【Wrangler 124MJ デニムジャケット/80s Japan製/SCOVILLボタン/サイズL】
アメリカ3大デニムブランドのひとつ──Wrangler(ラングラー)。
Levi’sが鉱夫のため、Leeが鉄道員のために誕生したのに対し、Wranglerは“カウボーイのためのデニム”として生まれた唯一のブランドです。
その出自から一貫して、機能性とリアリティを最優先に設計され、いまもなお“Real Cowboy’s Brand”として世界中のデニムファンを魅了し続けています。
■ 歴史背景:労働着からスタイルアイコンへ
Wranglerの歴史は、母体であるBlue Bell(ブルーベル社)に遡ります。
1904年、アメリカ・ノースカロライナ州グリーンズボロで創業したブルーベル社は、当初ワークウェアメーカーとして労働者向けの丈夫な衣料を製造していました。
第二次世界大戦後の1947年、同社は“本物のカウボーイが認めるデニムウェア”を目指し、ブランド名をWranglerとして新たに立ち上げます。
設計を任されたのは、フィラデルフィアの伝説的テーラーRodeo Ben(ロデオ・ベン)。
彼は実際にロデオライダーや牧場労働者たちの声を集め、馬にまたがる際の動きやすさ、鞍との摩擦、砂塵の影響などを徹底的に検証しました。
その結果生まれた初代モデル「11MJ」は、まさに“カウボーイのための理想のジャケット”として瞬く間に全米で支持を得ます。
以降、Wranglerはカウボーイのユニフォームとして確固たる地位を築き、映画や音楽の世界へも広がっていきました。
■ 124MJへの進化:アメリカンスタイルの完成形
本作「124MJ」は、11MJから改良を重ね、1970年代以降に登場した後期型モデルです。
特徴的なのは、胸ポケットの左右非対称デザイン、スナップ式アジャスター、そして実用的なサイドポケット。
これらはカウボーイの“現場仕様”を継承しながらも、タウンユースを意識したデザインとして昇華されています。
とりわけ80年代に入ると、Wranglerは“機能服”から“ファッションウェア”へと進化。
この時期に登場したのが、まさに本品のようなWrangler Japan製(日本製)のモデルです。
アメリカ本国のライセンスのもと、タグには「GREENSBORO, N.C. U.S.A.」の文字が入り、ボタンにはSCOVILL社製の刻印。
細部まで本国クオリティを踏襲したうえで、日本的な縫製技術による完成度の高さが光ります。
この時代、Wrangler Japanは単なる輸入ライセンスではなく、アメリカのアーカイブを分析しながら日本独自の美意識で再構築を行っており、いまや80sジャパン期のWranglerは**“第二の黄金期”**として高く評価されています。
■ ディテール
・胸ポケット:フラップ付き左右非対称デザイン
・両サイドにスラントポケット(ハンドウォーマー仕様)
・フロントボタン:SCOVILL社製刻印入りメタルボタン
・ウエストアジャスター:スナップボタン仕様
・オレンジ糸のカンヌキ留め/チェーンステッチ仕上げ
・デニム:ライトインディゴ・ウォッシュ/80年代特有のフェード感
シルエットは身幅に程よくゆとりのあるボックスバランスで、現代的な着こなしにも自然に馴染みます。
■ Wranglerとロックカルチャーの交差
Wranglerはカウボーイたちに愛された後、70年代以降は音楽やファッションの世界にも波及しました。
ジョン・レノンがロンドン滞在時に愛用していたことで知られ、労働着の象徴だったデニムに「知性」と「自由」のイメージを与えたのもこの時代です。
90年代に入ると、**リアム・ギャラガー(OASIS)**がワードローブに取り入れ、UKロック×アメカジの融合が世界的にブームとなりました。
そして2000年代、エディ・スリマンがDior Homme時代にプライベートでWranglerのジャケットを好んで着ていたことが知られ、ファッションの最前線でも再評価が進みました。
つまりWranglerは、
「アメリカ西部の土臭さと、ロンドンのロック精神、パリのモード感覚が交差した唯一のデニムブランド」なのです。
■ サイズ(平置き採寸)
・肩幅:49cm
・身幅:58cm
・袖丈:59cm
・着丈:59cm
※素人採寸ですので多少の誤差は御理解下さい。
サイズ表記:L(ラージ)
■ コンディション
全体的に使用感はありますが、自然なフェードとアタリが出ており、
80年代ジャパンメイド特有の表情豊かなインディゴが際立ちます。
生地にハリも残っており、これからさらに味を深めていけるコンディションです。
■ 総評
Wranglerが築いた「カウボーイのリアリズム」、
日本が誇る縫製技術、
そして80年代のカルチャー的成熟。
それらが一着のデニムジャケットの中に凝縮されています。
ワーク、ロック、モード、そのすべてを繋ぐ歴史の交点。
Wrangler 124MJは、単なる衣服ではなく、アメリカンカルチャーの“遺伝子”そのものです。
他にもヴィンテージや現行古着を多数出品しております。
迅速に発送いたしますので、ぜひこの機会にご検討ください。
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(2025年 11月 5日 21時 11分 追加)WR38-6490