写真入りエッセー「フォト散歩」の出品です。

■書籍内容：　（〈山陰中央新報〉より抜粋）

浜田市ゆかりのアマチュア写真家で、昨年(2021年)９月に７４歳で亡くなった後藤正治さんの写真入りエッセー「フォト散歩」が完成した。妻の靖江さん（７８）が自費出版し教え子夫婦らが協力。四季折々の写真に、闘病生活を明るく過ごす後藤さんの人となりが伝わる文章が添えられている。　（宮廻裕樹）

　東京都出身の後藤さんは、１９７３年に結婚を機に靖江さんの出身地の浜田市に移住。市内で学習塾を開きながら、国内外を問わず撮影に励んだ。９２年にはシルクロードの風景を切り取った写真集が、優れたアマチュア写真家に贈られる「林忠彦賞」を受賞した。

　エッセーは、亡くなる１年前から後藤さんがブログにつづった文章を掲載。塾の元教え子とドライブした際には、「友情」が花言葉のヤマボウシの写真を添えて、楽しかった一日を表現。体調がいい時に、地震雲を見つけた日は「地震雲ならぬ自信雲と言ってよいかもしれない？？！」と、ユーモアを交えた一文を記した。

　教え子からプレゼントされた金婚式を祝うピンクのバラの写真やそばで寄り添い続けた愛猫も登場する。

　靖江さんは、「最後まで写真を撮り続けた夫の人生を形にしたかった。病気に苦しんでいる人の励みになれば」と願う。

　元教え子で塾を継ぎ、本の制作に携わった勝田祐史さん（６１）と美也さん（６０）は「自然を愛し、誰にでも優しい尊敬できる人だった。読者へのエールになる一冊だと思う」と話す。