
Aristocrat 265は1930年代中頃にBuescher社が発売したコルネットで、「Aristocrat Custom Built」と銘打たれたプレミアムモデルにあたります。
当時Buescher社が展開していたAristocratシリーズ(いわゆる「アリストクラット」)の基本モデルを高級化した位置付けで、プロフェッショナル向けのトップグレード機種として位置づけられていました。
通常のAristocrat(ベースラインモデル)に対し、265番モデルは仕上げやデザイン面でグレードが高く、銀めっき仕上げに金めっきの彫刻やゴールドウォッシュドベル(ベル内部を金メッキ)といった豪華な仕様が特徴でした。
当時のカタログでは「ボア(管内径)とテーパーが完全に均整の取れた設計により、真のコルネット音色を実現している」と謳われており、奇をてらった形状ではなく伝統的なコルネットの音色と吹奏感を重視して作られていたことが分かります。
この個体も上記説明の通り、美しい彫刻と金のアクセント仕様、ベルの縁輪など非常に豪華な作りです。
また当時物としては珍しい3番指掛けが標準搭載されており、音程の補正もしやすい作りです。
吹奏楽やマーチングバンド、ジャズなどの演奏に合いそうな音色を持つ小柄なベルで、非常に透明度の高い音がします。
気密性は素晴らしく、新品同様です。
むしろタイトすぎるくらいの擦り合わせで、ほぼ使用されていなかったものと思えます。
この年代のものとしては奇跡と呼べるレベルのコンディションです。
表面のめっきは完璧に残っております。
サテンもきめ細やかに残っております。
マウスパイプ、ベルにごく小さな凹みがありますが、使用には全く問題ありません。修復も簡単にできると思います。
できる限り写真に収めておりますのでよくご確認ください。
マウスピースは現代のデニスウィックやバックなどを使用可能です。
トランペットシャンクではありませんのでご注意ください。
およそ90年前のものですが音程バランスや音色等素晴らしく、また現代の楽器とは違う暖かさを感じられる楽器です。
博物館級の逸品です。
古いものですのでご自身の判断でご購入ください。
トラブルを避けるため写真などの追加は可能な限り対応いたします。お気軽にご質問などどうぞ。
純正マウスピース、ケース付き。