以下、所謂ブラクラ妄想ショートショートです〜〜
タイトル：青の十字架、光の絆
第1章：運命の再会、青の導き
春の陽光が、宝石店「Noble Gem」のショーウィンドウに飾られた宝石たちを優しく照らす。店内は、色とりどりの宝石が放つまばゆい光に満ちていた。その中心で、ひときわ強い輝きを放つのが、蒼井光の胸元にある「青の十字架」のペンダントトップだ。K18WG無垢の台座に、鮮やかなパライバトルマリンが散りばめられた繊細なデザイン。0.38カラットの宝石たちは、光が動くたびに、まるで生きているかのようにキラキラと瞬く。それは、亡き父、蒼井陽介が光に遺した、唯一の形見だった。
光はルーペを手に、エメラルドの鑑定を行っていた。指先でそっと宝石に触れ、内部を覗き込む。その瞳は、宝石の奥に隠された真実を見抜こうとする、宝石鑑定士としての鋭い光を宿していた。父から受け継いだ宝石鑑定の技術は、光の誇りであり、生きがいだった。光は鑑定書に丁寧に所見を記入していく。「天然エメラルド、0.5カラット、コロンビア産…インクルージョンはありますが、色、テリともに素晴らしいですね」。
ふと、光は胸元の「青の十字架」に手を触れた。すると、宝石たちが、まるで光の心に応えるかのように、優しく光り輝いた。（…お父さん…）光は心の中で、亡き父に語りかけた。10年前、突然この世を去った父。その死は、光にとって、未だに癒えない傷だった。
「いらっしゃいませ」ドアベルの音に、光は顔を上げた。そこに立っていたのは、懐かしい顔だった。「…蓮…？」北条蓮。光の幼馴染であり、初恋の人。最後に会ったのは、高校の卒業式。それ以来、音信不通だった。「久しぶり、光。…元気にしてた？」蓮は、少し緊張した面持ちで、光に話しかけた。その姿は、高校時代よりもずいぶんと大人びて見えた。「うん、まあね。…蓮こそ、ずいぶん変わったね。…立派になって」光は、照れくさそうに微笑んだ。蓮は、ウォール街で働く、敏腕株式トレーダーになっていると聞いていた。
「光は、宝石鑑定士になったんだね。…お父さんの後を継いで」「…うん。…父の残してくれたものを、大切にしたいから」光は、「青の十字架」をそっと握りしめた。蓮は、そのペンダントトップに、一瞬、目を奪われた。「…きれいなペンダントだね。…パライバトルマリン？」「うん。…父が、私に遺してくれたものなの。…形見、みたいなものかな」光は、そう言って、少し寂しそうに微笑んだ。蓮は、何か言いたげな表情をしたが、すぐに笑顔を取り繕った。「そうか…。大切にしてるんだね」二人の間に、しばしの沈黙が流れた。
その夜、光は父の遺品を整理していた。古いアルバムの中から、一枚の写真が出てきた。幼い光と蓮、そして父が笑顔で写っている。写真の裏には、父の筆跡でこう書かれていた。「Croix de Lumire Bleue 青の光の十字架。この宝石は、いつかお前を真実へと導くだろう」光は、その言葉を何度も読み返した。父は、このペンダントトップに、何か特別な想いを込めていたのだろうか。そして、真実とは一体何なのだろうか。その時、光の胸元の「青の十字架」が、微かに光った。まるで、光の問いかけに答えるかのように。（…お父さん…教えて…）光は心の中で、亡き父に問いかけた。すると、光の脳裏に、ある映像が浮かんだ。それは、父が誰かと会っている場面だった。（…これは…？）光は、その映像を必死に見つめようとした。しかし、映像はすぐに消えてしまった。（…誰…？…誰と会っていたの…？）
光の心に、不安と疑問が渦巻いた。父の死には、何か秘密があるのではないか。そして、「青の十字架」は、その秘密と深く関わっているのではないか。光は決意した。父の死の真相を必ず突き止める。そして、「青の十字架」の秘密を解き明かす。それが、父から受け継いだ、自分の使命だと、光は信じた。
翌日、光は、店で鑑定の仕事をしていた。すると、一人の女性客が来店した。黒いスーツを着こなした、美しい女性だった。「宝石の鑑定をお願いしたいのですが」女性は、光に、一つの指輪を差し出した。見事なダイヤモンドが輝く、豪華な指輪だった。「かしこまりました」光は指輪を受け取り、鑑定を始めた。全てが完璧だった。「素晴らしいダイヤモンドですね。…4Cも最高ランクです」「ええ。…さすがね」女性は満足そうに微笑んだ。そして、光に名刺を差し出した。「西園寺麗華と申します。ギルド・テクノロジーズのCEOをしています」
ギルド・テクノロジーズ。それは、表向きは最先端技術開発企業だが、その実態は古くから伝わる特殊技術を継承する職人集団であり、裏社会とも繋がりを持つ謎めいた組織だった。光は、まさかそんな組織のCEOが、自分の店に来るなんて、思ってもみなかった。「…あの、私に何かご用でしょうか？」「あなたの鑑定の腕を見込んで、お願いしたいことがあるの」麗華は、「青の十字架」を指差し、「そのペンダントトップ…譲っていただけないかしら？」と言った。光は父の形見を譲ることはできないと断るが、麗華は「あなたの父のこと…知りたくない？」と、父と見知らぬ男が密会している写真を見せた。麗華は、父がギルド・テクノロジーズのビジネスパートナーであり、裏切ったために「消された」と告げ、「青の十字架」と引き換えに、父の死の真相を教えるという取引を持ちかける。
第2章：光と影、揺れる天秤
光は、麗華の言葉と、光を愛し守ろうとする蓮の間で揺れ動く。蓮はギルド・テクノロジーズの裏の顔を暴き、麗華が違法な宝石取引や、古の禁断技術の研究に関与していることを突き止める。彼は、光に、ギルド社が「青の十字架」に隠された古代の技術を狙っていることを警告する。
一方、光の同僚、緑川翔太は、「青の十字架」のパライバトルマリンが特殊なエネルギーを放っていることを見抜き、その宝石が、ギルド・テクノロジーズの祖先が作り出した、特別な力を持つ「アーティファクト」の一つである可能性を示唆する。翔太は、光に「青の十字架」を守り、その力を正しく使う責任があると説く。
第3章：過去の傷跡、真実の断片
光は父の過去を探る中で、父と蓮の元恋人・白石美咲が写った写真を発見。美咲は、父がギルド・テクノロジーズの技術顧問を務めており、彼らの持つ特殊技術に精通していたことを明かす。美咲は、父がギルド社の暗部を知り、袂を分かったのではないかと推測する。
蓮は、「青の十字架」を専門機関、それもギルドとは対立関係にある組織に鑑定に出すことを提案。鑑定の結果、「青の十字架」のパライバトルマリンは、古代の技術によって特殊加工され、高エネルギーを放出していることが判明する。鑑定士は、「青の十字架」が、かつて失われた古代文明の遺産であり、ギルド・テクノロジーズが長年探し求めているものであることを示唆する。光は、「青の十字架」を通して、父がギルド社の黒崎誠に殺害される直前の映像を見る。父の「この宝石は、渡せない…これは、私の使命だ…」という言葉と、黒崎の「麗華様の命令だ…」という言葉を聞き、光は復讐を誓う。
第4章：揺れる想い、偽りの輝き
光は、蓮と麗華の間で、さらに深く葛藤する。蓮は光への愛を抱きながらも、過去の恋愛の傷から踏み込めない。一方、麗華は、父の死の真相をちらつかせ、光を巧みに操ろうとする。そんな中、蓮は美咲からギルド・テクノロジーズの株価が不自然な動きをしていることを知らされる。蓮は、麗華が「青の十字架」の力で、ギルド社の技術を悪用し、何か巨大な計画を実行しようとしていることを察知する。
光は麗華から父の殺害映像を見せられ、蓮の制止を振り切り、麗華との取引に応じる。取引場所の廃工場で、光は「青の十字架」の力を覚醒させ、黒崎を倒す。しかし、麗華は「青の十字架」と対をなす「黒の十字架」の所有者であり、「黒の十字架」の力で光を圧倒しようとする。麗華は、「青の十字架」が希望の光、「黒の十字架」が絶望の闇を象徴し、ギルド・テクノロジーズの創始者が作り出した二つの「アーティファクト」であると語る。そして、自分こそが「黒の十字架」に選ばれた、ギルドの真の支配者であると告げる。
第5章：真実の輝き、闇との対決
光は、「青の十字架」の真の力を解放し、麗華の「黒の十字架」の闇を打ち破り、麗華を倒す。そこに現れた老人は、二つの十字架が元々一つの宝石であり、古代文明の叡智が込められた「アーティファクト」であったことを語る。老人は、光が「青の十字架」の選ばれし者であり、二つの宝石を再び一つにし、その力を正しく使う使命を負っていることを告げ、姿を消す。
老人の言葉は、光に大きな衝撃を与えた。「青の十字架」と「黒の十字架」を一つにする。それが、父の真の願いであり、自分の使命。しかし、具体的にどうすればいいのか、光には全く見当がつかなかった。麗華との戦いで傷ついた光は、深い絶望と孤独に苛まれる。
第6章：光の決断、託された希望
光は、「青の十字架」と「黒の十字架」を一つにするという、新たな使命を負い、その方法を模索する。麗華は逮捕され、ギルド・テクノロジーズの悪事は白日の下に晒されたが、「黒の十字架」は行方不明のままだった。光は、「青の十字架」の内部に刻まれた古代文字に気づき、蓮と共に解読に取り組む。「二つの光、一つとなり、希望を紡ぐ」という言葉が、二つの十字架を一つにするためのヒントだと確信する。
そんな中、翔太が、自分がギルド・テクノロジーズのスパイであったことを告白する。翔太は、幼い頃に麗華に拾われ、ギルドの技術を学ぶ「ギルド・チルドレン」として育てられた。麗華の指示で、光に近づき、「青の十字架」の情報を探っていたが、光と出会い、その優しさ、強さ、正義感に惹かれ、麗華を裏切る決意をしたという。翔太は、「黒の十字架」がギルド・テクノロジーズの秘密研究所、通称「ロスト・ラボ」に隠されていることを光に教える。
光、蓮、翔太は、ギルド社の秘密研究所「ロスト・ラボ」に潜入。「黒の十字架」が保管されている部屋に辿り着くが、警報が鳴り響き、ギルド社の特殊部隊「ギルド・ガーディアン」に襲われる。蓮は二人を逃がし、一人で戦う。光と翔太は実験室に逃げ込むが、ギルド・ガーディアンに追い詰められる。翔太は光を守るために身を挺し、重傷を負う。光は「青の十字架」の力を解放し、ギルド・ガーディアンを退ける。翔太を救出し、「黒の十字架」を手に入れる。光は二つの十字架を近づけ、一つにする。その瞬間、光は眩い光に包まれ、意識を失う。
第7章：永遠の絆、未来への光
光が意識を取り戻すと、そこは美しい庭園だった。亡き父、蒼井陽介との再会。父は光の行動を称え、「希望の宝石」となった二つの十字架を託す。「この宝石を、大切にしなさい。そして、その力を、人々のために、使いなさい…」父は、ギルド・テクノロジーズの真の目的が、古代の技術を独占し、世界を支配することであったことを明かす。そして、光に、ギルドの残党と戦い、人々を希望の光で導くことを託す。
光は元の世界へと戻る。病院のベッドで目覚めた光。そばには、蓮と翔太がいた。光は二人に感謝し、蓮との愛を確かめ合う。その後、光は「希望の宝石」の力を使い、世界中の恵まれない人々のために活動を始める。宝石鑑定士としての知識と技術を活かし、貧しい国々で宝石の発掘を支援し、公正な取引を推進する。また、「希望の宝石」の力で、ギルド・テクノロジーズによって歪められた技術を浄化し、人々のために役立てる方法を模索する。蓮は光の活動を経済的に支え、翔太は宝石鑑定士として、そしてギルドの技術に精通した者として、光をサポートする。三人は固い絆で結ばれ、共に希望の光を未来へと繋いでいく。光の胸元には、「希望の宝石」が、いつも輝いていた。その宝石は、光の心を映し出すかのように、美しく、そして力強く、輝き続ける。光は、この宝石がある限り、希望の光は決して消えないことを確信していた。そして、ギルド・テクノロジーズのような闇の組織が再び現れても、必ず打ち破ることを心に誓うのだった。
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