希少本 道元 永平広録 上中下 訓読註釈現代文訳 全三巻揃い 初の完璧な現代文訳 永平寺での語録 真賛 自賛 偈頌 原典 白文 仏教 禅宗 曹洞宗 永平寺
道元 著
石井恭二 訳
河出書房新社
2005年初版
ハードカバー単行本
約22x15.5x2.5~3cm
上巻 454ページ
中巻 412ページ
下巻 546ページ
※絶版
『正法眼蔵』とならぶ道元の大著初の完璧な注釈付き現代文訳、上中下巻の全3巻完結セット。
現代思潮社を創業、文学・思想の出版で一時代を画し、道元訳、研究の第一人者である石井恭二によるもの。
【各巻ごとの紹介】
■永平広録 上 『正法眼蔵』とならぶ大著初めての完璧な現代文訳!
『正法眼蔵』とならぶ道元の大著。誰にでも分かる初めての完璧な訓読・注釈付きの現代文訳。
二十代の若き入宋時代から晩年の永平寺時代まで、『眼蔵』と併行して書かれた道元の語録と筆録の一大集成。分かりやすい現代文ですべての人のものに!
【目次】
第一 興聖禅寺での語録
上堂語(1~20)
第二 二大仏寺での語録
上堂語(21)
第三 永平禅寺での語録
上堂語(815)
第四 永平禅寺での語録
上堂語(351)
■永平広録 中 『正法眼蔵』との関連を押さえた道元思想理解の最適の書!
人々に向かって説き起こされた語録・筆録であるため、比喩の奇抜さ、表現の柔らかさ、冗話や閑話の面白さから、人間・道元が浮かび上がってくる画期的著作!
『正法眼蔵』との関連を押さえた、難解とされる道元思想を理解する最適の書!
【目次】
第五 永平禅寺での語録
上堂語(~)
第六 永平禅寺での語録
上堂語(11~20)
第七 永平禅寺での語録
上堂語(713)
上堂語原典白文
■永平広録 下 道元の生涯にわたる思索の全体像明解な現代文訳でここに完結!
「広録」の第八から第十に、附録として在宋日録「宝慶記、精進料理の規範「典座教訓、晩年の偈と遺偈を加えて生涯にわたる思索の行脚を包括した待望の最終巻!
道元思想の精髄とその一生の波瀾に接する稀有な大作の現代文訳、ついに完結!
【目次】
第八 永平禅寺での語録
小参 法語 普勧坐禅儀
第九 頌古
第十 真賛、自賛、并びに偈頌
〈附録>
宝慶記
典座教訓
上洛療養偈
遺偈
原典白文
「正法眼蔵」「永平広録」関連祖師略系図
あとがき
【推薦文】
<思索的探究のための大いなる挑戦> 大岡信氏
道元の法堂における講義の筆録を中心に、語録などを広く採録した『永平広録』は、『正法眼蔵』と並ぶ道元の代表的著作である。『正法眼蔵』が和語で書かれているのとは異なり、こちらは漢文。この大著が『眼蔵』と同じく石井恭二氏の注釈・現代文訳により、全三巻で刊行される。思索的探究のために大いなる挑戦というべき記念的刊行物である。石井氏の快挙に心からの敬意と祝意を捧げつつ、ゆっくり噛みしめて読み進めようと思う。
<稀有な機会> 松岡正剛氏
道元を読むということは、坐して背骨を天地に委ねてみるということだ。その道元を石井恭二の言葉で読むということは、それらを現在という渦中に投げつけてみるということだ。まったく、こんな機会があろうとは
<現代に通ずる言説> 森本和夫氏
(上巻の)「解題」において明言されている「現代に通ずるダイナミックな言説」に関する「訳者の意図」に全面的に賛成する。道元の七百五十回大遠忌を記念して永平寺から刊行された『道元禅師研究論集』に『比較思想』の領域における論考の執筆を依頼されたのに応じて「デリダと道元における〈宗教〉の問題」と題する一文を草した立場にある小生としての切なる思いに完全に一致するからである。
【解題】より一部紹介
広録は、永平寺五十世の玄透即中1729~1808が、成立後二百年、永平寺の書庫に眠っていた筆写本を発見し、徹欠や雨漏れで傷んでいたものを職人に命じて製本し装幀を施し、『永平道元和尚広録』と題簽したとされている。寛文十二年1672壬子中秋八月二十八日に序が書かれている『通本永平広録』は、江戸中期の卍山道白による刊行であった。なお、本書の題名には、ほかに、道元和尚広録、また永平元禅師語録などがある。
「永平広録』は『正法眼蔵』と並ぶ道元の代表的著作であり、侍者として仕えた詮慧、懐弉、義演などによって、道元の滅後、全十巻に編成された。『正法眼蔵』が和語で書かれているのと異なり、本書は全漢文での著作である。
永平は、道元が生前に用いた自称で、永平道元の略である。広録とは、語録と筆録を広く編んだ記録、との意である。
ただ、広録のうち語録と見なされるのは、第一から第七〔本書上中巻〕までの上堂語〔法堂での講義〕の筆録メモの集成であって、その時期は、第八第九とともに、三十七歳の時、京都深草に興聖宝林寺を開堂した嘉禎二年1236から、入滅した建長五年1253の前年の同四年までである。第八、第九、第十…以下略
【凡例】
*原漢文の漢字を、現在の略体に換えて調み下して、注を付し、次に各章ごとに現代文による翻訳を掲げた。
*上堂語は、これが演壇での講説であることを念頭に置いて訓読した。現代文も同じである。
*筆録は、『正法眼蔵」の文体のリズムに従うように努めた。現代文への翻訳もまた同じである。
*原漢文は、テキストに用いさせていただいた大久保道舟氏の全集本(筑摩書房刊1970〕の原文から返点圈点などを除いて白文に戻し、上堂語は上中巻の末尾に纏め、小参、法語、普勧坐禅儀、頌古、真賛、自賛、偈頌および附録は下巻の末尾に纏めて掲げた。
*テキストの誤字と疑われるものは注記し、白文には〔〕を挿入して記した。注に単に『正法眼蔵」とあるのは、七十五巻本『正法眼蔵』である。
*出典の略語は、次のとおり。
禅書
伝燈録―景德伝燈録、広燈録―天聖広燈録、普燈録―嘉泰普燈録、続燈録―建中靖国続燈録、会要―聯燈会要、会元―五燈会元、園悟録―圜悟仏果禅師語録。
仏教書
華厳経―大方広仏華厳経、法華経――妙法蓮華経、楞厳経―首楞厳三昧経。
【あとがきより 一部紹介】
本書は、道元の語録と筆録の集成「永平広録」に、広録第十の偈頌の前半とともに在宋記録を形成する、宋から帰国した直後の二十七歳に撰述した『宝慶記』から、最晩年の五十三歳の遺偈にいたるまでを併せることによって、その生涯にわたる思索の行脚を包括して開き示すものとなっている。このような書物は、世界の古今の思想家の著作のなかでも稀有であろう。訳者としては、本書に展開されている道元の思想の在りようと言説もさることながら、『正法眼蔵』とは別に、道元一生の波瀾に接することができる書物としても、是非、多くの方々に読んでいただきたいと願っている。
【著者について】
道元 (ドウゲン)
鎌倉前期の宗教哲学者、日本禅の開祖。24歳で入宋、如浄に参じて大悟する。主著に『正法眼蔵』『永平清規』『永平広録』。
石井 恭二 (イシイ キョウジ)
1928年東京生まれ。1957年に現代思潮社を創業、文学・思想の出版で一時代を画する。著書に原文対訳「正法眼蔵」全5冊、現代文訳「正法眼蔵」全6冊、「一休和尚大全」「親鸞」などがある。