基本情報|Release Information
レーベル:Teichiku Records
品番:GM-6039
フォーマット:LP, Stereo
国:Japan
リリース年:1986
タグ:Shakuhachi, Jazz, Folk, Japan, Ethnomusicology, Cross-cultural Collaboration
風を吹きぬける笛ではなく、風そのものが音に変わる──この記録は、世界と呼吸する竹の声である。
作品の解読|Decoding the Work
『迦楼羅の夜』は、アメリカ出身でありながら、日本の伝統楽器・尺八を軸に深く根を下ろした演奏家、クリストファー・遙盟・ブレィズデルによる1986年の録音である。その音は、「日本的」でも「西洋的」でもない、文化の中間地に吹く風のように、どこからともなく立ち現れる。
本作は、尺八の伝統的レパートリーを踏まえながら、ジャズ、フォーク、アラブ音楽、現代音楽など多様な文脈と接続する意図的な“音の越境”を内包している。ガムランやインド音楽を思わせる旋律構造と日本的間合いが交錯し、音楽地理の境界線がゆっくりと溶解していく。また、伝統尺八楽の調べを忠実に奏でながらも、演奏の呼吸がどこか語りかけるように聞こえる。それは「日本伝統音楽の再現」ではなく、「いまここで音が生まれている」という実感の提示である。
本作の特筆すべき点は、尺八が中心に置かれていながら、それが支配でも統合でもないことだ。むしろ、音同士が互いの余白に棲み、共振しているかのような構造を保っている。
アートワークからレーベル選定に至るまで、本作は民族音楽としてではなく、「内なる音」としての尺八を探究する試みである。
状態詳細|Condition Overview
メディア:NM(試聴時ノイズなし、光沢も十分)
ジャケット:NM(サイン入り、美観良好)
付属品:帯、インサート完備、ジャケットに本人サイン
支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細な経年変化にご理解ある方のみご入札ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。