
単行本です。 きれいなほうです。 定価1800円です。
本書は、歴代都知事と行政との関係を主軸に据えた都政論である。自治体でも常に政変すなわち首長の交代は避けられない。自治体の職員は、生涯に何人もの首長に仕える運命をもっている。職員が首長に盲従すると正しい政策決定、中長期的な視点からの政策決定が行われなくなり、その都市や自治体、そして市民にとって不幸な結果となる。自治体職員が公務員としていい仕事をするためには政治家であると同時に執行機関の長である首長といかに向き合うかが大切である。市民もその立場の相違をよく理解して力のバランスを適切に保つ意識をもつ必要がある。そういう気持ちで本書を上梓した。
―本書「はじめに」より
著者は元東京都副知事。
任期満了に伴う都知事選が7月5日投開票されます。
どんな候補が立候補し、都民は誰に今後4年間を委ねるのでしょうか。
就任直後には東京オリンピックの「顔」としても注目されます。
1947年に初代東京都知事が生まれて以降、19回の選挙が行われ、9人が都知事に就きました。そこで、都庁に36年間在職し都政を知り尽くした著者が、歴代知事の足跡と、側近から見た知られざる素顔を語る。知事選に向けた都政の単なるアーカイブとしてではなく、首長、議会、自治体職員、市民の関係を知り、あるべき姿を考える上でも貴重な証言となっています。
【本書もくじ】
序章 都知事の条件
都知事選挙と歴代都知事の特徴
都知事の条件
第一章 安井誠一郎 Yasui Seiichiro
終戦直後から1964年オリンピック招致まで都政を担う
深刻な食糧難に農地の確保を計画
住宅も学校も足りなかった
戦災による瓦礫処理に苦慮
占領軍は首都の復興に冷たかった
3度目の選挙で有田八郎と激戦
第二章 東龍太郎 Azuma Ryotaro
1964年オリンピック招致決定直前に都知事就任
首都高速道路と環七の建設
東都政の長期計画と実施計画
第三章 美濃部亮吉 Minobe Ryokichi
1967年革新美濃部都政誕生/大きかったブレーンの存在
『広場と青空の東京構想』実現できず
都心と立川の二極構造論を提唱
シビル・ミニマムと市民参加
現金給付型、施設重視型の福祉
対症療法型の公害行政
巨大防災拠点構築の防災対策
皮肉にも鈴木俊一氏に知事職を譲る結果に
第四章鈴木俊一 Suzuki Shunichi
高齢批判に抗して80歳で知事4選
5選出馬に意欲 美濃部都政の「ばらまき福祉」は部分修正の上、継承
長期計画と実施計画
多くの副都心を育てようとした多心型都市構造論
強い意志で実現した都庁移転
のちに中止となった世界都市博覧会
第五章 青島幸男 Aoshima Yukio
選挙運動しないで都知事選挙に当選
都市博は中止したが臨海副都心の開発は推進
『とうきょうプラン』と『生活都市東京構想』
都民の審判を回避
第六章 石原慎太郎 Ishihara Shintaro
都知事選挙史上最大の激戦を制す
議論好きだった1期目
羽田空港4本目の滑走路建設と国際化を推進
ディーゼル車の排ガス規制
3環状道路の建設推進
京浜急行蒲田付近の連続立体交差化
都心の機能更新のため都市再生法が成立
2003年ビル床過剰説に反論
定期借地権設定を活用して再開発を促進
三宅島噴火の緊急情報
政府の安全宣言下で大噴火が続発
知事の帰国を待って全島避難を決定
戸籍簿を竹芝に運ぶ
成就しなかった横田基地の軍民共用化
厳しい都財政の実態
国の補助金獲得に都庁を挙げて奔走
銀行へ外形標準課税を導入
2期目以降の石原都政
第七章 猪瀬直樹 Inose Naoki
石原氏の途中辞任に伴い後継指名されるが金銭問題で辞職
地下鉄一元化問題
知事と職員の関係
第八章 舛添要一 Masuzoe Yoichi
混乱のあとの安定が必要とされたが約2年で退任
都市外交の進展には期待もあったが
混迷した国立競技場問題
舛添知事はなぜ2年で退任に追い込まれたのか
知事職は特権でなく奉仕する立場
第九章 小池百合子 Koike Yuriko
2016年東京都知事選挙の争点
2016年都知事選における勝因
スタート後の小池都政と都庁職員
そもそもなぜ豊洲移転 だったのか
移転延期問題から空洞問題へ
空洞問題がもつ意味
市場移転問題に見る都庁意思決定過程の透明性
五輪施設経費負担問題
オリンピックのレガシーとスペクタクル
東京の地下鉄
オリンピックと東京の変革
1964年オリンピックとの違い
交通機関等のバリアフリー化
2017年都議選で都民ファーストの会が圧勝
議会改革の課題
政局重視から政策重視へ
働き方改革と女性の活躍推進
これからの都政改革
小池都政と都庁職員の今後
知事の国政政党失速