こちらは水島新司の100P と称した貸本載っている「影78集 やぶにらみ!水島新司100P長編読切」です。日の丸文庫 、篠原とおる、K・元美津、梅本さちお、これらのほか大橋学投稿作品掲載、あだち充の兄安達勉。2ページだけ大きく欠損あるものの、通読して読めるレベルです。
ちなみに水島新司の作品はもとから95Pまでです(100Pというのは日の丸文庫が大げさに言っていただけです)。実際は6~95P の約90P 。こちらは2P一部欠けていますが、概ねは読めます。今では入手困難な「影」の1つです。
水島新司「やぶにらみ!」は1963年、昭和38年の作品。住んでいた町は大人の都合で、町長選より西の財閥、東の財閥で争い、子どもたちにまで波及。西と東でたびたび争うはめに。西中学と、東中学のいざこざに発展。
やぶにらみの少年、椹六(じんろく)は西、東双方に使われ、卓球をめぐって戦いに。そこで西と東の町長候補だった子どもらが決闘することに。一方、やぶにらみ、めっかちと言われることを良しとしない少年は母親の前で目をえぐり取ろうとする。必死で止める母。
母の慰めに動転していた自分を取り戻し、山へ。そこで巨大ぐま出現。女の子の目の前に。泣く女の子。その熊もめっかちだったが、おじさんは銃で殺そうとする。熊に自分も同じだという少年。熊にも心は通じるのか。
一方、決闘の時間が来て、決闘は中止に。やぶにらみの少年が妹を助けてくれたからという。大人の都合で差別を伝染させられたことに気づき、行動に出る。少年は女の子に、女の子は少年に進歩的(先を見ている人)と伝え、いつまでも終わらない強情さで包んだ。初期の水島新司の人情さ見られるここだけでしか見られない作品。
K・元美津「異色ミステリー劇画 窓だけが知っている」は転落死した男が語るミステリー。そこには男と女をめぐる不幸な結末が。つき合っていた社長令嬢が倒産てから父も死んで、ある男と結婚することに。男はそれが許せず、男を殺して自分のものにしようとしていた。だが、男にやるはずだったもの女にやってしまい、男はもがき苦しむ。男は壮絶な悲壮感から大きな決断を下し、大きな騒ぎになるのであった。
篠原とおる「ある脅迫」は毎月お金をためていた男の所に、とある者が「推理小説」に自分の名前を使わせてほしいという。賞金は山分け。男の所に一ヵ月過ぎた頃、編集者が、入選したこと伝える。驚きつつ、賞金が手に入ると喜ぶ男。だが、タイトルも知らず、うかつには話せない。ごまかしてやりすごす。そこに木屋という男の所へ、既に引っ越していた。
編集部の男がやってきて、実は一家6人殺しの事件と小説の内容が同じ、君が犯人ではと言われ、激しく動揺。出版取りやめてほしいと願うと、50万もの大金いるという。30万ならあると答える男(当時、一ヵ月の給料1万円という時代がそう遠くない時代でしたので)。
それを渡してから小説の締め切りが一週間あること知り、だまされたことに気づく。編集部に駆け込むと、そのネタで小説かいて見ないかと誘われる(そして一家殺しの犯人は奴らだった)。小説描くまでの話。
梅本さつお「飛び出せ!地下鉄野郎」は貸本時代の代表作「地下鉄三次」シリーズで天才的なスリの腕持つ男が主人公。三次がスリしていないのに犯人扱いされ、逆に真犯人捕まえようとするも、男の不幸な話を聞き、スリの技で逃がしてやる人情話し。
落丁はなし。投稿ページには「タッチ」「H2]nado多くの野球ヒット漫画で知られる、あだち充の実の兄でマネージャーもしていた元漫画家・安達勉、それと、大橋学の初投稿デビュー作品あり。277Pほどある分厚い読み応えある貸本です。水島新司作品のみ、三分の一欠ー1P、角のコマ欠と少し上欠ー1P、軽い小欠-1Pあるくらいです。ただし、ページに切れ下部にやや集中していますが、一応通読はできる状態で、話も支障はないです。十分楽しめます。
レターパックもしくはゆうパックでの発送です(厚み3センチ以上あるので)。防水対策もしてお送りします。
ちなみに状態が良ければ2~3万円くらいしてもおかしくない品なので、若干切れ、破れなど傷みある分、お安くしてます。写真だとわかりづらいですが、背の部分の下部角は欠けているわけではなく、少しはがれがある程度です。