真空管ラジオ ナショナル RE-860
■FM AM SW 3バンド MT管トランスレス スーパー
昭和39年(1964年)の製品 マジックアイ付き FMラジオ
FM受信回路の初段に高性能真空管17AB9を使って高感度を狙ったものと思われます
FM電波の弱い当方では この機種に限っては 内臓の電灯線アンテナで NHKと民放2局を良好に聴く事ができ
他の機種より高感度と感じています
音質面では NFB用の巻線付きの専用OUTトランスによる低音補正の効果と思いますが 16㎝ スピーカー1ヶとは
思えない豊な低音が特徴と言えます
■このラジオ
キャビネットは全体が真っ黒に見えるほどの激しい汚れで 間近に置いていると 綺麗にしたい衝動に駆られる
始末 予定を繰り上げて取り掛かりました
コテコテに汚れたサランネットはキッチン洗剤で洗うとスッキリと汚れが落ちシルバーのラメが鮮やかに現れ
ました、不思議にもホツレ等の損傷は無く確りとした張りも衰えはありません、極細のテグスで製造された
とても強度の高いものと思われます
両サイドの額縁内側にラッカー再塗装を行い 天板 側板の汚れは洗剤では無理と見てコンパウンド入りワックス
を使って落しました
マジックアイ 新品のつもりで保管していた12ZE8は 使って見ると輝度は70%程度のものでした しかし昼間でも
十分に見えますので不足は感じません
マジックアイのN/OFFスイッチは 毎回と同じく AFCスイッチを繋ぎ変えたものです 操作性の良い場所です
AFCは常時ONの状態に固定して そのスイッチをマジックアイ用に配線しました
マジックアイの長寿にお役立てください
内部機器は今後永らくの稼働を目指して ケミコン オイルコンの全数取替を実施 シャーシー内外の汚れ清掃
外部機器接続用の端子は 元々あった録音用のジャックを廃止して 新たな3.5φジャックを取付ています
(当時 カセット等にFM放送の音楽を録音する事が流行っていました)
▲前面パネルの トーンツマミの下方に2mm程度の穴があります 原因は不明です
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
■完了して現状は
感度良く FM AM SW 各バンド共 快調です
SW受信では 夜間に中国 韓国 他 多数の放送が聞こえますがアンテナ線を延長すると更に良い結果が
得られると思います
外部機器使用時の操作は 音量もトーンもラジオで調整できます
当面問題なくご使用いただけると思います
■付属品
・外部機器接続コード 両3.5φプラグ付き
・SW用アンテナ線 オレンジ色
・FM用アンテナ線 青色
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
■整備実施項目
キャビネット : 両側 額縁内側のベージュ色ペイント、再塗装
: 天板側板 外面 コンパウンド磨き
シャーシー内部 : ケミコン、オイルコン全数と一部配線を交換
バリコンゴム : ゴム溶解によりロータリースイッチに接触 ハウジングのリベットを抜いて作業
ボリューム : 音量用 残留抵抗が大きく新品に交換 音質用 オリジナルをメンテ
外部機器用 : 3.5φジャックを付けました、両3.5φプラグのコードか付属します
■交換品目
ACコード、オイルコン ケミコン全数、アンテナ線、マジックアイ12ZE8、3.5φジャック、バリコンゴム
ダイヤル糸
---------------------------------------------------------------------------------------------------
■使用真空管
17AB9 12BE6 12BA6 12BA6 12AV6 30A5 12ZE8 整流ダイオード SD-1
■寸法
幅 48 Cm 高 26.5 Cm 奥行 16 Cm (つまみ含む)
↑ ↑
↑ ↑
↑ ↑
↑ 音量用のボリュームを新品に交換しました ↑
↑ オリジナル16P30R 日焼け色してますがコーンは無傷です ↑
↑ バリコンのゴム不良のため新品に交換しました ↑
↑ ↑