除籍本 ドナービジネス 単行本 一橋 文哉 (著) 1107
数千万円からときには数億という莫大な金と引き換えに海外での臓器移植を斡旋するブローカー。アジアや南米の貧しい村から子どもを買い、または誘拐して「生体解剖」し、その臓器を売買するドナーハンター。死刑囚の遺体から臓器や組織を根こそぎ奪い取る臓器マフィア。代理母や卵子バンクを活用し、臓器製造用の胎児を「生産」する巨大シンジケート。本書で明らかにされる「ドナー(臓器提供者)ビジネス」の実態は、想像するだけで背筋が寒くなる話ばかりだ。
だが、闇の世界で暗躍する彼らを「悪者」に仕立てあげ、糾弾すれば解決するというほど事は単純ではない。というのも、彼らがこのようなビジネスを成立させるためには、当然顧客の存在が必要だからだ。そして彼らの顧客、すなわち臓器を買う人々とは、自分がもっと健康にもっと長く生きたい、また自分にとって大切な人もそうあってほしいと心から願う「善意」の人たちなのだ。
事実、本書に登場する「闇の商売人」たちは皆、口をそろえて言う。「困っている人を助けて何が悪い。我々は社会の役に立つ仕事をしているだけだ」。彼らの言葉が過分な自己弁護によって成り立っていることは否定できない。しかし同時に、人間がすべからく持っている欲望やエゴイズムを裏側からありありと照らし出しているように思える。
経済原理か倫理かという二者択一を超え、本書が我々に突きつける問いは思いのほか重く、また根深い。(深澤晴彦)
□図書館除籍本
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