本剣道上香取神道流鹿島神道流柳生新陰流タイ捨流示現流小野派一刀流二天一流馬庭念流他兵法書歴史流派流祖古武道古式剣術日本の武道解説本

本剣道上香取神道流鹿島神道流柳生新陰流タイ捨流示現流小野派一刀流二天一流馬庭念流他兵法書歴史流派流祖古武道古式剣術日本の武道解説本 收藏

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希少本 日本の武道 剣道 上 生死一元の道  

講談社 
昭和58年発行
セット価格  188,000円
約30×22×3cm
カラー口絵写真 モノクロ図版写真
 239ページ
金箔押し布張り上製本

※絶版

日本の武道全集本のうちの一冊。

現代武道十種目を中心として、各種武道における、それぞれの技術や歴史、開祖の教え、
伝書などの参考文献も含めて、その思想哲学から現代の組織化されたスポーツとしての側面についてまで網羅。
豊富な写真、資料などの写真図版はもとより、昭和末期刊行当時の、
その道の最高峰・第一人者たちを執筆陣としたもの。

本書は剣道「上」。

巻頭口絵写真の頁には、神代の昔、鹿島神宮・香取神宮に伝わる神話世界に始まり、
古流の剣道各流派高位の指導者による演武写真、日本の最古の武道の一つ、剣道の起こりと展開の論説へと導かれる。
古流剣術、古武剣術各流派の剣に生きた人々、代表的流派30を取り上げ、各流祖とそのこころ、伝系、系譜、伝書や奥書、について解説。
また、剣道名著解説では剣豪・剣聖の残した書についてわかりやすく解説紹介。
大変貴重な情報満載の資料本。
剣道技術の写真解説等については、下巻の方に掲載されています。

【第一章「死生一如」剣道の起こりと展開 より 】
剣道は最古の武道の一つであり、とくに鉄砲伝来以後は武道の主流となっている。剣道以外の武道は数多くあるが、その大部分は剣道に源を発している。
剣道の古い歴史の中で、剣聖と仰がれ剣豪と言われる人たちは、術を極め心法を体得し、それを統合して一流を起こして家法として伝えた。
それらは安土桃山から江戸時代を通じて黄金時代を築いたのである。日本刀の機能を最大限に発揮するための剣道とは…


【第二章 奥旨開眼相伝抄 より】
 古来、日本刀という東西に比類のない業物を、たくみに操作できるものは必ずしも少なくない。しかし技にすぐれているだけでは達人とはいえない。世に達人、剣聖と謳われる人たちは、常にきびしい環境条件の中で、技法を千練万鍛し、剣理の工夫をかさね、いわゆる心技体一致の境地を求め続けて士道を達成した。真に剣の道を生き通した人たちの跡をたずねることは新しい剣道を知ることにつながるであろう。

【剣に生きた人々―代表的流派・流祖 より】
 すでに前章で述べたように天文十二年(一五四三)の鉄砲伝来とともに、騎馬戦が威力を失い、剣槍による白兵戦が重視されるようになり、それらの操法を専心研究して、一家をなすものが出現する。いわゆる家法としての流儀が成立するのである。もちろん当初は剣・槍を中心としながら、余技についても研究され、兵法として総称されたが、次第にもっぱら剣術が兵法を意味するようになる。それはおおよそ天文のころ(十六世紀中期)かららしい(高坂弾正信昌『武具要説』)。
 江戸時代数千を数えた流儀もその源流は神道流、陰流、中条・富田流等の数流にすぎず、それにやや時代はくだるが二天一流をくわえて四流ほどであろう。念流は中条・富田流とその祖を同じくしているようでもある。そのほかにも有名無名の流儀が存在したであろうことは、永禄九年(一五六六)、上泉伊勢守秀綱が柳生宗厳に与えた新影流目録の中に、兵法は「梵漢和の三国に亘ってあり」とし、わが国の場合、上古流、中古流、くだって念流、新当(神道)流、陰流があり、「その外計るに勝えず」とみえていることでも理解できる。京八流、関東七流などと呼ばれるのもそれらの中に含まれるであろう。中でも陰流―新陰流系と中条―富田―一刀流系の二大流系は、江戸時代の剣術界を二分するほどの発展をみ、そのまま近代化して現代剣道の根幹となった。剣に生きた人々はおびただしい数にのぼるが、ここではそれらの中から約三十名をあげることにした。(以下略)

【第三章 剣のこころ 剣道名著解説 より】
 剣の達人たちはその奧儀を口伝や書伝として後継者に残した。人により表現はさまざまだが、いずれも剣心一致の重要性を説いている。これら伝書の内容は、厳しい剣一筋の修行によったものもあれば、神・儒・仏・道教との習合によって悟得されたものもあり、今日なお、読むものに少しの古さも感じさせないばかりか、一般人の修身、処世の書として、西欧人にさえ高く評価されつつある。

【不動智神妙録 沢庵宗彭 より】
 沢庵は安土桃山時代から江戸時代にかけての臨済宗の禅僧で、品川の東海寺の開祖である。三代将軍家光や柳生宗矩から深く尊敬されていたが、生涯、権力におもねることがなかった。
 この書は、その沢庵が柳生宗矩のために書いたもので、文中に貴殿という語がしばしば出てくるのはそのためである。寛永六年から九年までのあいだにかけて書かれたといい、たんに『不動智』あるいは『神妙録』とも呼ばれ、また『剣術法語』ともいわれている。
 宮本武蔵が『五輪書』で剣法六心法四の比率で剣心一致を説いているのに対し、沢庵はこの書で心法六剣法四の比率で心剣一致を説いているのが好対照である。
ともに剣道の名著として有名である。なお沢庵にはこのほかに『太阿記』も書いている。やはり宗矩に与えたものかも知れないが確証はない。
 のちに宗矩があらわした『兵法家伝書』は、これらの書から多くの影響を受けている。
 さて、『不動智神妙録』はどんなことを説いているのであろうか。文中に「貴殿」とあるのはもちろん宗矩であるが、それを読者自身におきかえて読めば、現代の剣道にも通じるところが多いのに気づく。
 以下の解説は、『不動智』の説くところを現代の剣道に当てはめ、その極意を吸収するというねらいで進めることにする。(以下略)

【全集全体の序文より】
『日本の武道』刊行にあたって 編者代表 今村嘉雄
「日本のこころ」と武道
 現代の武道は、いわゆる古流武道を伝承発展させたものである。古流武道は、われわれの遠い先祖が狩猟を生産活動としていた時代に源を発し、狩猟法からしだいに武技、護身術として発達し、室町時代の後期ごろに流派として素朴な体系をもつようになった。これらの古流武道は、原始的な神霊思想(シャーマニズム)とも関連し、さまざまな祭典や儀式の行事として、また貴族や武家の練武と遊びを兼ねた狩猟活動として、さらには「通し矢」などのような近代的ともいえる記録競技や、江戸時代の藩校に見られるような教科活動として、活発に行われてきた。とくに競技的、教科活動的な側面が現代武道として継承、発展しつつあるとも言えるであろう。
 一方、古流武道は神道・仏教(顕・密両教、とくに禅)・儒教・老荘思想、さらには国学思想などとも深いかかわりをもつことによって、日本人としての道徳観や美意識の確立に大きく寄与してきた。これらの思想は、その技法とともに現代武道に伝承され、さらに高度の西欧的な教養を加えて、日本国民の精神構造の基盤をなしている。
戦後、武道は急速に国際化し、昭和三十九年(一九六四)の東京オリンピックには正式種目として「柔道」が加えられた。欧米の産業人や青年層には、今や武道を通して日本人の心を知ろうとしている人たちが急速に増加しているという。戦後数十年で目ざましい経済成長を遂げた原動力を武道の心に求めようとしているのである。もし「武道の心」が新渡戸稲造の言う「日本のこころ」(soul of Japan)に含まれるならば、欧米人の発想は必ずしも短絡に過ぎるとは言えないかも知れない。
 しかし日本はいま政治、経済、外交、教育等いずれの面においても、決して楽観が許される状態ではない。とくに教育の荒廃は、それが先進諸国に共通の悩みとはいえ、この複雑な症候群への対策こそは最も急を要する深刻な課題である。
この『日本の武道』は、武道が日本人固有の最もすばらしい文化財の一領域であるという認識に立ち、二十一世紀の日本を展望しながら、新しい時代に即した武道による社会秩序の教育的再建を、健全な良識をもつ人々に広く呼びかけようとするものである。
 本叢書では、まず武道の成立過程やその思想的背景を大観しながら、武道の古典の中にそのまま現代武道の学習に通ずる技法・心法の妙があることを示すとともに、それらが現代武道にどのように生き生きと、しかも力動的・合理的に実現されているかなどを、現代武道十種目を中心に実証しようと試みた。すなわち数十ページに及ぶ口絵に事理一元(技と理論との一致)の武道精神を象徴化し、本文では豊富な連続写真、図解などによって技法の分析的かつ総合的な解明を試みた。
その場合、当然ながら武道とスポーツの関係が解明されなければならない。武道と武士道との関係、武芸または武術と武道との関係も同様である。武道が競技的な側面を持つことは当然のことながら、西欧スポーツは本質的に「遊び(プレイ)」を前提とし、武道は本質的に「人間形成(修身)の行い」であることを前提とする。それは嘉納治五郎が「競技」という用語を避けて「大日本体育協会」とし、「スポーツ振興法」(昭和三十六年制定)が、競技的・非競技的な運動を含めて、スポーツは「心身の健全な発達を図るためにされるもの」と規定したのと同軌である。いずれもスポーツ解釈の武道的・日本的把握とみてよい。
 なお本叢書では、武道と特に関連の深い、美術、伝統芸能(茶・書・能・花)をはじめ、禅、儒、養生訓までを採りあげた。冒頭にも述べたように、武道をわが国固有の根源的な文化財として総合的に把握することを編集基本方針の一つとしたためである。
 また、先にも触れたように各武道の巻頭には独特の導入ページ(口絵)を設け、それぞれの武道の精神を視覚的に把握できるように工夫した。さらに本文のまえに、武道を志向する読者の精神的な支えとなるような特別読物を、広く各界の権威の方々から寄稿していただいたりして収める等の配慮を加えた。
この『日本の武道』は、直接には学校や職場や町なかにあって、みずから武道にはげみ、またその指導に当っておられる方、武道を職務の一端とされている警察官、自衛官、および有段者を含む一般の武道愛好者の方々を対象として編述したものであるが、それらの方々の子弟である学生・生徒の諸君にもぜひ愛読されるよう心から熱望してやまない。


【目次より】
●巻頭カラーモノクロ写真解説 各流派の迫力の演武写真

神武不殺
心身放下
万死一生
一の太刀
勤業離業
活殺一如
不動不止
独行道
心気力一如
香取神道流
鹿島新当流
柳生新陰流
馬庭念流
示現流
小野派一刀流
二天一流
日本の武道剣道【上】目次
心之抄
人間尊重の精神 江戸英雄
尚武論 尾崎咢堂
生即死の修行 達人に学ぶ―山岡鉄舟 勝部眞長
臨機応変の妙 軍師山本勘介 岡田一男
歴史之部
第一章 「死生一如」剣道の起こりと展開
第二章 奥旨開眼相伝抄
●剣に生きた人々―代表的流派・流祖
天真正伝神逆流の祖 飯篠長威斎家直
中条流の祖 中条兵庫頭長秀
陰流の祖 愛洲移香斎久忠
新当流の柤 塚原卜伝高幹
新陰流の祖 上泉伊勢守秀綱
柳生新陰流の祖 柳生但馬守宗厳
タイ捨流の祖 丸目蔵人佐徹斎
富田流四世 富田越後守重政
馬庭念流八世 樋口又七郎定次
一刀流の祖 伊藤一刀斎景久
示現流の祖 東郷藤兵衛重位
小野派一刀流の祖 小野次郎右衛門忠明
江戸柳生の祖 柳生但馬守宗矩
尾張柳生の祖 柳生兵庫助利厳
二天一流の祖 宮本武蔵玄信
一刀流忠也派の祖 伊藤典膳忠也
江戸柳生新陰流二世 柳生十兵衛三厳
尼州新陰流三世 柳生連也斎厳包
心形刀流の祖 伊庭是水軒秀明
馬庭念流十四世 樋口十郎兵衛定高
神道無念流二世 戸賀崎熊太郎暉芳
甲源一刀流の祖 逸見太四郎義年
神道一心流の祖 櫛淵弥兵衛宣根
講武実用流 平山行蔵子竜
天真伝一刀流二世 白井亨義謙
直心影流十三世 男谷下総守信友
北辰一刀流の祖 千葉周作成政
大石神影流 大石進種次
神逆無念流四世 斎藤弥九郎善道
直心影流 島田虎之助直親
鏡新明智流 桃井春蔵直正
直心彩流十四世 榊原鍵吉友善
天然理心流の剣豪 近藤勇昌宜
一刀正伝無刀流の祖 山岡鉄太郎高歩
●第三章 剣のこころ―剣道名著解説
不動智神妙録 沢庵宗彭
五輪書 宮本武蔵
一刀斎先生剣法書 古藤田俊定
天狗芸術論 佚斎樗山
猫の妙術 佚斎樗山
剣説 平山行蔵
剣法夕雲先生相伝 小出切一雲
常静子剣談 松浦静山
剣法秘訣 千葉周作

日本の武道剣道【上】執筆・協力者一覧(敬称略・五十音順)
●執筆
伊保清次 中京大学教授
今村嘉雄 東京教育大学名誉教授・文学博士
江戸英雄 三井不動産会長
尾崎咢堂
勝部眞長 お茶の水女子大学名誉教授
●演武
香取神道流 大竹利典(師範)京増重利
鹿島新当流 吉川浩一郎(六十四世)伊藤昭司 郡司武夫
柳生新陰流 柳生延春(二十一世)池永晃一郎
馬庭念流 樋口定広(二十四世)松本貞義
示現流 東郷重政(十一世)東郷重治
小野派一刀流 笹森建美(十七世)宮沢泰行
二天一流 今井正之(十世)五所元治

●編集委員
代表 今村嘉雄 東京教育大学名誉教授・文学博士
老松信一 前全日本柔道連回事務局長
江里口栄一 日本武道館理事
伊保清次 中京大学教授
植芝吉祥丸 合気会理事長
藤原稜三 国際武道アカデミー理事
醍醐敏郎 警察大学校教授
鈴木義孝 日本少林寺拳法連盟理事
入江康平 筑波大学助教授
桑田忠親 国学院大学名誉教授・文学博士
鎌田茂雄 東京大学教授・文学博士
表章 法政大学教授


★状態★
昭和58年発行のとても古い本です。
布張り上製本の外観は経年並ヤケ、通常保管によるスレ程度。
天小口に経年ヤケ、点しみがそれなりにあります。

本文余白部に経年並ヤケしみ、特に巻末奥付頁などに経年ヤケしみが目立ちますが、
カラー写真図版良好、目立った書込み・線引無し、
問題なくお読みいただけると思います。(見落としはご容赦ください)


<絶版>オークションでもめったに出ない、貴重な一冊です。
古本・ユーズド品にご理解のある方、この機会にぜひ宜しくお願いいたします。

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目立った傷や汚れなし…中古品。よく見ないとわからないレベルの傷や汚れがある
やや傷や汚れあり…中古とわかるレベルの傷や汚れがある
傷や汚れあり…中古品。ひとめでわかるレベルの大きな傷や汚れがある
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