絶版希少本 アクアヌードル・マニュアル 「浮き棒」を使った水中運動 写真解説 イラスト図解 理論編 実践編
ストレッチング9種 バランス10種 エアロビクス4種 筋力向上 筋トレ ストレングス58種 ゲーム&ファン11種 マッサージ&リラクセーション8種 指導書 教本 フロート 浮き具
指導カード アクアエクササイズ アクアスポーツ スイミング アクアエアロビクス フィットネス スポーツクラブ
清水富弘・立川規子 著
環境工学社 発行
1999年
128ページ
約24.5x18.5x1.5cm
モノクロ
※絶版
健康スイミング・水中歩行・水中運動に用いられる、
プールスティック、プールヌードル、アクアスティックなどと称される浮き棒(以後本書では「アクアヌードル」と称す)は、
アクアスポーツ・アクアエクササイズの世界で、急速に人気が高まっており(刊行当時)、
発展・普及のためにその理論、実践方法について豊富な写真、イラストを用いて効果的な活用方法を、アクアスポーツの専門家が体系的にまとめた珍しい本です。
第1章では、理論編としてアクアヌードルに関する総論(名称、特性、用途、カット方法、収納方法)、基本形の運動動作、指導形態などの写真イラスト図解を掲載。
第2章実践編(アクアヌードル指導カード)の項目では、各種目別にひと目でわかるイラストカード形式で整理分類して多数紹介。
運動目的による分類、運動の名称、動作の代表例イラスト、動作の解説、バリエーション(応用例)のイラスト解説を多数掲載。
ストレッチング9種 バランス10種 エアロビクス4種 ストレングス58種 ゲーム&ファン11種 マッサージ&リラクセーション8種を
1ページ指導カード形式で紹介。
類書もほとんど無く、スイミングスクール、アクアエクササイズ、スポーツクラブ、高齢者向け健康スイミング・水中歩行・水中運動などの大変貴重な資料本です。
【はじめに】
私は1985年から講演のたびに、「近い将来、プールでは“泳ぐ時代から動く時代へ” または“横位の運動 (水泳) から立位の運動 (水中歩行) へ移行します」と言ってきました。初めの頃は理解していただけなかったのですが、最近の5~6年では現実がこのことを証明してくれるまでになりました。つまり、この15年間でプールの利用目的が「スイミング」から「アクア」へと逆転したのですが、その事実をどれだけの人が認識しているのかはわかりません。
しかし、世はさらに「アクア」の方向へシフトしています。競争志向のスポーツからリフレッシュ志向の健康へ、さらにはエコロジー志向のヒーリング(癒し)へと移行し 「ている流れは、プール環境でも例外ではなく、競技スイミング→健康スイミング→水中歩行・水中運動と動いています。もちろん、この流れは、WHO(世界保健機関)の2020 「年時に日本の60歳以上の割合が3割になるという「超高齢社会」の到来と無関係ではないでしょう。なぜなら、このことは近い将来、高齢者をサポートする割合が激減するため、高齢者であっても、自分達の健康は自分達で守らなくてはならない時代が到来することを意味しているからです。
さて、このようなある意味での「ターニング・ポイント」に位置づけられた私達は、 アクアの行く末を傍観するばかりでなく、将来の展望をもって自分たちで自ら(水から) 変えていく使命があるように思えてなりません。そして、本書で紹介する「浮き棒(以後「アクアヌードル」と称す)」は、最近のアクアの世界で、急速に人気が高まっており、使い方によっては、アクアの発展・普及に非常に貢献できるものと信じております。 本書では、このアクアヌードルのすばらしさについてまとめたものです。しかし、筆者の力量不足が残る部分も多々あるものと自省しております。これらの点につきましては、 読者の皆様のご叱言を賜りながら、さらに向上させていく所存です。今後ともよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
文末になりましたが、本書をまとめるにあたりフットマーク株式会社代表取締役の磯部成文氏、同アクアヘルス部のスタッフには多大なご尽力をいただきました。ここに深く敬意を表しお礼申し上げます。また快く写真モデルになっていただいた上越教育大学の学生の皆さん、そして本書の企画・出版に際し、多大なご理解とご協力をいただきました環境工学社の久瀬利郎氏、イラストレーターの青丹野みやさんに謝意を表します。
【目次】
第1章 理論編
1 アクアの定番 アクアヌードル
2 ハードウェアとしてのアクアヌードル
2-1 アクアヌードルの名称
2-2 アクアヌードルの特性
2-3 ハーフヌードル(カット方法・用途)
2-4 ジョイント
2-5 アクアヌードルの収納法
3 ソフトウェアとしてのアクアヌードル
3-1 アクアヌードル運動の基本型
3-1-1 浮力介助(アシスト)運動
3-1-2 浮力支持(サポート)運動
3-1-3 浮力抵抗(レジスト)運動
3-2 アクアヌードルの指導形態
3-3 アクアヌードルの運動目的
3-3-1 ストレッチング系
3-3-2 バランス系
3-3-3 エアロビクス系
3-3-4 ストレングス系
3-3-5 ゲーム&ファン
3-3-6 リラクセーション&マッサージ
3-3-7 その他
第2章 実践編(アクアヌードル指導カード)
1 ストレッチング
2 バランス
3 エアロビクス
4 ストレングス
5 ゲーム&ファン
6 マッサージ&リラクセーション
第1章 理論編
1. アクアの定番 「アクアヌードル」
ウェルネス (wellness) とは、1960年代初頭に欧米で提唱され現在に至っている積極的で総合的な健康観です。これは、精神・情緒的にも良好(well-being) な状態を保っていないと、仮に身体的には病気でなくても、バランスのとれた真の健康とはいえず、かつ自発的にそれを維持するという考えに立っています。つまり、「健康は、 心身ともに自ら求めて獲得するものである」という思いが根底にあります。
アクアウェルネスとは、水の中でのウェルネス活動なのです。言うなれば、「水の恩恵を受けながらウェルネスに近づいていくこと」という意味になると思います。
さて図1には、水中でのウェルネス活動を運動強度および身体活動性の二軸で位置づけると、アクアウェルネスが大きく「アクアセラピー」 「アクアエクササイズ」 「アクアスポーツ」以上の3つに分類されることを表しています。さらに図が示すように、 アクアセラピーの枠中には「アクアリハビリテーション」が含まれます。
では、このような「アクアウェルネスの領域で、アクアヌードルはどのように使われるのか?」ということですが、アクアスポーツ、アクアエクササイズ、アクアセラピー、アクアリハビリテーションという すべての領域において、アクアヌードルはいろいろな幅広い使い道が考えられます。すなわちプール、海、湖、川などのすべてのアクアフィールドにおけるスポーツ、レジヤー、レクリエーションなどの活動、さらに医療、保健活動にも利用価値を見い出すことができます。
さて、従来のプールでは、児童・生徒および中年を中心とした水泳を楽しむ人が主流でしたが、最近では、中高年を中心とした水中歩行や水中運動を楽しむ人が主流になりつつあります。従って、将来のプール事情は、泳ぐという技術・経験を必要としないで、さらに高齢者でも楽しめる立位運動のアクアエクササイズやアクアセラピーが水泳にとって変わることでしょう。そうなると、今よりもさらにアクアヌードルを使う場面が増加してきそうです。
スイミング指導の定番といえば「キック板(ビート板)」と相場が決まっていましたが、アクアの定番といえば「アクアヌードル」となる日も近いと考えます。(ほか)
【実践編詳細紹介】
<ストレッチング>
首のストレッチ
肩のストレッチ
胸部のストレッチ
背中のストレッチ
体側のストレッチ
鼠径部(そけいぶ)のストレッチ
大腿部前面のストレッチ
ハムストリングのストレッチ
足首・ふくらはぎのストレッチ
<バランス>
ダイナミック・バランス
オブジェクト・バランス
スタンディング・バランス
シッティング・バランス
リバウンド・バランス
フローティング・バランス 1
フローティング・バランス 2
ペルビック(骨盤)・バランス
ターン・バランス
スペシャル・バランス
<エアロビクス>
ウォーキング 1
ウォーキング 2
ジョギング
スペースウォーク
<ストレングス>
ローリング・ボディ
ツィスティング・ボディ
ボディ・ローテーション
クロッシング・ボディ
サイド・ペンド
スタンディング・アブドミナル 1
フローティング・アブドミナル 1
フローティング・アブドミナル 2
フローティング・アブドミナル 3
サイドウェイ・エクササイズ
バイセップス・エクササイズ
トライセップス・エクササイズ
フォアアーム・エクササイズ
リスト・エクササイズ
フィンガー・エクササイズ
ストローク 1
ストローク 2
スウィーブ
パンチ&プッシュ
プレス&クラップ
ショルダー・エクササイズ
オーバーヘッド・エクササイズ
アームス・バリエーション 1
アームス・バリエーション 2
アームス・バリエーション 3
アームス・バリエーション 4
フロンタル・サイ・エクササイズ
レッグ・クロスオーバー
ヒップ&ハムストリング・エクササイズ
カーフ&アンクル・エクササイズ
ソール&フィンガー・エクササイズ
レッグ・キック 1
レッグ・キック 2
スイマーズ・キック
ジャンピング・ジャック
シザース
レッグ・スイング
レッグ・ローテーション
レッグ・オープン&クローズ
レッグ・レイズ&リフト
スイッチング
ストライド
レッグス・バリエーション
スプラッシュ
アイソメトリック・エクササイズ
チェスト・エクササイズ
バック・エクササイズ
プールデッキ・エクササイズ
ジャンプ・エクササイズ 1
ジャンプ・エクササイズ 2
ニュートラル・エクササイズ 1
ニュートラル・エクササイズ 2
バイシクル
ブランコ
レッグ・ワインダー
フローティング・エクササイズ 1
フローティング・エクササイズ 2
プロパルション・エクササイズ
<ゲーム&ファン>
グループ・フォーメーション
グループ・コミュニケーション 1
グループ・コミュニケーション 2
ペア・コミュニケーション
シーホース
トレイン
シュート・イン
ハードリング
ヌードル・クリア
ヌードル・ゲーム
ディッピング
<マッサージ&リラクセーション>
フローティング・リラクセーション
アクア・マッサージ 1
アクア・マッサージ 2
フロートスタイル・バリエーション 1
フロートスタイル・バリエーション 2
ライディング・バリエーション
トランスポート・バリエーション
ストリーム・ライン
【著者略歴】
清水富弘(しみず・とみひろ)
長崎県出身、筑波大学体育専門学群卒業、同大学院体育研究科修士課程修了。 大分大学講師、同助教授を経て、現在,上越教育大学大学院助教授。医学博士。専門分野は水泳・水中運動学および環境生理学。博士論文は「水温25、 30,35℃における水中歩行時の体温調節反応」。主な著書に「アクアスポーツ科学」(科学新聞社刊)、「イラストでみるスポーツマッサージ」(大修館書店)など。
立川規子(たちかわ・のりこ)
静岡大学教育学部卒業、教員生活を経て、フィットネスコーディネイターとして活動を始める。現在、アクアエクササイズ、エアロビクス、マシントレーニング等のインストラクターのほか、スポーツ指導者養成セミナーの講師、 執筆、イベント企画など幅広く活躍。AEA、及びAT&RI認定インストラクター。