■基本情報|Release Information
レーベル:Original Jazz Classics / Prestige
品番:OJC-1707
フォーマット:LP, Limited Edition, Reissue, Remastered, Mono
国:US
リリース年:1985年(録音:1957年)
タグ:Jazz, Cool Jazz, 1950s, Studio Work, Van Gelder Studio
■作品の解読|Decoding the Work
モノクロームの音場に浮かぶ、1957年1月25日の空気。ニュージャージー州ハッケンサックのヴァン・ゲルダー邸にて、ケニー・バレルを核とするPrestige All Starsが繰り広げた一度限りの集団即興、その記録がこの『Earthy』である。トランペットのアート・ファーマー、テナーのアル・コーン、アルトのハル・マキューシックという管楽器陣、ベースのテディ・コティックとドラムのエド・シグペン、そして全体をスモーキーに染め上げるマル・ウォルドロンのピアノ。彼らの演奏は、それぞれの楽器が一つの身体として呼吸しながら、即興で都市の地図を描いてゆくような、抽象と具象の中間にある感触を纏う。
楽曲は全5曲、いずれもこのセッションのために書き下ろされたオリジナル。ウォルドロン作の冒頭曲「Earthy」は、タイトルどおり土臭くもしなやかなグルーヴで幕を開け、録音スタジオの木造壁が響きを温かく吸い込み返すかのようだ。すべてが一発録りという当時の録音慣行において、各プレイヤーのフレーズは他者の空気を聴きながら、言葉ではなく「耳」によって会話されている。それは音の分子構造のように微細な相互作用であり、マスターエンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーがその化学反応を磁性体に閉じ込めた瞬間こそが、このアルバムの本質である。
また、本OJCリイシュー盤(限定3000枚)はGary Hobishによるリマスタリングが施されており、原音の空気感を損なうことなく、オーディオファイル盤としての透明度と密度を両立している。Prestigeレーベルの代表的スタジオ録音としてだけでなく、1950年代クール・ジャズの一つの縮図とも言える録音物。それは聴くというより、居合わせる記録。あなたのリスニング環境が、その日のハッケンサックであったかのような、錯覚的親密さを伴う一枚。
■状態詳細|Condition Overview
メディア:VG+(軽微なスレあり、再生良好)
ジャケット:VG+(経年相応の軽いスレ、概ね良好)
付属品:インナースリーブ付き
■支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパック80サイズ)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。