
リビングオーディオのフルレンジスピーカー「CE-4a」です。
シリアル連番。
以下の整備を施しています。
・ エッジの張替え
・ 配線の引換え
・ コネクターの交換
・ ルーバーの新設
・ キャビネット仕上げ変更
ドライバーのエッジをウレタン製で張り替えています。(写真6枚目上)
内部配線をZonotone製「Meister SP-440」で引き換えています。
背面のコネクターユニットを換装しています(写真7枚目左上)。4mmバナナプラグに対応。
バッフル用に桧製のルーバーを制作しています。
着色ステイン+オイル仕上げ。マグネット着脱式です。エンブレムはオリジナルを流用。
キャビネットの表層を亜麻仁油仕上げとしています。
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キャビネットは、擦り傷や打痕があります(写真4~6枚目)が、経年を踏まえると状態の良い方です。
※ 亜麻仁油の独特の芳香があります。
ルーバーの取外しは、先の細いもので引っ掛けるか、上部角2か所を押してやると外しやすいです。(写真7枚目下)
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かつて日本に存在したクライスラー電気のオーディオブランド「リビングオーディオ」より、70年代前期に登場した小型パッシブスピーカー。
比較的安価でありながら、両側面に梁を渡した密閉型エンクロージャーにアルニコ磁石の磁気回路搭載ドライバーと、オーディオ全盛期らしい堅い仕様です。
再生レンジは比較的狭いながらも、湿度のあるツヤっぽい音が魅力です。
整備は劣化や故障部位の修繕を実施。
突板は研磨して古い仕上げを除去し、オイルを引き直し。ウッドルーバー制作は初の試みとしてマグネット着脱式にしています。
バインディングポストはオリジナルが破損していたので、ベースの金属板ごと交換。
ドライバーはエッジの張替えで低音再生能力を復旧。経年で隙間が出来て空気漏れしていた筐体をウレタンで補修し、エアサスがしっかり効くようにするなど、細かい調整をしています。
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主な定格(1970年頃)
・ 1ウェイ1スピーカー/密閉型
・ 12cmコーン型フルレンジ
・ 寸法:138W x 220H x 170D mm
・ 重量:1.5kg
・ インピーダンス:8Ω
・ 再生周波数帯域:75Hz ~ 15kHz
・ 許容入力:20W
・ 音圧Lv:98dB/w