《アート・オブ・ケーゲル》
ベートーヴェン交響曲全集をはじめ、
ブラームスのドイツ・レクイエム、
ストラヴィンスキー、エルガーにいたるまで
ケーゲルの特異な芸風を堪能できるお徳盤。
ベートーヴェン;
・交響曲全集
・三重協奏曲
・合唱幻想曲
ブラームス:
・ドイツ・レクイエム
&『魔法のメロディ』
ケーゲル/管弦楽作品集
8CD
ケーゲル/ベートーヴェン:交響曲全集(CD1~5)
1982から83年にかけてステレオ録音された、ケーゲルの伝説的な全集録音。1960~70年代の鋭利な強烈演奏の数々と、ピストル自殺というあまりにも凄惨な亡くなりかたをしたためもあってか、猟奇的なまでの個性派と見られがちなこの指揮者がここで聴かせてくれる、きわめて澄明なベートーヴェン演奏には正直言って驚かされます。細部までよく神経を通わせた繊細なアプローチがもたらす見通しの良い清潔な音響が印象的で、もちろん単純な「古典への回帰」にはとどまらず、リズムの鋭さを意図的に抑制し、遅めのテンポ設定で流麗優美な表情を徹底して追及した第7番の第1楽章など、ユニークな表現がいたるところに聴かれるのも面白いところ。
ともあれ、晩年の鬼才ケーゲルがなにを目指していたのかを占う意味でも無視できない一組と言えるでしょう。
Disc-1
・交響曲第3番変ホ長調Op.55『英雄』
・交響曲第1番ハ長調Op.21
Disc-2
・交響曲第7番イ長調Op.92
・交響曲第2番ニ長調Op.36
Disc-3
・交響曲第5番ハ短調Op.67『運命』
・交響曲第4番変ロ長調Op.60
Disc-4
・交響曲第6番ヘ長調Op.68『田園』
・交響曲第8番ヘ長調Op.93
Disc-5
・交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱付き』
アリソン・ハーガン(ソプラノ)
ウテ・ヴァルター(コントラルト)
エバーハルト・ビュヒナー(テノール)
コロシュ・カヴァトシュ(バス=バリトン)
ベルリン放送合唱団、ライプツィヒ放送合唱団
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)
録音:1982-83年 ドレスデン、ルカ教会
CD6には、ペーター・ローゼル(ピアノ)らとの
トリプル・コンチェルト、合唱幻想曲を収録
『魔法のメロディ』
アルビノーニのアダージョが収録されたコンピレーション・アルバムがベストセラーとなり、その演奏の強烈さゆえにケーゲルにはまる人が続出したのは有名な話ですが、そのアダージョの演奏がもともと収録されていたオリジナル・アルバムをCD化したのが今回登場するアルバムです。
他の指揮者の演奏とのごちゃまぜアルバムでは絶対に味わえない、ケーゲルならではの解釈が連続するこのオーケストラ作品集を聴くと、ケーゲルという指揮者の不器用なまでの真剣さが痛いほど伝わってきて感銘の深さもひとしおです。
1曲目の「アダージョ」の悲痛さの後には、穏やかでありながらも中間部では不安や悲しみを窺わせる「精霊の踊り」。続くグリーグ『2つの悲しき旋律』では透明で抑えた悲しみをにじませ、次の『4人の田舎者』間奏曲ではのどかなワルツでなごませる、といった具合に、悲しく穏やかな音楽をベースにしながらも、要所に『ルスランとリュドミラ』序曲や、「火祭りの踊り」『威風堂々第1番』「サーカス・ポルカ」といった激しい音楽を配することで、変化に富んだ進行を楽しめるようになっています。
【収録情報】
・アルビノーニ(ジャゾット):アダージョ [9:46]
・グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』~「精霊の踊り」[6:25]
・グリーグ:『2つの悲しき旋律』~第1曲「傷ついた心」[4:17]
・グリーグ:『2つの悲しき旋律』~第2曲「晩春」[6:00]
・ヴォルフ=フェラーリ:歌劇『4人の田舎者』~間奏曲[3:03]
・シベリウス:『悲しきワルツ』[4:41]
・グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』~序曲[5:22]
・ムソルグスキー(R=コルサコフ編):歌劇『ホヴァンシチナ』第4幕間奏曲[2:58]
・フランツ・シュミット:歌劇『ノートル・ダム』~間奏曲[5:19]
・レオンカヴァッロ:歌劇『道化師』~間奏曲[3:26]
・ファリャ:『恋の魔術師』~「火祭りの踊り」[3:52]
・エルガー:『威風堂々』第1番[6:03]
・ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ[3:50]
ラルフ=カールステン・ブレムゼル(ヴァイオリン/アダージョ)
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)
録音:1986-87年(デジタル)
コンディション良好。
※本品のボックスはもともと軟弱なつくりなため
ところどころイタミが見られます。
発送は、日本郵便クリックポストを予定しています。
土曜、日曜日は発送作業ができませんこと、ご了承ください。