自宅保管の品です。大変美品ですが古いものですので、表紙など若干の経年変化はございます。ご理解頂ける方にご検討をお願い申し上げます。
青春を山に賭けて 植村直己
家の手伝いからは逃げ、学校ではイタズラばかりしていた少年は、大学へ進んで、美しい山々と出会った。―大学時代、ドングリとあだ名されていた著者は、百ドルだけを手に日本を脱出し、さまざまな苦難のすえ、夢の五大陸最高峰登頂を達成する。アマゾンのイカダ下りもふくむ、そのケタはずれな世界放浪記。
目次
青春の日々
山へのプロローグ
アルプスの岩と雪
朝焼けのゴジュンバ・カン
マッターホルンの黒い十字架
アフリカの白い塔
忘れ得ぬ人々
アンデス山脈の主峰
六十日間アマゾンイカダ下り
王者エベレスト
五大陸最高峰を踏破
地獄の壁グランド・ジョラス
レビューより
とにかく面白いです。
植村直己さんの文章を素朴な文章だと評価される人が多いようですが、確かに素朴な文章ではありますが、ただの素朴な文章ではない!
実際に体験した実話自体が希有な体験で、それだけでも面白いっていうのもあるけど、その場の臨場感や、その時の心情を読者にリアルに伝える文章力がすごい。
植村さんは幸運の人だ。その幸運を呼び込んだのは、彼の純真で魅力的な人柄だったのであろう。
アメリカのブドウ農場で、不法労働で捕まった時、移民調査官に見逃してもらったのが、そうだ。ヨーロッパのスキー場で、言葉もスキーもできないのに、雇ってもらったのもそうだ。どのような人であったかは知らないが、よほど人に愛される人だったのであろう。おそらく多くの若者がその後、この本を読んで同じように海外に飛び出し、そして厳しい現実に打ちのめされたに違いないと思う。うろ覚えだが、ある若きヨットマンは、返還前の沖縄に無許可で渡航し、あっさり捕まったと聞く。若者だからという理由で許してもらったなどということは全くない。
近年ではK君という登山家が、単独・無酸素という言葉を乱用し、ネット上で叩かれ、果てはエベレストで命を落とした。その批判の一つに、単独をうたいながら、キリマンジャロ登山でポーターを雇ったことが挙げられている。
植村さんもwikiや植村直巳冒険館HPでは「キリマンジャロ単独登頂」となっている。しかし実はポーターを雇っているのである。4,600mのキボ小屋までポーターが同行したと、本書にはっきり書いてある。キリマンジャロは、夏の富士登山と変わらず、誰でも登れるとまで、植村さん自身がはっきり書いている。この辺り植村さんの死後の神格化と、そのフォロワーたちの悲喜劇については複雑な思いになった。
久しぶりに活字を読む楽しさを満喫しました。 画像映像が無しでもありありと情景が頭の中に広がり迫力ある大自然の中での勇気ある冒険にハラハラさせられ夢中で読んでしまいました。