「定本 雪国」牧羊社 昭46年 限定1200部の内33番
昭和46年に牧羊社から刊行された、川端康成の名作「雪国」の豪華本です。
初版、二重函、元パラ付。
装幀と挿画は岡鹿之助画伯によるものです。
総麻布装・題簽部に手漉和紙の内函。
本冊は総革装・タイトル金箔押し、天金装。
本文用紙は山田商会の最上質紙に、印刷は精興社。
岡鹿之助画伯の挿画は多色コロタイプ印刷であり、正に「雪国」の決定版です。
輸送箱、内箱、本冊全て揃っている完品です。
特に本冊にはパラフィルムが付いており、大変綺麗な状態です。
書込みや蔵書印は一切ありません。
名作「雪国」は、戦前より断片的に雑誌に掲載された来歴を持ちます。
昭和10年 「夕景色の鏡」「白い朝の鏡」「物語」「徒労」
昭和11年 「萱の花」「火の枕」
昭和12年 「手毬歌」
(以上の断章を纏め、創元社から「雪國」を刊行し、第3回文芸懇話会賞を受賞)
昭和15年 「雪中火事」
昭和16年 「天の河」
昭和21年 「雪国抄」
昭和22年 「続雪国」
(以上に訂正を加え、創元社より完結本「雪国」を昭和23年刊行)
その後も川端の「雪国」への愛着は衰えず、完結本に更なる訂正・加筆が加えられ最終決定版として刊行されたのが、本出品の「定本 雪国」です。
物語の内容は非常に幽玄かつ清冽なもので、「火の枕」の章について、小林秀雄は
「氏はほとんど自分では生きていない。他人の生命が、このがらんどうの中を、一種の光をあげて通過する。だから氏は生きてゐる。これが氏の生ま生ましい抒情の生まれるゆゑんなのである。作家の虚無感といふものは、ここまで来ないうちは、本物とはいへないので、やがてさめねばならぬ夢にすぎないのである。」
と絶賛をしています。
また三島由紀夫は、作中の人物、駒子、葉子、島村について、駒子や葉子が「不思議な鏡の中」で、「夢のからかくり」のように眺められる存在で、島村や読者に「悲しみを見てゐるといふつらさ」を与えず、作中の風景は「夕景色の鏡の非現実な力」の支配下にあると解説しております。
20世紀の日本文学を代表する名作「雪国」。
是非、決定版である本品で読んで頂きたいです。
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