
私が所有してきた数多のブリルハートの中でも最高の個体の一つ、ヴィンテージブリルハート エボリン特殊個体をご紹介致します。
本個体は3点、通常のブリルハートと完全に異なるポイントがあります。
①バイトプレート
ブリルハートは1930年代末期から1967年に正規プロダクトが終了するまで、エボリンは全て台形のバイトプレートが使用されています。
ところが本品のバイトプレートは丸く、1954年頃に同様のプリントが登場しましたが、私は本品以外の個体を見たことがありません。
②ロングシャンク
トナリンとの比較画像を見て頂くとお分かりになると思いますが、シャンクが長く、それに伴い全長も長くなっています。
ブリルハートは金型が決まっている為、ロングシャンクをつくるのであればそれ専用の金型を新しく作る必要があります。
このようなロングシャンクも見た事がなく、プロトタイプかスペシャルモデルなのか、正体不明です。
③吹奏感・サウンド
作りもCarlsbad期よりもGreat Neck期寄りで、非常に丁寧に作られております。
ロングシャンクの効果なのか、ブリルハート特有の抵抗感は少なめ。通常エボリンよりサウンドは太く、やや明るめで鳴らしやすい全く新鮮なマウスピースとなっております。
私の推測では、
①1951年頃に出たハイエンドラインPersonalineの構想前プロトタイプ
②親しいプレイヤーの為の特注
③Conn,Buescher,King,Martinなどのアメリカンサックスと相性の良い従来のショートシャンクに対し、この時期台頭したSelmer SBAやMark Ⅵの為に新たに設計したロングシャンクver.
あるいはこれらの複合的な結果が本個体なのではないかと考えております。
オープニングは未計測につき、質問をお控え頂けますと幸いです。
アルトサックス
1950年前半製
オリジナル 3*
sn=59375(5ケタ)
状態 良好品。
古い物のため全体的に擦り傷などありますが、perfect playing conditionです。
70年以上前のアイテムですので、ヴィンテージ品にご理解ある方のみご入札下さい。
ブリルハートのアルトはCharlie Parker、Bud Shank、Benny Carter、Johnny Hodges(エリントン楽団)、Marshall Royal(ベイシー楽団)、Maceo Parker(ファンク)などが愛用した事で知られています。