1945年神奈川県生まれ、無所属、東京芸術大学大学院修了、1971年シェル芸術賞1等賞授賞、1972年新鋭選抜展1等賞、1988年日本画の裸婦展（埼玉県立近代美術館）、1991年中野嘉之と二人展（大三島美術館）、1995年林潤一と二人展（上野松坂屋）、百貨店を中心に個展多数、シェル芸術賞での一等賞を受賞以来、現在に至るまで精力的に様々な展覧会で作品を発表し続け、高い評価を得ている、モチーフは舞妓と四季折々の花を描いた作品が代表的

青山亘幹は、繊細な筆致と気品ある色彩で舞妓や四季折々の花を描く日本画家です。日本画の伝統技法を活かしながらも、独自の洗練された美的感覚を加えた作品で高く評価されています。彼の作品は、金箔を背景に舞妓の優美な姿を描くものが多く、華やかで格式のある雰囲気を醸し出しています。

青山亘幹「佳日」日本画 10号 金箔・金泥仕様 絹本 共シール
本作は、日本画ならではの気品と格式を湛えた美人画であり、伝統的な舞妓の優雅な姿を見事に描き出しています。 背景には金箔が惜しみなく施され、まるで光そのものを映し出したかのような煌びやかさが作品全体を包み込んでいます。この輝きは、タイトルの「佳日＝喜ばしい日」にふさわしく、舞妓の晴れやかな一日を祝福するかのように感じられます。 黒の振袖に金の帯をまとった舞妓の佇まいは端正で、優雅な気品が漂います。特に、白粉を施した肌の滑らかさ、繊細に描かれた目元や口元が印象的で、控えめながらも微笑を湛えた表情には、静かな美しさと内面の奥ゆかしさが表れています。髪には華やかなかんざしが飾られ、格式の高さを象徴しています。

また、衣装の細部にまでこだわりが見られ、黒地の振袖には洗練された意匠が施され、金箔の背景と調和しながらも、落ち着いた風格を感じさせます。青山亘幹が得意とする舞妓をモチーフにした作品であり、伝統美と現代的な感性が見事に融合した一枚です。 本作は、日本画の持つ繊細な技法と優美な表現を通じて、舞妓の青春の輝きを永遠に封じ込めた作品であり、見る者に日本の伝統美の深みを感じさせる名品です。