷神達は黄泉の国に帰ってゆきました。
そして逃げながら、三つの桃の実を投げ、黄泉国から脱出した。
やはり、古代より、桃には霊力が備わっていると信じられていたのであろう。
逃げ延びた場所は、黄泉比良坂(よもつひらさか)
黄泉の国からの地上への出口を、大きくて重い石で塞ぎ、イザナミノミコトとから逃げ切る。
「古事記」には、伊邪那美命の死の様子に驚いて、黄泉の国から逃げる伊邪那岐命が、追手に対し、髪にさした櫛の歯や桃の実を投げて退散させたと記されています。
桃は邪気を払い、私たちを守ってくれるという考えは桃の節句にも通じるものです
§ 中国と桃
「仙木」解説 中国において神仙に力を与える樹木である桃の呼び名。 昔より邪気を祓い不老長寿を与える植物として親しまれた。 桃で作られた弓矢を射るとで悪鬼よけとなり、桃の枝を畑にさすと虫除けの呪いとされた。
名前のとおり、桃の節句には桃の花が欠かせません。
中国では古来より、桃の木が不老長寿をつかさどり、厄災や病魔をよせつけない邪気払いの力をもつ木として重宝されています。
縁起がいいとされる植物の1つであり、節分では、桃の樹から作られた弓で邪鬼を退ける儀式も行われてきました。
また、桃という漢字は「木と兆」で構成されていることから、多産や子孫繁栄をつかさどる植物といういわれもあります。
桃の花は、家族に繁栄をもたらす縁起のよい花です。