
【詳細】
初版 ユゴスの囁き クトゥルーミュトスファイルズ
2014年2月1日初版 創土社発行
1つのクトゥルー作品をテーマに3人の作家が小説、ゲームブック、漫画などの様々な形で競作するオマージュ・アンソロジー・シリーズ。巻末には原作冒頭の新訳(増田まもる)を掲載。
「メアリーアンはどこへ行った」・松村進吉
FBIダラス支局の児童虐待担当課の捜査官ジェイムズは、犯人と連れ去られた少女を追って、田舎町ジューディスを訪れる。
かつて炭鉱があったというその町は、今や地図にも載らず、町全体が薄汚れた巨大な死衣に包み込まれているかのようであった。事件は惨殺死体の発見によって新たな戦慄の幕をあける。
モダンホラーと幻想文学が絡み合う、新感覚クトゥルー小説。
「羊歯の蟻」・間瀬純子
昭和44年、豊橋市の高校で教師をしている「わたし」に、父親が経営する食品工場が鉄砲水にあったという知らせが義母から届き、故郷の南信州に帰る。
実家で待っていたのは、首に黄色い襟巻きをし、日がな1日テレビばかりをみている、厳格だった面影もない父であった。
深夜2時、父がチャンネルを回したテレビから流れた声、言葉は、「死体んだはず」の教え子の女生徒のものだった。
「蓮多村なずき鬼異聞」・山田剛毅
少しばかりのプライドを優先させた為に仕事を干されかかった記者がいた。気晴らしに出かけた上野の立ち飲み屋で、血色が悪く薄汚れた旅の僧にであう。
立ち去った後に残された和綴じの本を手にした時、記者の運命の歯車が狂いだす。
「クトゥルー浮世草子」14ページ完全カラーで掲載。
H・P・ラヴクラフト
1890‐1937。アメリカ・ロードアイランド州生れ。病弱で、少年期から幻想小説、怪奇小説に耽溺。30代から「ウィアード・テールズ」などのパルプ雑誌に寄稿。60篇ほどの作品を発表したが、単行本として刊行されたのは『インスマスの影』1冊のみ。不遇のまま生涯を閉じる。友人オーガスト・ダーレスらの尽力もあり、死後にその独自の作風が高く評価される。“クトゥルー神話”の始祖として、多くの作家に影響を与え、世界中の読者に敬愛されている
【状態】
経年劣化により若干の焼け、カバーにスレは御座いますが、概ね良好です。