ブルックナー:
交響曲全集
10CD
リッカルド・シャイー指揮
コンセルトヘボウ管弦楽団、
ベルリン放送交響楽団
優秀録音で聴くブルックナー交響曲全集
第1番ウィーン版の名演を含む注目の内容!
シャイーのブルックナーは、色彩的で入念に歌いこまれた美しい演奏揃い。名門オーケストラ、コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したもの(2・4・5・6・8・9)はもちろん、ベルリン放送交響楽団を指揮したもの(0・1・3・7)も、デッカの優れた録音技術もあって、サウンド・クオリティの高さはかなりのもの。
デッカ特有の細部までシャープな音響が、作品の音素材の豊富さに完璧に対応しており、各パートがきちんと識別できる透明度の高さとトゥッティの迫力というふたつのポイントを難なくクリア。ソロ・ヴァイオリンやハープの美しさも印象に残りますし、低弦やホルン・セクションの深々とした響き、重量感のあるティンパニも立派です。
たとえば第8番。壮麗なことで知られる第4楽章の再現部(13分2秒~)で、シャイーはなんとエコー音型を思いっきり強調し、面白い立体感を付与することに成功しているのです。楽章冒頭の呈示部がダブルで戻ってきたという感じで、これはこれでけっこうやみつきになる方も多いのではないでしょうか。
聴きどころは第4楽章再現部だけにとどまるものではなく、たとえば同じ楽章の終結部では前半のえぐりの効いたティンパニと後半の深みのある響きが織り成すコントラストが強烈ですし、また、第1楽章では再現部第2主題部での絶妙なルバートを伴うカンタービレが満喫できます。とはいえ、さらに素晴らしいのはやはり第3楽章アダージョでしょうか。ここでのシャイーの演奏は見事なもので、第1主題部ではリズム動機を強めに出して立体感を巧みに演出し、天上的な第2主題部とのコントラストもくっきり鮮やかに決めてくれます。クライマックスの強大さもさすがですが、すごいのはむしろそのあとで(20分37秒~)、力強くしかも繊細、豊かな表情に彩られ深い感動に満たされた作品の特質をパーフェクトに示し得ているのです。
単なる歌に終始することなく、構成素材のひとつひとつに濃やかに配慮した非常に優れた演奏&録音によるブルックナー全集です。(HMV)
■交響曲第0番 ニ短調(1869年ノヴァーク版)
シャイー指揮ベルリン放送交響楽団
1988年2月デジタル録音
15:15+13:47+06:47+10:35=46:24
■交響曲第1番 ハ短調(1891年ウィーン版)
シャイー指揮ベルリン放送交響楽団
1987年2月デジタル録音
13:13+13:45+09:11+18:05=54:14
■交響曲第2番 ハ短調(1877年ハース版)
シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
1991年10月デジタル録音
19:39+18:13+09:42+19:39=67:13
■交響曲第3番 ニ短調『ワーグナー』(1889年ノヴァーク版)
シャイー指揮ベルリン放送交響楽団
1985年5月デジタル録音
20:41+15:49+07:01+12:20=55:51
■交響曲第4番 変ホ長調『ロマンティック』(1886年ノヴァーク版)
シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
1988年12月デジタル録音
18:43+15:05+10:20+21:56=66:14
■交響曲第5番 変ロ長調(1878年原典版)
シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
1991年6月デジタル録音
20:24+18:07+13:07+23:31=75:29
■交響曲第6番 イ長調(1881年原典版)
シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
1997年2月デジタル録音
17:05+16:44+08:58:14.27=57:30
■交響曲第7番 ホ長調(1885年ノヴァーク版)
シャイー指揮ベルリン放送交響楽団
1984年6月デジタル録音
22:46+22:48+09:58+13:21=69:08
■交響曲第8番 ハ短調(1890年ノヴァーク版)
シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
1999年5月デジタル録音
16:05+14:59+25:29+22:06=79:01
■交響曲第9番 ニ短調(1894年ノヴァーク版)
シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団
1996年6月デジタル録音
24:44+10:41+27:22=62:47
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