「歌の国」ブルガリア発信の楽劇『ニーベルングの指環』ボックス化
ボリス・クリストフやヴェッセリーナ・カサロヴァをはじめ、数々の名歌手を輩出することで知られる歌の国ブルガリア。本作は、この国を代表するソフィア国立歌劇場が2010年に総力を挙げて上演したワーグナーの『ニーベルングの指環』の上演収録です。
上演にあたっては、ブルガリアの実力派歌手たちが集結。特撮怪獣映画のキャラクターのような装束やロック歌手を思わせる衣装をまとい舞台狭しと活躍します。指揮者パヴェル・バレフは『ラインの黄金』上演によりブルガリアの「年間最優秀指揮者」の栄誉を受けました。
『ラインの黄金』は往年のSF映画を彷彿させるようなオープニング映像に始まり、ニコライ・パナヨトフがデザインした舞台装置では、ライン川を象徴する巨大な円盤と、舞台につるされたいくつものコーン(三角錐)に、投影されるプロジェクション・マッピングにより情景の変化が描かれます。登場人物の多くはアニメ映画のキャラクターのようなキッチュな装束をまといコミカルな姿で登場します。
『ワルキューレ』では、『ラインの黄金』から更にポップさを増した演出に驚かされます。舞台上のオブジェとしての大きな環と円錐は本作でも継承され、ワルキューレたちの乗るロケットの弾頭のような円錐、ブリュンヒルデが眠る岩山を囲む炎の環、と様々なシーンで使われます。ジークムントを歌うマルティン・イリエフは2015年のソフィア国立歌劇場の来日公演の際『トゥーランドット』のカラフを歌い人気を集めた実力派テノール。
『ジークフリート』では赤と青を基調にした照明に、不思議な幾何学模様や円錐が散りばめられ、見る者を異世界へといざないます。前作に続きテノール、マルティン・イリエフが題名役ジークフリート、さすらい人/ヴォータン役は重鎮マルティン・ツォネフ、そしてブリュンヒルデ役はモンゴル出身のソプラノ、バラスガラン・ダシュニャムが担当。見事な歌唱を聴かせます。
そして前三作と同じく、赤、青、緑の原色を基調とした照明に、不思議な幾何学模様や円錐が散りばめられたプラメン・カルタコフによるポップな演出コンセプトに貫かれた『神々の黄昏』。アルベリヒ役のゲオルギエフとハーゲン役のペタル・ブチコフ以外は主要メンバーが刷新され、ブリュンヒルデ役のヨルダンカ・デリロヴァを初めとした新鮮な歌唱陣による熱演によりこの壮大なツィクルスの最終章が締めくくられます。(輸入元情報)
● 序夜『ラインの黄金』
ヴォータン/ニコライ・ペトロフ(バリトン)
ドンナー/クラスタン・クラスタノフ(バス)
フロー/ミロスラフ・アンドレーエフ(テノール)
ローゲ/ダニエル・オストレツォフ(テノール)
アルベリヒ/ビセル・ゲオルギエフ(バス・バリトン)
ミーメ/クラシミール・ディネフ(テノール)
ファーゾルト/ステファン・ヴラディミロフ(バス)
ファーフナー/ペタル・ブチコフ(バス)
フリッカ/ルミャーナ・ペトロヴァ(メゾ・ソプラノ)
フライア/ヴェセリーナ・ヴァシレヴァ(ソプラノ)
エルダ/ブラゴヴェスタ・メッキ=ツヴェトコヴァ(アルト)
ヴォークリンデ/イリーナ・ジェコヴァ(ソプラノ)
ヴェルグンデ/ドロテア・ドロテーエヴァ(メゾ・ソプラノ)
フロースヒルデ/ツヴェタ・サラムベリエヴァ(アルト)
ソフィア国立歌劇場バレエ団
収録時期:2010年5月25日
収録時間:161分
● 第1夜『ワルキューレ』
ジークムント/マルティン・イリエフ(テノール)
ジークリンデ/ツヴェタナ・バンダロフスカ(ソプラノ)
フンディング/アンゲル・フリストフ(バス)
ヴォータン/ニコライ・ペトロフ(バリトン)
フリッカ/ルミャーナ・ペトロヴァ(メゾ・ソプラノ)
ブリュンヒルデ/マリアナ・ツヴェトコヴァ(ソプラノ)、他
ソフィア国立歌劇場バレエ団
収録時期:2011年4月14日
収録時間:243分
● 第2夜『ジークフリート』
ジークフリート/マルティン・イリエフ(テノール)
ミーメ/クラシミール・ディネフ(テノール)
アルベリヒ/ビセル・ゲオルギエフ(バリトン)
さすらい人/ヴォータン/マルティン・ツォネフ(バス)
ファーフナー/ペタル・ブチコフ(バリトン)
エルダ/ルミャーナ・ペトロヴァ(メゾ・ソプラノ)
ブリュンヒルデ/バラスガラン・ダシュニャム(ソプラノ)
森の小鳥/リュボフ・メトディエヴァ(ソプラノ)
ソフィア国立歌劇場バレエ団
収録時期:2012年5月30日
収録時間:270分
● 第3夜『神々の黄昏』
ジークフリート/コスタディン・アンドレーエフ(テノール)
グンター/アスタナス・ムラデノフ(バリトン)
アルベリヒ/ビセル・ゲオルギエフ(バリトン)
ハーゲン/ペタル・ブチコフ(バス)
ブリュンヒルデ/ヨルダンカ・デリロヴァ(ソプラノ)
グルトルーネ/ツヴェタナ・バンダロフスカ(ソプラノ)、他
ソフィア国立歌劇場合唱団(合唱指揮: ヴィアレタ・ドミトローヴァ)
ソフィア国立歌劇場バレエ団
収録時期:2013年6月29日
収録時間:272分
ソフィア国立歌劇場管弦楽団
パヴェル・バレフ(指揮)
演出:プラメン・カルタロフ
装置・衣装:ニコライ・パナヨトフ
照明:アンドレイ・ハジディンジャク
収録場所:ブルガリア、ソフィア国立歌劇場(ライヴ)
映像監督:ルーメン・コヴァチェフ/プラメン・カルタロフ
総収録時間:946分
画面:カラー、16:9
音声:PCMステレオ、Dolby Digital 5.1
字幕:日本語・イタリア語・英語・フランス語・ドイツ語(歌唱言語)・韓国語
NTSC
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