このロブリングの100年近く前のワイヤーには、最初は「戸惑い」さえ覚えました。初めてです、こんなの。ヒッチコックで言うところの「めまい」がしましたよ。いや本当に。それは何故かと言うと・・・高域の更に上の帯域に「ザ・品格」とも言うべき「特別な気配」を感じるワイヤーだからです。

結論から言いますと，いきなり品位が格段に向上する！原音のバランスを崩す事無く、それも見事に・・・。そして気配が全く異次元に突入したが如く伝わってきます！！

なにが起こっているのか注意深く聴きますと、原音に超ウルトラ・ハイの帯域が加味され、それによって「こんな空気が入ってたんだぁ」と理解し、その気配のすばらしさに思わず「はぁ～」なんて溜め息がでるわけです。
「当たり！」の、100年近く前のヴィンテージは凄い！！

Randy Newmanのピアノを聞きます。まずは、やはり気配ですねぇ。そのスタジオの空気感とか演奏者の「気」を感じずにはいられません。そして一音一音の粒立ちが出てきます。ボリュームも若干上がったような感覚を味わいます。音像全体の骨格（エッジと言いますか）がしっかりし、単純に明るくなるというよりは、全く聞こえなかったウルトラハイによって質感が上品にやわらかい方向に、しかもわかりやすくソースを演出します。本物の超高域再生って こういうことを言うのだと。

リマスターのビートルズなどは意外にやかましいプレゼンスのピークが入っていたりするんですが、その嫌み部分、例えばハイハットだったり、エッジの利きすぎたセミアコだったりが、物の見事に改善されて実にスムーズにまとめあげてきました。ベースとキックのコンプ感（例のFairchildのコンプ）が、更に楽しめます。あっ、これ、ロック系にかなりイケテル！！

ジャズ系のオーケストラはものすごくブライトです！伸びきったハイエンドに思わず「スカッ」とした気分を味わいます。やっぱり60～80年代のLAは、いいなぁ～。クラッシュ・シンバルのブラシを使ったプレイに またもや溜め息でました。モタつきのない、透明な世界が続きます。

これ、レコードのアーム線としてもいけそうです。RCAピンケーブルの配線材、自作のアンプ用配線材に。是非このワイヤーの極繊細な「品格・品位」をお楽しみください！！