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正岡子規自筆本「故事成語考」89丁、178ページ。正岡の字は時期によって大きく変わり、それゆえにこの自筆本の字も正岡子規の崩し字とは一瞬かけ離れているように思えますが、参考用として2枚目に添付しております、天理図書館所蔵、正岡子規自筆本「墨田川の由縁」と比べますと、今回の自筆本の筆跡もそれに近いことが伺えます。また今回の自筆本に押された「獺祭書屋図書」の印は正岡の蔵書印であり、正岡が自ら押していました。この蔵書印の押された時期は明治25年頃までであり、後述する河東碧梧桐へこの自筆本が貸与された時期と一致します。また正岡は後年は別な印を押すようになります。また正岡の物品は子規庵により管理されておりましたので、この印が偽造されたものということはありません。また他の蔵書に弟子などが押したものなどは確認できておらず、本人が押したものといえます。この自筆本は明治23年、河東碧梧桐へと貸与されました。添付した画像をご覧いただければと思いますが、筆まかせにおいて、正岡は碧梧桐の書簡を引用し、そのことを記述しています。正岡の自筆本は寒川鼠骨と正岡の遺族により、売却され、そのほぼ全てが国会図書館と法政大学図書館に入りました。また崩されて幅物にされたものもありました。そのため、新たな正岡の自筆本が現れるということは非常に稀であり、また当時の箋や上部の書き込みの跡などは研究資料として第一級の価値を秘めたものだということができます。全89丁全てにみっちりと書き込まれております。