
フードライターの視点が光る傑作。中島久枝著、「一膳めし屋丸九」シリーズ第一部・全8巻(ハルキ文庫)です。状態は、全般にかなり良好です。送料はクリックポスト2個口で370円です。
★内容:
①『一膳めし屋丸九』: 日本橋北詰の魚河岸のほど近く、「丸九」という小さな一膳めし屋がある。うまいものを知る客たちにも愛される繁盛店だ。たまのごちそうより日々のめしが体をつくるという、この店を開いた父の教えを守りながら店を切り盛りするのは、今年二十九となったおかみのお高。たとえばある日の膳は、千住ねぎと薄揚げの熱々のみそ汁、いわしの生姜煮、たくわん漬け、そして温かいひと口汁粉。さあ、今日の献立は?しあわせは、うまい汁とめし、そしてほんの少しの甘いもの。おいしくて、にぎやかで、温かい人情派時代小説。
②『浮世の豆腐』: 若葉の季節。初物好きの江戸っ子にとって、初がつおが出回る楽しみな時季だ。一膳めし屋丸九のおかみ・お高や、手伝いのお近もかつおが待ち遠しい。そんな折、先代から丸九で働くお栄は、古くからの友達・おりきに誘われ、飲み仲間四人で割符の富くじを買った。渋々買ったその富くじが・・・・。またある日、近所の俵物問屋・長谷勝の若い衆が、丸九の豆腐を食べて腹をこわしたと因縁をつけに来て・・・・。かつおのたたき、豆ご飯、冷ややっこに小さな甘味・・・・笑えて泣けて、とびきりおいしい傑作時代小説第2巻。
③『杏の甘煮』: じゃこや青じその入ったなすご飯、ふんわりとして甘辛い鰈の煮つけ、酒肴にぴったり豆腐のみそ漬け、男衆にも人気の杏の甘煮──面倒見のいい女主人のお高、少々毒舌だがしっかり者のお栄、ちゃきちゃきと店を動き回るお近の三人で切り盛りする「一膳めし屋丸九」は、常連客でいつもにぎやか。そんなある日、ちょっとうさんくさい男が店にやってきた。男は「丸九」の先代でお高の父である九蔵の下で働いていたというが・・・・。旬の食材で作る毎日のめしには、お高の心模様も表れる。ますますおいしいシリーズ第3巻。
④『白子の柚子釜』: じゅうじゅうと脂ののったさんまの塩焼き、柚子の香りとともにぷりぷり濃厚な白子を味わう柚子釜、ていねいに蜜を含ませた栗の渋皮煮──面倒見のよい姉御肌のおかみ・お高が切り盛りをする一膳めし屋「丸九」は、今日も大繁盛。ある日、先代から丸九で働くお栄は、一人歩きの夜道で、誰かに見られているような気配を感じる。それが度重なり、もしや別れた亭主ではと不安になるお栄。一方、色恋には奥手になってしまうお高は、旅に出たきり音沙汰のない作太郎のことでやきもきして・・・・。実りの秋、人想う秋。ますますおいしくて目が離せない、シリーズ第4巻。
⑤『しあわせ大根』: 大晦日。丸九のおかみ・お高を、想い人で、亡き父・九蔵が板長を務めた料亭英の跡取り・作太郎が訪ねてくる。贔屓の客用のおせち重のうち、煮しめの段の中身が消えてしまったのだという。作太郎は、九蔵の味を継ぐお高に、代わりの煮しめを作ってほしいと頭を下げる。でしゃばるようなことはしたくないとお高は尻込みするが──。だしがたっぷり沁み込んだ風呂吹き大根、酢醤油でいただく蟹鍋煮、ほっと温まるあずきの汁粉・・・・。人々の日々を支える一膳めし屋と、高級料亭の矜持がぶつかって、なにやら波乱の予感!? シリーズ第5巻。
⑥『ねぎ坊の天ぷら』: 葉桜の季節。常連でかまぼこ屋のご隠居・惣兵衛は、女房のお冬に、「あなたのお気持ちは、『ぶり』と思ってたら『かます』でした」と言われ、頭を抱えている。最近は、自分が贈ったかんざしを挿していないことも気がかりの様子だ。一方お高は、想い人の作太郎と寄席に出かけ、帰りに寄ったそば屋で思い出の料理について語り合うが・・・・。かますの一夜干し、あさりのむき身と三つ葉のかき揚げにねぎ坊主の天ぷら、小竹葉豆腐、あずきのぜんざい。常連たちの悩みも新しい客の気持ちも懐深く受け止める、シリーズ第6巻。
⑦『ずんだと神様』: 七夕飾りで客を迎えた一膳めし屋丸九の今日の献立は、熱々の白飯にしじみのみそ汁、脂がのったかさごの煮つけ、青菜と大根のじゃこ炒め、それに白玉の梅蜜かけ・・・。河岸で働く男客たちがすべて気持ちよく平らげ帰って行った後、常連客で酒屋の隠居の徳兵衛は、暑いから米の飯よりそうめんがいいと言う。おかみのお高が茹でたそうめんをうまそうに食べる徳兵衛はその上、お高の父・九蔵が出してくれた「黄色いそうめん」をまた作ってくれと言い出して──。気前のよいおかみのもてなしが皆を喜ばせる、シリーズ第7巻。
⑧『匂い松茸』: 秋鯖の季節。一膳めし屋丸九の今日の献立は、鯖のみそ煮、青菜とじゃこの炒め煮、なすのぬか漬け、熱々の汁と飯、そして小さな冷やし汁粉だ。働く男たちや常連にとって、おかみ・お高がつくる料理は明日への活力。でも、お高には気になることがあった。想い人作太郎が遣り手で有名な俵物問屋の女主・お寅から高額で引き受けた風絵の仕事を取り持ったことが、噂になっているのだ。そんなお高を、店の古参・お栄や幼なじみの政次、常連たちも見守っていたが・・・。味よし人情よしの大人気シリーズ第8巻、第一部完結!
★著者、中島久枝は1954年、東京都生まれ。フードライター、小説家。学習院大学文学部哲学科卒業。絵本の出版社、編集プロダクションなどを経て独立し、食と料理をテーマに、雑誌や単行本の企画・構成・編集などを行っている。食に関するウェブサイト、イベント企画の領域にも力を入れる。2013年に『日乃出が走る 浜風屋菓子話』でポプラ社小説新人賞特別賞を受賞し、小説家デビュー。同作について、文芸評論家の池上冬樹は「料理を扱った小説が増えているが、フードライターの手による本作は他と一線を画している」と評している。その後、『日本橋牡丹堂 菓子ばなし』シリーズと、『一膳めし屋丸九』で、日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞した。
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