真空管 FMラジオ 東芝(マツダ) 7FM-10型
■FM AM 3バンド トランスレス
昭和37年(1962年)頃の発売 MW,SW,FM,の3バンドと外部機器 PH をロータリースイッチで切替る
MT菅 7球構成のホームラジオです
明るい水色の下膨れな愛嬌あるデザインを眺めていると 高精細な前面グリルの細工に気付きます
プラキャビが使われ始めて10年近く 樹脂成型技術の進化を感じます
回路はFMフロントエンドに 12DT8 を使った珍しいもので FM機の実績の少ない当方としては初対面
どんな感度になるのか気がかりなところです
バンド表示のパイロットランプが3ヶあり 内2ヶが断線していました 残りの1ヶを点灯させますと
とても微弱な光で 表示としては光量不足と思い 通常の6.3V球を入れてみると全く点灯しません
元々付いていた球を観察すると 3.2V と刻印があり 手持ちの予備品には同等品はありません
そこで思い切って ヒータートランスを使って 6.3V球を光らせれば確実で安定した表示になります
ところが 明るすぎるとどこか違和感があるもので 思案の末 8V用の極小ランプを入れてみました
これこそが思い通りの光量 と納得した次第です
■修復
今後の長期使用を目指して劣化したゴムパーツ等の交換と ペーパーコン ケミコンの全数交換を実施
バリコンゴムは新しいグロメットに取替 整流用のセレンをシリコンに取替 各真空管は中古良品に
取替て安定動作になっています
■完了して
当方の環境では85㎝程度のビニール線アンテナでNHK 1局と民放3局が実用レベルに受信できています
全帯域に渡り平坦な感度分布と感じました
不思議ですが 電灯線アンテナとビニール線アンテナを同時につなぎますとより感度アップする様です
AM受信では問題なく高感度です、SWも良好です
トーン調整は 一般的なハイカットでは無く NF調整型になっており全音、中音、高低 と切替わります
僅かにハムがありますが クリアな音です
FM AM 外部機器 等の音源を前面のツマミで選択でき ボリューム調整もラジオでできて便利です
---------------------------------------------------------------------------------------------
■整備項目
キャビネット コンパウンド研磨 天板にビニールコードの跡形が僅かに残りましたが
ツヤがあり目立ちません
内部 コンデンサー 、ケミコン、ペーパーコン全数交換、一部の抵抗を交換
ボリューム オリジナルを調整しました
ダイヤル糸 ロープ 引きバネ共に交換しました
電源コード 新品に交換
裏蓋 オリジナルのまま
■交換部品
ケミコン全数 ゴムBu、 3.5φジャック アンテナ線、フィルムコン、ヒータートランス、8V豆球
ACコード
----------------------------------------------------------------------------------------------
■ 使用真空管
12DT8 12DT8 12BE6 12BA6 12BA6 12AV6 30A5
■受信帯域
MW 540 ~ 1600Khz
SW 3.9 ~ 12MHz
FM 76 ~ 90Mhz ワイドFMには対応していません
■寸法
幅 43 Cm 高 17.5 Cm 奥行 16 Cm (つまみ含まず)
■付属品
外部機器接続コード、FM用ビニル線アンテナ
■到着時の動作は保障しますが、以降の劣化や不具合 また外観については保障できません