2020年代ではフツーに聴ける「MONO or 疑似ステレオ音源しか無かった曲のステレオ・ヴァージョン」、90年代後半当時はほんの僅かしか聴けませんでした。やがてデジタル技術の進化で可能性が広がり、まず『Pet Sounds』が1996年に初ステレオ化(発売は翌年)。それに続き本作で2曲が実現。「California Girls」は音の広がり & こんなに音が詰め込まれていたのかと驚かされ(1998年発売時の印象)、「Kiss Me,Baby」も各パートがより鮮明に。
(Demo)
正式レコーディング前の"Demo音源"の最注目は「Heroes And Villains」。『SMiLE』の公式発売なんてあり得なかった1998年、裏流通の関連音源でも聴けなかった「I'm In Great Shape」「Barnyard」の歌詞やメロディ・ラインがこの音源で明らかに・・・と、ファンの間で『SMiLE』研究が続いていた当時としては驚きのトラックでした。で、この2曲のヴォーカルは『SMiLE』制作時に正式録音されなかったため、『THE SMiLE SESSIONS』(2011年)ではこのDemo音源から音が抽出され、Backing Trackに組み込まれています。
(未発表曲)
未発表曲は、言われなければお蔵入り曲とは思えないかも。ブライアンとRick Henn(The Sunrays)によるジャジーな「Soulful Old Man Sunshine」やアルがヴォーカルの「Loop De Loop (Flip Flop Flyin' In An Aeroplane)」は『Sunflower』のセッションが豊作だった事を裏付ける(ちなみに後者はアルが本作用にヴォーカル等を追加)。「Sail Plane Song」は『20/20』制作初期の曲で「Loop De Loop」の原型。