「日本の不正会計に関する書籍は、『粉飾決算の見破り方』などといった実務書がほとんどであるが、本書はそれらのハウツー・ブックスとは決定的に違う。 何よりも、本書の不正会計事例で取り上げられている企業は、(日本のカネボウやソフトバンクを含み)全米の上場企業全100社以上に上る。しかもその実証分析は、会計学的論理性に優れ、会計トリックの発見技法も、論旨は一貫してゆるぎない。 圧倒的に豊富な事例の高度解析分析が、本書における粉飾発見技法として結実している。」(細野祐二氏の本書解説から) 2002年に刊行して好評だった『会計トリックはこう見抜け』の大幅改訂版。原書はCFA(米国証券アナリスト)プログラムとして使われている定番本だ。 著者のハワード・シリットは、財務諸表の分析から不正会計の警告を投資家に発するCFRA(Center for Financial Research and Analysis)の創立者。いまはシリット・フォレンジックスのCEOとして、投資家の立場に立つリポートを出している。 改訂版はエンロン事件以降の多くの粉飾決算事例を収録し、利益操作のトリック、キャッシュフローのトリック、キー・メトリックスのトリックの3つに分類して、投資家を欺く粉飾の手口を詳述している。 解説はベストセラー『公認会計士vs特捜検察』の細野祐二さん。