究極の映画美に魂が震える! 世界的スター共演で描かれる男たちの愛と欲望。
ドイツの鬼才ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督が、ジュネの『ブレストの乱暴者』を映画化した畢生の傑作!
【あらすじ】
私は彼の肉体の中に秘められた悪徳を見たい―
架空の港町ブレスト。
売春宿を営むノノは、客の男と骰子賭博し、負けた相手と淫行している。
ノノの妻リジアヌもまた、若い男ロベールをお抱えの愛人にしていた。
港には海軍の船が停泊していて、そこから下船した水兵ケレルが宿にやって来る。
ケレルはノノにアヘンの取り引きを持ちかけるが、そこでロベールに逢うと、二人は互いが兄弟であることを理解する。
ケレルはアヘンの密輸を仲間の水平に手伝わせると、その男をナイフで刺し殺す。そして再びノノの宿に向かい、リジアヌを賭けて勝負し、負ける。
ノノから男色の快楽を知ったケレルは、ポーランド人水夫のジルに魅かれる。
そしてケレルは、殺人犯として警察に追われるジルに上官セブロン大尉を襲わせる。
一方、セブロン大尉は、以前から密かにケレルの肉体に魅惑されていたのだった…。
37歳で夭折したドイツの鬼才ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督(『マリア・ブラウンの結婚』『ベルリン・アレクキンダー広場』『ベロニカ・フォスのあこがれ』)による最後の作品。
死後に第39回ヴェネツィア国際映画祭に出品され、『天井桟敷の人々』で知られるフランスの名匠マルセル・カルネが賞賛した。
原作は20世紀異端文学の巨星ジャン・ジュネの代表作「ブレストの乱暴者」。
第二次世界大戦直前、夕暮れに照らされた港町で繰り広げられる、男たちのホモセクシュアルな愛、欲望そして裏切り。
映画は、極端に様式化したセットで、官能と死のシンフォニーを妖しく奏でてゆく。
スター俳優の共演にして、究極の映画美が結晶化したファスビンダー作品の極北。
出演は『ミッドナイト・エクスプレス』『炎のランナー』のブラッド・デイヴィス、『続・荒野の用心棒』『哀しみのトリスターナ』のフランコ・ネロ、『危険な関係』『エヴァの匂い』のジャンヌ・モロー。
『別れの朝』の監督として知られるニュー・ジャーマンシネマの旗手ロベルト・ファン・アケレンが外人部隊の役で特別出演している。
※フランス語版HDリマスター採用