1962年東京都生まれ、無所属、創形美術学校卒、1989年まで絵画保存研究所に勤務、1989年 銀座松屋で個展開催、以後日本各地で個展を開催、1994年　「東京セントラル美術館日本画大賞展」、「21世紀の騎手1992展」出品、2005年 長野市善光寺に<戸隠雪景>四曲半双屏風を奉納、繊細な筆致と緻密な描写、鮮やかな色彩で日本の美を描き、現代の日本画壇を担うホープとして期待されている

清水規「清水寺秋彩」日本画 15号 大作 金落款 金泥 共シール
「清水寺秋彩」は、清水規が織りなす卓越した筆致と鮮烈な色彩感覚が存分に発揮された、秋景の美を象徴する一幅です。画面中央には三重塔が端正な姿で佇み、瓦屋根の陰影や建築の細部に至るまで緻密に描き込まれ、その存在は古都の悠久を静かに物語っています。手前に広がる深紅のもみじは、一枚一枚が点描のように細やかに表現され、秋の盛りの生命力を画面いっぱいに満たしています。また、背後の山並みは柔らかな霞をまとい、黄金色に染まる空が重なり合うことで、時間の移ろいと季節の深まりがしっとりと伝わってきます。

1962年東京都に生まれた清水規は、創形美術学校で学んだ後、絵画保存研究所に勤務し、古典技法や保存修復の知識を背景に独自の写実表現を深めてきました。1989年に銀座松屋で初個展を開催して以降、全国各地で個展を重ね、1994年には「東京セントラル美術館日本画大賞展」や「21世紀の騎手1992展」などに出品し注目を集めました。2005年には長野市善光寺へ《戸隠雪景》四曲半双屏風を奉納するなど、宗教建築や日本の自然美を主題とする作品でも高い評価を得ています。本作は、50×65.2cmの15号という大きな画面に、紅葉の華やぎと寺院建築の静けさを調和させ、現代日本画が持つ可能性を力強く示す作品です。鮮やかな色彩と緻密な描写、そして深い情感。清水規の魅力が凝縮された、秋の清水寺を描く代表的な一作といえます。