絶版希少本 ローマンシェード エレガントな装い
THE ROMAN SHADE BOOK
BALOON SHADE&AUSTRIAN SHADE
トーソー出版
1985年
約27.5x25.5x2cm
堅表紙本
実例ページカラー、作り方解説ページモノクロ
※絶版
ロ一マンシェード、バルーンシェード、オーストリアンシェードについて、
日本に本格的に導入され始めた頃に制作された本。
一般家庭、商業施設のコーディネート事例の写真解説から、様々な組み合わせによるスタイル提案、縫製編では本書で紹介されたスタイリング52例について作り方の解説を収載。縫製手順やそのポイント、使用メカニズム、部材、要尺、寸法計算方法など、情報編ではメーカー各社のメカニズム、図面、特徴や布地適性などの情報を惜しみ無く公開した、大変貴重な資料本です。
【目次より】
●実例編
実例で見る窓の装い
一般家庭の実例
住宅展示場の実例
商業施設の実例
外国の実例
セットで見るバリエーション
●スタイル編
スタイルの提案とバリエーション
スタイルの基本
組み合わせで装うスタイル
ローマンシェードとの組み合わせ
バルーンシェードとの組み合わせ
オーストリアンシェードとの組み合わせ
特殊な窓に装うスタイル
ベイウインドー(人)
ベイウインドー(小)
ボウウインドー
アーチ窓・傾斜窓
コーナー出窓
細長窓・カーブで装う
単独で装うスタイル
ローマンシェード
バルーンシェード
オーストリアンシェード
●縫製編
縫製の方法とポイント
縫製を始めるにあたって
基本型の部材と縫製
縫製手順
●情報編
メカニズム紹介とデータ
新しいウインドートリートメントローマンシェードの魅力
代表的なスタイルと使用可能メカニズム一覧表
各社のメカニズムの紹介
知っておきたい用語集
データ
【一般家庭の実例】より一部紹介
ロ一マンシェード
バルーンシェード
オーストリアンシェード
ローマンシェードの登場で、窓辺の演出がさらに充実されました。従来、ローマンシェードは、ショップやレストランなどの商業スペースで多く利用されてきましたが、操作機構の充実で、今、家庭でも手軽に取り入れられるようになりました。
ベネシャンブラインドのように上下に開閉し、布製なので柔らかな味を持っています。デザインや布地によっては、シンプルにも、シャープにも、またドレッシーな雰囲気にも変わる応用範囲の広い窓掛けです。カーテンやブラインドとは全く異なった表情と機能を持つローマンシェードは、これからの窓を彩るものとして今後、注目したい製品のひとつです。
Aざっくりした風合いの布地を使ったローマンシェード。窓枠の幅に合わせてそれぞれ取りつけて、光の取り入れを自在にしています。ワイヤーの芯入りなので、たたみひだもシャープに美しく出ており、個性豊かな窓をさらに表情たっぷりに見せています。
設計/ノルディスカ・ヒューズジャパン
B窓というより、ガラスの壁といえそうな大きな窓を覆うローマンシェード。真っ白な布地でシンブルにしつらえ、モダンな空間と美しい調和を見せています。
C庭を眺めるピクチャーウインドーに取りつけたローマンシェード。柔らかな素材なので、ソフトなたたみひだになっています。石や丸太の野性的な香りと、ソフトな布の風合いが、微妙なバランスをとっているようです。
DBと同じ窓辺です。ゆるくカーブを描いた窓に、ローマンシェードがきれいにおさまっています。
E BCの部屋の外観です。布地面をそのまま生かすローマンシェードは、裏側から見てもきれいな仕上がりになります。
B~E設計/黒川建築事務所
【スタイルの基本】より一部紹介
ローマンシェードの仲間は、変化に富んださまざまなスタイルが考えられますが、この本では、大きく3つに分けてみました。ローマンシェード、バルーンシェード、オーストリアンシェードです。
ローマンシェード
ローマンシェードは、全くフラットな布のパネルをたたみ上げるタイプが基本で、パネルの表面だけを装飾的に変化させたものも含みます。また一定の問隔できちんとひだがたためるように加工した、アコーデオンプリーツ状のパネルのシェードも、このなかに含めました。3つのスタイルのなかでは、一番シンプンレなタイプですから、他のウインドートリートメントとの組み合わせもいろいろ考えられます。
バルーンシェード
バルーンシェードは、バルーン(風船)という名前がついているように、下の部分がふっくらと風船のようなスタイルになるシェードで、優雅なひだをつくりながらたたみ上げるものです。欧米では、フェストゥーンシェードとか、フェストゥーンブラインドとよばれています。布地のタイプとドレープの取り方によって、大きくイメージが変わるので、いろいろなインテリアスタイルにコーディネートできます。
オーストリアンシェード
オーストリアンシェードは、一般にチリチリカーテンとよばれているスタイノレです。従来は、フオーマルスタイルとしての印象が強く、縫製も大変手間がかかり、議事堂内、劇場、ホテル、高級レストランなどに使用場所が限られていましたが、現在では、新しい縫製部材を使うことによって、一般住宅にも気軽に使用できるスタイルになってきました。布地のタイプによっては、カジュアルなイメージをつくり出すこともできます。
【新しいウィンドトリートメント ローマンシェードの魅力 より】
西洋風のインテリアなら窓にはドレープカーテンと、レースカーテンの二重掛け、というパターンを続けてきた私たちの前に、住宅用のベネシャンブラインドやロールブラインドなどが現われたのは、つい最近のことのように思えます。これらのアイテムを、充分に使いこなしているわけではありませんが、日本のインテリアスタイルも多様化された今日では、物足りなさを感じつつありました。
そんな折り、外国のインテリア雑誌でよく見かけたローマンシェードなどが、日本でも簡単に手に入るようになりました。
普通の布地を使いながら、上下方向に柔らかく開閉する、この新しいウインドートリートメントは、多くの特徴を持っています。まず最大のメリットは、布地に特殊な表面加工を必要としないので、素材やテクスチュア
をかなり自由に選べることです。ロールブラインドでは、布地のパターンを平面的に生かしたいと思っても、樹脂加工によって、せっかくの風合いがそこなわれたりしましたが、ローマンシェードはその心配がありません。それから布地をはぎ合わせても、シェードの開閉に彫響を及ぼさないので、大きなフラット面をつくることが可能です。ですから大きな窓に連窓使用した場合にもシェード問のすき間なしに覆うことができます。
基本的に、メカニズムの上部レールと、シェード部分の布地の組み合わせなので、メカニズムの選択により、曲線状の取りつけ方法も可能です。ベイウインドーやボウウインドーといった変形の窓も、一枚物のシェードで飾ることができます。
機能面をみれば、シェードが上下に開閉するので、日光の調節や視界、視線の調節にとても便利です。
デザイン面からみれば、シェード面にプリーツを寄せたスタイルからノープリーツタイプまでたくさんのバリエーションの中から、適切なスタイノレを選択することができます。布地には、プリーツを寄せたほうが美しいものと、フラットに扱ったほうがよいタイプがありま
す。他のインテリアエレメントとのバランス上、ぜひこの布地で窓を飾りたいという場合にも充分対応できます。
デザイン上のもうひとつの特徴は、プレーンなスタイルでも、たいへん柔らかな雰囲気を持っているので、トラディッショナルなインテリアにもよく合うということです。
これらのシェード類は、単独使用はもちろんのこと、シェード同士の組み合わせ、他のウインドートリートメントとの組み介わせも可能です。組み合わせることによって、装飾、機能ともさらに魅力を増すことになります。例えば、ローマンシェードとカーテンを組み合わせると、ひとつの窓に、上下の開閉機能と左右の開閉機能を備えることができます。それぞれの索材を考慮すれば、光の透過の調節を美しく演出することができます。昼と夜の変化にも上手に対応できるでしょう。布地の
コーディネーションの楽しみもあります。
現在、各社から発売されているメカニズムを比較検討して使い分け、シェード面のデザインを工夫すれば、オリジナルシェードができるでしょう。素材、色、柄、テクスチュアのコーディネーションを楽しみながら、ウインドーファッションの新しい世界を広げることができると思います。
【縫製を始めるにあたって より一部紹介】
ローマンシェード、バルーンシェード、オーストリアンシェードを美しく仕立てるためには、カーテンの縫製と同じように、いくつかの大切なポイントがあります。
・仕組みの違い(メカニズム)
ローマンシェードなどに使用するメカニズムは、基本的に2つに分けられます。
①ワイヤーなし
シェードの表面にリング付きテープを縫いつけて、リングに通したコードによって昇降するメカニズムです。これは、テープとテープの間の布の動きが自山なので、ローマンシェード、バルーンシェード、オーストリアンシェードなど、柔らかくたたみ上げるスタイルに向きます。
②ワイヤー入り
シェードの裏面に、ワイヤーなどを横伐として取りつけ、そのワイヤーをつまんで昇降させるメカニズムです。これは、シェードの横幅が一定の寸法に保たれるので、かちっとしたスタイルのローマンシェードに向きます。
・スタイルと布地の選び方
①かちっとしたローマンシェードやアコーデオンシェードは、特に布目が縦横にきちんと通っていないと、できあがりが美しくありません。
②バルーンシェードやオーストリアンシェードは、布地の張り具合によって、ギャザーやプリーツの分量を調節します。
③裏地をつける場合は、表地と裏地のなじみよい素材を選びましよう。
・柄合わせの考え方
スタイルと柄の大きさによっては、柄合わせが必要に
なります。
①ローマンシェードやアコーデオンシェードなど、柄が平面的に表われるものは、柄合わせが必要です。
②バルーンシェードやオーストリアンシェードは、ハギ合わせ部分を、ひだ奥やテープのライン上に持っていくようにすると、あまり目立ちません。そのうえで、柄の流れだけを合わせるか、きちんと柄合わせするのかを決めます。
・リターン
カーテンなどの端が、壁面から離れすぎる場合、持ち出しをつけてカバーします。
ほか