米国盤
8CD
廃盤
マイルス・デイヴィス
《コンプリート・ライヴ・アット
プラグド・ニッケル 1965》
*SACD復刻盤とは別マスターになります。
(タワーレコードの説明では本US盤CD制作時のマスターは所在不明となっているとのこと)
国内盤が、丁寧に作りこまれた”謹製”プラグド・ニッケルとすれば、
この米国盤はまさに”産地直送”プラグド・ニッケルといった仕上がりになっています。
国内盤は、テオ・マセロの編集、そして楽器間のバランス、ノイズなど丁寧に調整されていて、大変聴きやすいものとなっている一方、
米国盤は、編集なし、文字通りの完全収録。
日本盤より演奏時間の長いトラックが10曲入っていて、CD1枚分長くなっています。
そもそもプラグド・ニッケル・コンプリート盤は、日本ソニーが米コロンビアを買収し主導権を握ったことから実現した企画です。
それまでジャズ史に刻印されるべき歴史的なこのライヴの全貌が陽の目を見ることがなかった主な要因として、
そもそもマイルス自身がそれをよしとしなかったと伝えられています。マイルスの死後にリリースが実現した経緯は、それを裏付けるものです。
では、マイルスがなぜ完全版のリリースに乗る気にならなかったのか。演奏については、すでに「プラグド・ニッケル Vol.1&2」として世に出ており、折り紙つきの名演であることは誰もが知るところです。マイルスのプレイについていえば、晩年にワーナーからリリースされたライヴなどよりも格段に優れたものであることも明らかです。
それでもなおマイルスが完全版のリリースに消極的であった理由は、まさにこの完全版の中にあります。
後年”帝王”と呼ばれるまでにジャズのみならず音楽界に君臨することとなったマイルスからすれば、聴かれたくない、あるいは振り返りたくないドキュメントまでもが生々しく記録されているのです。
一例をあげるなら、”When I Falling Love"において、ハービーがイントロを奏でるや、お客のひとりがテーマのメロディを茶化すように口ずさむのです。それはライヴ会場にあふれる親密感からといった類の善良なものではなく、明らかにマイルスの出鼻をくじこうとする挑発的で侮辱的な行為なのです。 ところがマイルスは、マイルスらしいクールさで、その挑発を一蹴します。マイルスは見事にそのお客の口ぶりままを完全コピーしてお返しするのです。
この一瞬のやり取りにしても、現在のマイルス・ファンからすれば胸のすくようなシーンです。ただ”帝王”となった当のマイルスが、果たしてこれを古き良き思い出として回顧するかに思いをはせれば、マイルスが完全版のリリースを渋った心情もわかるような気がします。(この侮蔑的な挑発をした人物が白人であったかは定かではありませんが、1965年当時アメリカ社会で黒人ミュージシャンおかれている立場を推し量るに十分なシーンとなっています。ジャズ・レジェンド、マイルスに対してすら、この有様だったのです)
フリーキーなバンド・メンとの白熱のインタープレイと同様に、客席や社会との緊張感も刻印されたまさに”完全版”となっているのです。
マイルス・デイヴィス(tp)
ウェイン・ショーター(ts)
ハービー・ハンコック(p)
ロン・カーター(b)
トニー・ウィリアムス(ds)
※紙ジャケット仕様CD(ボックス分売品)は、追加送料なしで同梱発送させていただきます。
米国盤
8CD+リーフレット
コンディション良好。
※初回シール付き、シュリンク付き
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