正宗 二寸(76㎜)鉋
正宗の二寸鉋で刃先近くで約76㎜あります。
未使用ですが、所々に錆等あります。
宮大工であり道具道楽であった先々代が寺や上仕事の際に使用する鉋を入れた別口の道具箱に『是秀』など共に入っていた鉋の銘柄で、一緒に入っていた台付きの中古の同じ鉋は随分前に売却しました。
全く同じ物で未使用の物を自分用に取っておいたのですが、今回やむを得ず手放します。
最初目一杯がんばって出したのでこれ以上は安くは出しにくいです。
『○正宗』とか似たような銘の鉋はあるのですが、顔に『登録』とあるようにこれは『正宗』単体で登録されていて、他では『正宗』の銘では販売出来ず、『正宗』の前後に別の文字をくっつけて『○正宗』などという物が出回ったりしたのではないでしょうか。
一見問屋風の鉋のような見かけで、槌目模様をベースに『登録』・『正宗』・『特製』の刻印ですが、背中側には手仕事で細かく逆矢羽根模様が切ってあり、以外と手の込んだ仕様になっています。
また肉回しを窺える槌目の形跡はかなりの手練れだったのではないかと想像させます。
随分前に手放した中古の鉋については、手放す少し前に簡易的な切れ味テストを実施しました。
非常に刃先の揃う細かい組織の刃である事は間違い無いですが、切り進めていく最中もその繊細な感触は、誰もが認める名品を彷彿とさせ大変驚きました。
先々代は私が小学校に上がる前に亡くなっているので、作者は今となっては分からないのですが、上仕事の道具箱に入っている事に納得したことを覚えています。
当時の切れ味テストのYouTube動画は以下となります。
未使用なので分かり難いですが、動画でもご覧いただけます通り地金は細かい波打つ層状の地金になっております。
側面からの画像にも刃裏の刃先寄りの方にいくつか小さい茶色の錆が見えますが、実際編集中に大きい画像で見て「何これ?」と初めて気づいたぐらいで、光源の種類にもよるのかもしれませんが、特製の横にある錆以外は茶色い錆という認識は無く、改めて見ても個人的には「茶色いか?」ぐらいの感覚の錆です。
あまり影響は少ないのでは無いかと思いますが、あくまで個人的な感覚は違いますので、何ともいえません。
そこに錆はあるという事に違いなく、画像をよく精査してもらうしかありません。
鋼との境界も明確ででいう事無しです。
特製の刻印の少し横に茶色い錆があります。
本当は10万円以上で出したい所ですが、作者が不詳である以上残念ながらそうもいきません。
価値を見いだして下さる方がいらっしゃれば、4万円からでお願いします。