創業は1925年(大正14年)と実に長い歴史を誇る超老舗でり、数多くの名機を輩出した事は言うまでもありません。
特に、管球時代においても例外ではなく、その中でもプリメインモデルのSQ-38シリーズは同社の歴史において最もロングセラーかつ成功を収めたといっても過言ではないでしょう。
今回、出品のお品はそんなシリーズの第4作目を彩る名機であり、最も有名なお品ではないでしょうか?
設計におきましては、ムラード型回路にLUXMAN独自の工夫を加えることによりパフォーマンスを引き上げた内容となっており、プリアンプ部においても2段NF回路のイコライザーとLUX型NFトーンコントロールを組み合わせるなど、持てぐ技術を合わせ持つ意欲作です!
加えて、独自のOY-15型トランスに加え、出力管には50CA10をPP構成として採用した点も注目されましたね。
この出力管はLUXMANの依頼によりNECが独自に開発した大型の傍熱3極管です。
この頃は国産開発のオーディオ管も結構開発されていたようで、6RA8や6GB8、8045Gなど結構ユニークなものがありましたが、そのたぐいの真空管でしょう。
肝心の音質におきましては、「LUXトーン」に代表される、マイルドな低音が特徴的であり、全体的に厚みのある音作りです。
真空管の持つ艶感や温かみもあるサウンドで、長時間でのリスニングでも疲れさせない耳障りの良い逸品です!
音楽もJAZZやクラシックは勿論ですが、歌謡曲あたりも素晴らしい再現力を発揮します!
出力も30W+30Wと十分な高出力ですので、大型スピーカーでも十二分にドライブできます。
その為、往年のJBLやALTECをはじめ、TANNOYあたりの組み合わせも抜群です!
デザインにおきましては、LUX特有の「ロの字」型のウッドケースと厚みのあるアルミ削り出しのフロントパネルの組み合わせが見事に重厚さを引き立ててくれますね。
ウッドケースも天然のローズウッド仕上げとなっており、ツマミなどもアルミの削り出しですので、質感も非常に良い物です。
全体的なレイアウトはマランツmodel7にインスピレーションを受けたらしく、どことなくシンメトリーの雰囲気はあると思います。
定価は1970年同時で98000円と高価なお品でした。
コンディションにおきましては、目立つキズやサビなどの傷みは見られず、大変に綺麗なお品かと思います。
また、かなりしっかりとメンテナンスの行われたお品であり、新品当時のパフォーマンスを取り戻した個体ではないでしょうか?
コンデンサー類はほぼ全てにおいて交換を行っており、バイアス調整用のVR交換、ダイオードの交換、一部抵抗の交換なども含めて、劣化部品はほぼ取り合えております。
また、出力トランスは左右共に絶縁不良などが見られましたので、完全な動作品の物と交換いたしております。
このOY-15トランスは音質の良いお品ではありますが、残念ながらトラブルもかなり多い物ですので、測定済の物に交換しておけばかなり安心感の高いポイントです。
加えて、接点クリーニング、真空管の測定、バイアス調整なども含めて丁寧に行っております。
過去に、金メッキ仕様のSPターミナルへの交換と3PタイプのACインレット方式への変更も行われておりますので、使い勝手の向上も大きな魅力です!
無論、採用しているパーツは高品位かつ信頼性の高い国産品を採用しており、配線や半田付け、その他加工も含めて実に丁寧な仕上がりですので、ご安心ください!
その為、音質も申し分なく、正直新品以上の解像度とS/Nの良さに向上しているのではないでしょうか?
目立ったガリや接触不良も無く良好です!
ここまで仕上がった38FDも今後は出回る事は無いと思います。
付属品そしてACコードをお付け致します。
この機会にどうぞ!