ボディには、ワンピース構造のカーボンファイバーセルである「カーボンモノセル」が使用され、その単体重量は80kgと極めて軽量に仕上がっている。
ワンピースのカーボンセルに、アルミニウムやプラスチック製のカバーを使用し、車両重量は約1.3 tである。
このカーボンセルは、オートクレーブを使用したいわゆるドライカーボンではなく、生産性を考慮した
レジントランスファーモールディング方式で製作することで、生産時間を1週間から40分に短縮した。
M838Tエンジンはリカルドとの共同開発によるものである。
一部のサイトではベースとなったエンジンは日産・VRH35であるとの記述や、日産・VHエンジンの量産シリンダーブロックが
ベースであるとの記述があるが、前者は全くの間違いであり、後者も誤解がある。
正しくは、VH型エンジンをレース用(VRH50AやVRH35A)に転用する際、構造を見直しレース専用に完全新設計された
シリンダーブロック部分がベースになっている。排気量3.8 L、バンク角90度、ボア93mm×ストローク69.9mmのV型8気筒ツインターボで、
ドライサンプオイル潤滑システムやフラットプレーンクランクシャフトを採用し、ミッドシップに搭載される。
特筆すべきは3.8 Lの排気量ながら、ツインターボの装備により最大出力は600PS、最大トルクは600Nm(61.2kgfm)を発揮する
ダウンサイジング化に成功したことである。
当初はメルセデスAMG製の6.3 L 自然吸気 V型8気筒を使用するとアナウンスされていたが、メルセデス・ベンツとの提携が
解消されたためキャンセルされた。その後、ポルシェ・カレラGTのV型10気筒を搭載したプロトタイプが製作されたが、
これは開発着手が遅れていた自前のエンジンが完成するまで、同程度の出力と回転レンジを持つエンジンによってシャシーや
トランスミッションの先行テストに供するためであった。ピ
ークパワーは7,000回転で発生するが、レブリミットは8,500回転に設定されている。
これにより、シフトアップ前後の駆動力の繋がりの良い高効率の加速能力が発揮できる。
環境にも配慮し、燃費は11km/Lと公称される。またマクラーレンによれば、同クラスのスーパーカーの中で最も二酸化炭素の
排出量が少ないと発表している。
0-100km/h加速3.1秒、最高速度330km/hと発表される。ニュルブルクリンクでは非公式ながら7分28秒のラップタイムで周回した。
トランスミッションはグラツィアノ製の7速デュアルクラッチトランスミッションで、変速にはパドルシフトを使用する。
「pre-cog」と呼ばれる機能により、一方のパドルシフトへ軽く触れると次がダウンシフトかアップシフトかを予測し、
準備することで素早い変速を可能にする。
サスペンションでは「プロアクティブシャシーコントロール」と呼ばれる、前後左右の各ダンパーを油圧で相互接続する技術が採用されている。
アンチロールバーの代わりを務め、低速では柔らかく、高速では硬くすることで、ダイナミックなロール制御を可能とした。
ダンパー用の油圧ポンプは軽量化のため、電動油圧式ステアリングと兼用となっている。このシステムを採用したことで、
スポーツカーとしては極めて優れた乗り心地を実現している。
ブレーキでは1997年のマクラーレンのF1マシンであるMP4-12から発想を得た「ブレーキステア」が採用された。
これはコーナリング時に自動でイン側のリアタイヤにブレーキをかけることで、アンダーステアを解消するシステムだ。
コーナー出口からの加速時にも作動しスピンを抑制する。類似の機能を持つアクティブ制御ディファレンシャルと比較し、
軽量であるというメリットがある。
リア周りには、可変式ウイングスポイラーが装備され、ブレーキング時には持ちあがって空力ブレーキとして作動する。
タイヤはピレリ製のフロント19インチ、リア20インチのものを装着する。
ドアノブはなく、手をかざすとセンサーが感知してロックを解除させる仕組みであったが、2013年モデルからは物理的なスイッチが装備された。
2014年にMP4-12Cと
P1の間に位置する650Sが発表されたものの、MP4-12Cは引き続き販売されるとアナウンスされた。
その後、同年4月4日に生産終了の決定が発表された。
| 駆動方式 | MR |
|---|
| パワートレイン |
|---|
| エンジン | M838T 3.8L V型8気筒 ツインターボDOHC |
|---|
| 最高出力 | 600PS/7,000rpm |
|---|
| 最大トルク | 61.2kgfm(600Nm)/3,000~7,000rpm |
|---|
| 変速機 | 7速デュアルクラッチ |
|---|
| 前 | 前後ダブルウィッシュボーン |
|---|
| 後 | 前後ダブルウィッシュボーン |
|---|
| 車両寸法 |
|---|
| ホイールベース | 2,670mm |
|---|
| 全長 | 4,509mm |
|---|
| 全幅 | 1,908mm |
|---|
| 全高 | 1,199mm |
|---|
| 車両重量 | 1,336kg |
|---|
| 系譜 |
|---|
| 後継 | 650S |
|---|