商品は、バンダイから2005年に発売された『WING CLUB COLLECTION(ウイングクラブコレクション)Part.L3』より『②特殊攻撃機 晴嵐』になります。
外箱開封済み、ブリスター未開封の新品になります。リーフレットもあります。パーツとデカールの小袋もあります。
架空戦記で有名な晴嵐になります。
晴嵐は伊400型潜水艦で運用される特殊な攻撃機なので、第631海軍航空隊所属です。なので付属のデカールもK6から始まる631空の物になります。
『K6-01』『K6-15』『K6-16』『K6-17』『K6-18』『K6-19』『コ-A15』のどれかにできます。
◆趣味の晴嵐と伊400
晴嵐を語る上で欠かせないのが、『蒼き鋼のアルペジオ』で有名になった伊400型潜水艦(イオナは伊401ですね)。
コミック版のアルペジオでも晴嵐がイ400と伊401の艦載機セイランとして登場しました。
伊400は、全長122m、排水量6560tという超巨大潜水艦(原潜が登場するまでは世界最大の潜水艦)にして、世界で唯一量産された潜水空母。
艦橋の下にある直径4.2mの潜水筒の中に艦載機を3機格納し、カタパルトで射出。
伊15や伊40も艦載機を搭載した潜水空母でしたが、搭載してたのは偵察機。
伊400が搭載したの爆撃機。
昭和17年の9月に伊25に搭載された零式小型水偵がオレゴン州の山林に焼夷弾を投下し山火事が発生しました。その程度の事なので大した事は無かったのですが、アメリカは本土が初めて爆撃された為、相当ビビったらしいです。
で、この成功に気を良くした軍令部が艦政本部に『800kgの爆弾or航空魚雷で武装した航空機を搭載し、4万マイル(7万4000km)を航行できる潜水艦の建造は可能か?』と問い合わせた所、艦政本部からは『一応、技術的には可能』という返答が返って来ました。
で、昭和18年から伊400型潜水艦は建造を開始。伊400~伊405までの6隻が次々に起工しました。
晴嵐は、この伊400型潜水艦の艦載機として設計された特別な水上機なのです。
設計したのは愛知航空機。M6A1『晴嵐』。
その最大の特徴はコンパクトに折りたためる事。主翼はピン(夜間作業用に蛍光塗料が塗ってあった)を1本抜くと、機体の後方に折りたたむ事が可能。水平尾翼も折りたたみ、フロートは着脱式。
この状態で、伊400の潜水筒の中に収容できます。
潜水筒から引き出された晴嵐は、わずか1分で飛行状態に組立可能で、しかもエンジンを暖気しなくても良いように潤滑油や冷却水は温めた物を注入可能でした。
伊400で目標の至近まで接近して浮上、速やかに晴嵐を組み立てて、カタパルトで射出。伊400は潜って逃げる。
爆撃後、会合地点で晴嵐をクレーンで釣り上げ、再び折りたたんで(折り畳みにかかる時間はわずか5分)格納し、潜って逃げる。
晴嵐の航続距離は2000km(日本海軍機は足が長いのである)。つまり目標から1000km以内だったら行って帰って来れる。
潜水艦から出撃する爆撃機なので、捕捉が難しく、また防衛すべき範囲は広大で、敵からすると物凄く面倒な相手。
1隻の伊400型で3機の晴嵐を飛ばせるので、10隻で艦隊を組めば、30機の晴嵐部隊が敵の拠点を爆撃できます。
この作戦の為、伊400型潜水艦専用の艦載機として開発されたのが晴嵐で、フロート装着時で250kgの爆装、フロートを外せば、250kg爆弾4発or800kg爆弾1発、または航空魚雷を装備することが出来(フロートを外した場合は、機体は捨てて、パイロットだけ回収)、しかも急降下爆撃まで可能という超高性能機。
水平爆撃、急降下爆撃、雷撃まで可能な万能の攻撃機です。
フロート付の状態で時速474km、フロートを捨てると時速560kmという高速を出せました。
水上機なのに全性能で九九艦爆を上回っているだけでなく、爆弾や魚雷の搭載量が一式陸攻と同じという凄い機体なのです。
日本海軍機としては珍しく液冷エンジン(他に液冷なのは彗星11型ぐらい)搭載で、あまりの高性能さに、製造コストは零戦50機分と言われました。
伊400型潜水艦は伊400、伊401、伊402の3隻が作られ(アルペジオで全部出ますね☆)、晴嵐は26機製造されましたが、終戦までに間に合わず、何の活躍もしてません(出撃して移動してる途中で終戦になった)。
架空戦記で伊400型潜水艦と晴嵐はちょくちょく登場し、パナマ運河を爆撃したりしてます。
また、戦後、伊400と伊401はハワイに回航され研究されました(今現在、2隻ともハワイ沖に沈んでいる。研究後、機密保持の為に沈められた。ソ連が欲しがったらしいので断る為に沈めてしまった)。伊402は、現在、五島列島沖に沈んでるのが最近、見つかりました。
アメリカはこの伊400型にかなりの興味を持ってました。なぜならば世界中のどこにでも出現し(何せ航続距離が無補給で7万4000km)、先制核攻撃を仕掛ける事が出来るから。後の戦略原潜の考え方です。
この研究成果は、レギュラス巡航ミサイル(核を搭載した無人特攻機)の母艦であるグレイバック級潜水艦の建造に生かされました。
ちなみに伊400を建造したのは呉海軍工廠で、伊401と伊402を建造したのは佐世保海軍工廠です。
晴嵐は、実物が1機だけ現存してて、終戦時愛知航空機の工場にあった機体を米軍が接収、修復して現在スミソニアン博物館で保存されてます。
1/144で、全長約7.5cm。
組立は、キャノピー・アンテナ・爆弾取り付けとフロートの装着です(ちゃんと爆弾も塗装済み)。
あとデカールの貼り付け。
垂直尾翼に貼るテールコードのデカールが付属し、『K6-01』『K6-15』『K6-16』『K6-17』『K6-18』『K6-19』『コ-A15』のどれかにできます。
機体上面を日本海軍後期塗装の濃緑色で、機体下面をグレーで塗装してあります。
完全塗装済みなので、模型作りで一番面倒で、身体にも悪い塗装をしなくても良いのが良いところ。
パイロットのフィギュアが2体付属しますが、1体はコックピットに座らせ、1体は台座に立たせられます。
クリアプラスチックの台座が付属してます。
写真の1枚目は、箱と中身全て。
写真の2枚目は、組立見本(垂直尾翼のデカールは貼ってません)。
写真の3枚目は、ブリスターの上から。
写真の4枚目は、ブリスターの裏から。
写真の5枚目は、リーフレット。