(仏蘭西盤/グレー盤)Portfolio Of Ahmad Jamal(Made in France by PDO)フランス/全面アルミ蒸着/Full Silver
Vogue : 600162
商品の状態:盤面良好。ケースにスレ有り。
リー・モーガンの60年代後半の充実期アルバムを聴いた後で、このアーマッド・ジャマルの音楽を聴くと、
マイルスが惚れ込んで、自分のバンドに何度も誘ったということがよく分かる。ジャマルの演奏と音楽は、
何しろ、スタイリッシュで洗練されている。ベースとともに空間を生かし、クールに音を配していく。
マイルスがビバップの音楽を評して、「あれじゃ女を口説けないだろう」(うるさ過ぎての意)と言った
エピソードが思い出される。このアルバム収録曲のうち6曲を、マイルスも自らのバンドで録音している。
このアルバムは1958年録音のライブ盤で、観客の拍手もリアルに入ってくるが、録音状態のクオリティが高く、
ベースの胴鳴りも聞き取れるし、ドラマーの繊細なブラシワークもよく分かる。9曲目になると、観客たちが
今自分たちが聴いているものが普通のものではないことに興奮し、自然と演奏中に拍手が湧き上がる。
ライナーノートでは、このトリオのことを「同じスイングするジャズというコンセプトを持ったドラムスと
ベースは、伴奏者という枠を遥かに超えて、ジャマルの能力を全開にする」と書いている。
ジャマルのピアノトリオなのだが、ドラムスを中心に聴いてもいいし、ベースを追っていってもいい。
どこまでもスイングするジャズの基本を守りながら、トリオとしての掛け合い、離脱と融合、重なりと相反を、
生き生きと繰り返していく3者の味わいは格別で、特に派手な目立ったことをするわけではないが、
それゆえにシンプルさの中にジャズの本質が息づく名演となっている。
このアルバムは当初、シリアルナンバー入りの2枚組で発売され、それでもかなり売れたというが、
内容としてもジャズ・ミュージックの贅沢を感じさせてくれる。
1. This Can't Be Love
2. Autumn Leaves
3. Ahmad's Blues
4. Ole Devil Moon
5. Selertius
6. It Could Happen To You
7. Ivy
8. Tater Pie
9. Let's Fall In Love
10. Aki Ukthay
11. You Don't Know What Love Is
12. I Didn't Know What Time It Was
13. So Beats My Heart For You
14. Gal In Calico
15. Our Delight
Bass Israel Crosby
Drums Vernell Fournier
Engineer [Recording] Malcolm Chisholm
Liner Notes John Hammond
Piano Ahmad Jamal
Producer Dave Usher