1990年 イギリス発行 エリザベス2世女王の母=エリザベス皇太后 生誕90周年記念 バース・オブ・クイーン・マザー 英国の母 5ポンド 銀貨 NGC PF69UCのご案内になります。
唐突に変なことから書きはじめますが、
ワタクシは高校生の時園芸部に所属しておりました。しかも部長でした。
本当は軽音楽部にいました。ギターを弾いていました。それが本職でした。
ですが、3年生の時点で授業をサボりすぎたため漢文で出席日数が圧倒的に足りなくなりました。
まぁ要するにサボってばかりいたので、そのまま普通に過ごしたら高校を卒業できない状態でした(笑)
そこで園芸部の顧問をしていた漢文の先生に・・・
「なんでもするから、なんとかして単位をください!」とお願いをしました。
推定60歳のおばあちゃんの先生でした。
この際、推定50歳上のBBAに抱かれても良いとさえ18歳の清き男子は思い、覚悟を決めて懇願しました(笑)
すると、その漢文の先生、
「それならば園芸部に入ってください」
「そして部長をやってください」
「そうしたら単位をあげます」
と言うじゃぁないですか!
渡りに船です。それならば簡単なことです。園芸部に入って部長になるだけです。
すぐさま入部届を書きました。
そして部長に立候補しようとして向かった部室・・・部員ゼロでした(笑)
要するにこのままだと園芸部が廃部になってしまうので、誰でもいいから入部して欲しかったわけですね。
良いでしょう。それも良いでしょう。単位さえくれてダブることなく高校を卒業できればなんでも良いでしょう。
ということで、翌日から園芸部活動が始まりました。
園芸部がやること・・・・・
・中庭の草むしり
・校門周りの草むしり
・校庭の草むしり
・駅から学校までの通学路の草むしり
・その他植木や雑木などの剪定
そりゃいませんて。部員いませんて。そんなの誰もやりたくありませんて。
大事な青春の数年間を草むしりに捧げるやつおりませんて(笑)
ですが、たかが草むしりとはいえ、サボって退学になると私は高校を卒業できません。
なので必死にムシりました。片っ端からむしって高校中を綺麗にしました。
そして、ある日顧問のBBA先生に呼び出されました。
ああ、あれだけ雑草むしったんだから喜んで褒めてくれるんだなぁ・・・と思って出向きました。
しかし怒られました。激怒されました。
「お前は雑草と観賞用草の区別もつかないのか!!」と・・・・・
私がムシってしまった中には「アザミ」がありました。
このコインの王冠の右側にある花ですね。
アザミは日本中至る所に自生しています。
そして綺麗な花を咲かせるキク科の植物です。
昭和の頃を過ごした方ならお分かりかと思いますが、
当時は多摩川でも、荒川でも、江戸川でも、相模川でも、都会でもそこらの土手にいくらでも咲いていました。綺麗に咲いていました。
最近は見かけません。
これは行政に刈られてしまうからです。
行政の目的はケシの花の撲滅です。
ケシの花にはアヘンの原料になる物質が含まれています。
極論ケシの花をいっぱい集めてくれば、アヘンが簡単に作れます。
これを阻止するために、日本中の行政機関が雑草群を刈り取ります。
アザミは麻薬にこそなりませんが、植生がケシの花と似たようなもんです。
土手や草原に放っておけばいくらでも生えます、増えます、広がります。
なので、雑草と判断されて、ケシの花撲滅の名目で一緒に刈り取られてしまいます。
ちなみにアザミの花言葉は「独立」「安心」です。
これはイギリス帝国の一部スコットランドがノルウェー軍に侵攻されそうになった時、城周辺に生えていたヤリアザミの鋭いトゲがノルウェー軍を撤退させた逸話に由来しています。
スコットランドは大英帝国の一部です。
この辺で、このコインに「アザミ」の花が添えらている意味がわかるかと思います。
イギリス=スコットランド・イングランド・アイルランドでアザミは日本のような雑草扱いではありません。
王室の象徴にもなるような高貴で、由緒ある、幸運な国を守ってくれる花になります。
コインの王冠の左側はバラですね。
こちらは説明の必要はないかと思います。
イギリスといえばイングリッシュガーデンです。
横浜あたりにもありますねイングリッシュガーデン。
そのメインはバラの花ですね。ほとんどバラ庭園ですね。
日本でも綺麗で貴重な花として、時に驚くような高値でも取引されるメジャーな花です。
そんなイギリスを代表するかのような二つの花が添えられたこのコイン、
バース・オブ・クイーン・マザーの名前を持ちます。
1990年発行のコインです。
このコインの雰囲気とその名前から「エリザベス二世女王の生誕記念」と思われる方が多いのですが、それは間違いです。
正確にはエリザベス・アンジェラ・マルグリート・ボーズ=ライアン=エリザベス皇太后の生誕記念、生誕90周年記念のコインとなります。
要するに「エリザベス2世女王のお母さん」にあたる人です。
なので「クイーン・マザー」です。
エリザベス2世女王のお母さんの90歳の誕生日を祝って発行された記念コインになります。
ちなみにこのエリザベス皇太后・お母さんは96歳で亡くなっています。
これが彼女が登場した最後のコインとなります。
エリザベス2世女王と同じく長生きだったことにも驚きますが、
お葬式は国葬でした。非常にド派手な国葬でした。これも画像が見れたら見てください。驚けるレベルです。
バラとアザミ側は「レスリー・ダービン(Leslie Durbin)氏」のデザインです。
シンプルですが、高貴で美しい、イギリスらしいデザインだと思います。
エリザベス側は言わずと知れた「ミドルエリザベス」です。
お馴染みの「ラファエル・マルーフ(Raphael Maklouf)氏」デザインのミドルエリザベスです。
ですが・・・これコインが大判なので、ちょっといつものミドルエリザベスと違う雰囲気を感じる方もいらっしゃるかと思います。
微妙に若くないかな?ソブリン金貨あたりのミドルエリザベスより若く見えるよね?とおっしゃる方が多いです。
そう言われてみて良く見返すと、確かにヤングエリザベスをちょっと加工したぐらいかな?という若さと美しさを感じることができます。
金貨でもこの雰囲気は出ていません。大型銀貨のミドルエリザベスが発する独特な雰囲気が楽しめる一枚です。
発行枚数は56102枚と多いコインなのですが、
NGC鑑定品は117枚しか存在しません。その中の準最高鑑定で上位グレード14枚のみがこの個体です。
1990年といえばNGC、PCGSが創設されて間も無い年代です。
まだ両鑑定会社とも世界的にはそれほどメジャーな存在ではありませんでした。
なので、ファーストリリースも、ファースト○○ストラックも、
一枚も存在していません。
そもそもこのコインの発行当時のイギリス人は、アメリカの鑑定会社に鑑定に出すことが日常ではありませんでした。
なので基本裸の物ばかりが残存しています。現存するほとんどは未鑑定の裸コインばかりです。
劣化しやすい銀貨ですし、今後PF69UC以上が増えるとしても数枚しかないはずです(個人的にはゼロだと思っています。保険かけた言い回しです)。
状態も非常によく大判で存在感もあるので、相場が安めの今が狙い目のコインだと思います。
というかこのコインに重さに今日の銀価格かけてみてください。それだけでも程々のお値段に達します。
過去も現在も、このコインの取引や出品は余りにも安過ぎます。
かなりの過小評価です。
エリザベス女王のお母さんの生誕記念ですよ?しかも90歳の。
そしてエリベス女王の肖像入りですよ。ヤングエリザベスの。
そしてこの大ぶりで、PF69UCの輝きを持つ銀貨ですよ?
今までこのコインのしっかりとした背景ストーリーが説明されてこなかったのも安値で止まっている一因かと思いますが、
ぜひこのチャンスに気づいてください。
もう一回書きますが、総鑑定枚数が117枚です。同鑑定が80枚です。上位鑑定14枚です。
ここだけでも本当はもっと評価されて然るべきだと僕は思います。
ちょっと混乱しそうな部分ですが、これもあえて書いてみます。
ミドルエリザベスはターゲットとしては「5ポンド金貨」及び「PF(プルーフ)貨」が対象になりますので、
ここに絞ってみると正確には「1985年と1990年~1997年の9年間分のみの発行」ということになります。
1985年分は単年度発行といえます。
そして、1990年物はある意味ミドルエリザベス肖像コイン(プルーフコイン)の初年号品と言っても良い状態にあります。
ああ、これ隠れた名作コインかも!?
と気付かれました?
もし気が付かれたのならばお早めにご入札ください。
本当はもっと高い価値があると私は思っていますが、
横へ習えの値段にしておきましたので・・・・・
安値で買って、高値に育てる。。。このコインの楽しみ方が味わえる一枚だと思います。
あ、そして、発端はなんであれ、僕を植物に詳しくさせてくれたBBA…じゃなくて漢文の先生!ありがとうございました。
お陰様で程々人より変な視点で(笑)植物を解説することができるようになりました。
ではでは、本日も沢山のご入札、心よりお待ちしております。
※鑑定枚数詳細に関してはこちらでご確認いただけます。