Decca, Philips, DGなどにこれまで録音された「春の祭典」を全て収録
1913年にパリでモントゥーによって初演され大混乱となった「春の祭典」。
1914年のシャンゼリゼ劇場での演奏会形式による再演は大成功となり、その後のこの作品の楽曲としての評価を確立されました。
この初演100年を記念して企画されたこのコレクターズ・エディションは、
Decca, Philips, DGなどにこれまで録音された「春の祭典」を全て収録したものです。
追加で、2台のピアノ版による演奏3種。
ラトルが22歳の時にASVに録音した音源も特別収録。
ボーナス・ディスクとして、初演を行ったサミュエル・ドゥシュキンによる「ヴァイオリン協奏曲」も収録してあります。
CD1;
・エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 〔録音〕1946年
ベイヌムは、メンゲルベルクの後を継いで1946年にコンセルトヘボウ管の常任に就任。
この演奏は、就任のその年46年に録音されたもの。
この時期これだけの録音が残せたのには驚かされる。音質もノイズはあるものの鮮明。
・エルネスト・アンセルメ(指揮)
スイス・ロマンド管弦楽団 〔録音〕1950年
作曲者と親交の深かったアンセルメは、『春の祭典』改訂版作業にも関わりをもったほどでした。
この旧録音でも、情景描写に配慮した味のある演奏を聴くことができます。
デッカ・クオリティなので、モノラルでも聴きやすい音質です。
CD2;
・フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
ベルリンRIAS交響楽団 〔録音〕1954年
同時代、20世紀音楽の演奏に熱意と使命感をもっていたフリッチャイが、とりわけこだわり続けた作曲家が、
ストラヴィンスキーとバルトークでした。切れ味鋭い原色感鮮やかなハルサイです。
・アンタル・ドラティ(指揮)
ミネアポリス交響楽団 〔録音〕1954年
ドラティは若き日、モンテ・カルロ・バレエの指揮者時代にストラヴィンスキーから直接ハルサイ演奏の指揮を指南された経験を持っています。
オーケストラ・ビルダーとしての名声を誇るドラティが、その後長い信頼関係を築くこととなるネアポリス交響楽団と
初期の頃にマーキュリー・レーベルにおこなった第1回モノラルの録音。野趣に富んだハルサイです。
CD3;
・ルドルフ・アルベルト(指揮)
セント・ソリ管弦楽団 〔録音〕1956年
ACCORDレーベルに遺された希少録音。
指揮者もオケも珍しい録音。
ヘッセン放送やバーデン・バーデンなどで指揮を務めていたルドルフ・アルベルトはいぶし銀指揮者。
ドイツで新古典主義の洗礼を受けたアルベルトは、その後フランスにおいて数々の放送録音をこなした職人肌。
アカデミックな現代音楽とは一線を画した、きびきびとしてパワフルな、いわば市井のハルサイを楽しむことができます。
・ピエール・モントゥー(指揮)
パリ音楽院管弦楽団 〔録音〕1956年
《春の祭典》は1913年に、いずれもピエール・モントゥーの指揮によってパリで初演されました。あまりにも革新的・個性的な作品のゆえに一大スキャンダルを巻き起こしたことは、音楽史上有名な出来事として記憶されています。この録音はモントゥーが初演後半世紀近く経た1950年代後半に録音した大変貴重なもので、初演者ならではの慧眼が光る名演奏といえましょう。
CD4;
・エルネスト・アンセルメ(指揮)
スイス・ロマンド管弦楽団 〔録音〕1957年
作曲者と親交の深かったアンセルメは、『春の祭典』改訂版作業にも関わりをもったほどでした。
ステレオによる新録音は、デッカの録音技術と相まってバーバリズムあふれる音のスペクタクルを展開しています。
・アンタル・ドラティ(指揮)
ミネアポリス交響楽団 〔録音〕1959年
ドラティは若き日、モンテ・カルロ・バレエの指揮者時代にストラヴィンスキーから直接ハルサイ演奏の指揮を指南された経験を持っています。
オーケストラ・ビルダーとしての名声を誇るドラティが、その後長い信頼関係を築くこととなるネアポリス交響楽団との
2度目の録音。リヴィング・ステレオ技術と相まってパワフルで生々しいハルサイに圧倒されます。
CD5;
・ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 〔録音〕1963年
作曲者ストラヴィンスキーからは「飼いならされた野蛮」と皮肉られた、有名な演奏。
あるいはその批評も、作曲者自作自演によるコロンビア響盤を凌駕するベルリン・フィルの合奏力への「やっかみ」だったのではと思わせる圧倒的な演奏。
・コリン・デイヴィス(指揮)
ロンドン交響楽団 〔録音〕1963年
音そのものの動きを純音楽的にシンフォニックに描き出した演奏で、その一分の隙もなく進行する音楽は『春の祭典』では圧倒的クライマックスを築きあげます。
スコアにある音がゆたかな雰囲気をもって生きいきと鮮明に聴こえてくるアナログ最盛期のフィリップス名録音です。(UNIVERSAL MUSIC)
CD6;
・ズービン・メータ(指揮)
ロサンジェルス・フィルハーモニック 〔録音〕1969年
初演当時、その前衛的な内容が賛否両論を呼んだ「春の祭典」。その強烈なリズムと原色のサウンドを、30代前半の若さでロス・フィル音楽監督を務めていたメータが見事に表現。(CDジャーナル データベースより)
・マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)
ボストン交響楽団 〔録音〕1972年
俊英と言われていた頃のティルソン・トーマスの初期録音。
切れの良さが素晴らしく、ティルソン・トーマスの代表的録音のひとつといえる。
CD7;
・ベルナルト・ハイティンク(指揮) ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
〔録音〕1973年
・ エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 〔録音〕1974年
現代の古典「ハルサイ」を、ウィーン生まれでアメリカを中心に活躍した職人指揮者ラインスドルフが、ハイティンク時代のロンドン・フィルと“フェイズ4”で収録したもの。
楽器の音色、オケのバランスなど、録音の特性で得をした演奏かもしれない。
CD8;
・ロリン・マゼール(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 〔録音〕1974年
ウィーン・フィルハーモニーが録音した初めての《春の祭典》として知られ、気鋭のマゼールがこの名門オーケストラを完全に掌握した演奏で、LP発売時には大絶賛されました。若きマゼールの推進力あるエネルギッシュな演奏が聴きもの。
・ゲオルク・ショルティ(指揮)
シカゴ交響楽団 〔録音〕1974年
オーケストラの醍醐味がたっぷりと味わえる迫力満点のハルサイ。
ショルティの研ぎ澄まされたバランス感覚とシカゴ響の完璧なアンサンブルにより、重量感と透明感が同居している。(CDジャーナル データベースより)
CD9;
・クラウディオ・アバド(指揮)
ロンドン交響楽団 〔録音〕1975年
アバド40歳前後での録音。精妙にリズムを組み上げた「春の祭典」、その才能が遺憾なく発揮されている。(CDジャーナル データベースより)
・コリン・デイヴィス(指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 〔録音〕1976年
1978年度レコード・アカデミー賞を受賞した《春の祭典》。オーケストラの緻密なアンサンブルと、細部まで練り上げられた有機的な音楽性を失わない指揮者の解釈とが、理想的な一体感を示す演奏です。(ユニバーサル・ミュージック)
CD10;
・ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 〔録音〕1977年
二十世紀前半のモダニズム作品に対し、すでに古典との見地から(?)、カラヤン美学を貫いた独特なアプローチ。リズムの面白さや旋律の切れ味ではなく、色彩的かつ刺激的な管弦楽法を分厚くゴージャスな音響に生かした視点の面白さは今聞くと逆に新鮮です。
・サイモン・ラトル(指揮)
ナショナル・ユース・オーケストラ 〔録音〕1978年
若きラトルの貴重な録音。若いオーケストラとともに、とんがった演奏を展開。
CD11;
・小澤征爾(指揮)
ボストン交響楽団 〔録音〕1979年
バイタリティに裏打ちされたロシアの原初的感覚も、小澤の手にかかるとなんと美しくしなやかに鳴り響くのだろう。73年に音楽監督に就任したボストン響とのコンビネーションもまさに水際立っている。(M)(CDジャーナル データベースより)
・アンタル・ドラティ(指揮)
デトロイト交響楽団 〔録音〕1981年
ドラティ、3度目の『ハルサイ』録音。
デジタル録音の鮮烈なデッカ・サウンドをきかせます。
ドラティは若き日、モンテ・カルロ・バレエの指揮者時代にストラヴィンスキーから直接ハルサイ演奏の指揮を指南された経験を持っています。
CD12;
・レナード・バーンスタイン(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 〔録音〕1982年
・シャルル・デュトワ(指揮)
モントリオール交響楽団 〔録音〕1984年
CD13;
・リッカルド・シャイー(指揮)
クリーヴランド管弦楽団 〔録音〕1985年
新古典主義時代にオーケストラの規模を縮小した、47年の改訂版を使用している。初演時のダイナミズムは当然後退している。
シャイーの演奏も、バランスを重視して美しくまとめている。(CDジャーナル データベースより)
・ピエール・ブーレーズ(指揮)
クリーヴランド管弦楽団 〔録音〕1991年
ドイツ・グラモフォン録音。
精緻なリズムと明晰で透明感の高い響きで、ストラヴィンスキーの複雑な音楽を再構築している。作品の新しさと古典性、ロマンティックな響きなどが、見事なバランスでブレンドされている。
CD14;
・ゲオルク・ショルティ(指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 〔録音〕1991年
1991年、アムステルダムでのライヴ録音。
晩年のショルティがストラヴィンスキーのバレエ音楽で年齢を感じさせない生気に満ちた演奏を繰り広げる。
・ジェイムズ・レヴァイン(指揮)
メトロポリタン歌劇場管弦楽団 〔録音〕1992年
レヴァイン、メトロポリタン管の初録音となったアルバム。カラフルな音色、複雑なリズム、込み入ったスコアなどといった近代音楽には無類の手腕を発揮する、レヴァインの長所が遺憾なく発揮された演奏。
CD15;
・ウラディーミル・アシュケナージ(指揮)
ベルリン・ドイツ交響楽団 〔録音〕1994年
ダイナミックレンジの幅を広くとったデッカ録音の技術を活かした録音。打楽器群やリズム楽器的な効果を持つ金管などの音程をかなり明瞭にくっきりと出しているのが特徴。それによって、ストラヴィンスキーの作品でことさら鮮烈なリズムの効果を聴くことができます。『春祭』の後半の迫力と緊迫感は圧巻。(ユニバーサルIMS)
・セミヨン・ビシュコフ(指揮)
パリ管弦楽団 〔録音〕1995年
ビシュコフの鮮烈なストラヴィンスキー。
見事です。善悪・好き嫌いは別にして、録音が各楽器を個々に鮮明に捉えて生々しく、迫力がある。
CD16;
・ベルナルト・ハイティンク(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 〔録音〕1995年
オーケストラの機能を生かし細部まで的確に美しく磨かれた演奏は、しなやかにスケール豊かに構築され、傑作に素晴らしい奥行きと陰翳を与えています。(UNIVERSAL MUSIC)
・ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)
マリンスキー歌劇場管弦楽団(旧キーロフ歌劇場管弦楽団) 〔録音〕1999年
CD17;
・エサ=ペッカ・サロネン(指揮)
ロサンジェルス・フィルハーモニック 〔録音〕2006年
ドイツ・グラモフォンでの録音。
サロネンが手兵ロサンジェルス・フィルハーモニーを指揮した、本拠地の新たなホールで行われた演奏会での鮮烈なライヴです。
ソニーでの旧録音との聴き比べも一興です。
・チョン・ミョンフン(指揮)
フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団 〔録音〕2007年
2000年の音楽監督就任当初から現在に至るまで良好な関係が継続中のチョン・ミュンフンとフランス放送フィル。ヤノフスキによって高められた地力をチョン・ミュンフンがパワフルに美しく磨き上げたといわれるそのサウンドの素晴らしさは、これまでにラヴェルの『ダフニスとクロエ』や、メシアンの『われらの主イエス・キリストの変容』『峡谷から星たちへ』などでも証明済み。
リズム感と色彩表現に関する抜群のオーケストラ・コントロールのテクニックを持ち、これまでも見事な演奏を聴かせてきたチョン・ミュンフンならではの華麗なるハルサイ。
CD18;
・グスターヴォ・ドゥダメル(指揮)
ベネズエラ・シモン・ボリバル・ユース 〔録音〕2010年
ドゥダメルがベルリン・フィルの野外コンサートでも指揮して好評を博していたハルサイだけに、
より野性味のあるシモン・ボリバル・ユース管との共演は興味がそそられるところです。
・ブラーチャ・イーデン&アレクサンダー・タミール
(ピアノ・デュオ) 〔録音〕1968年
CD19;
・ペキネル姉妹
(ピアノ・デュオ) 〔録音〕1983年
・ウラディーミル・アシュケナージ
&アンドレイ・ガヴリーロフ
(ピアノ・デュオ) 〔録音〕1990年
CD20;
・ヴァイオリン協奏曲ニ長調
サミュエル・ドゥシュキン(Vn)
・イーゴリ・ストラヴィンスキー(指揮)
コンセール・ラムルー管弦楽団 〔録音〕1935年
ドイツ・グラモフォンがSP時代の1935年に録音したもの。
作曲時の協力者で初演者でものあったサミュエル・ドゥシュキンと
ストラヴィンスキー指揮、ラムルー管弦楽団によって演奏されています。