
フランス、ノルマンディー地方の観光名所、モン・サン・ミッシェルの歴史から
修道院の建築などを膨大な量の図版とともに読み解いた本。
伝えによると司教オベールが夢のなかで、大天使ミカエルから「この岩山に聖堂を建てよ」とのお告げを受け、
礼拝堂をつくったのが始まりと言われています。
本書は中世の写本も多々掲載して、そうした成り立ちの歴史の紹介から始まります。
本格的な修道院は、966年に最初のベネディクト会の修道院を島に建てたのが、
増改築を重ねて13世紀にはほぼ現在のような形になったようです。
建築の章もマニアックに多々、図版を掲載してその詳細を解いています。
建築途中の足場の写真などもあったりと、図版の範囲の広さに圧倒されます。
古い広告ポスター、あるいは20世紀初頭くらいの写真など、さまざまな角度から
編集しているところも優れています。
何人かの協同執筆で、それぞれの専門家が詳細を書いた研究書でありながら、
それをグラフィカルに楽しく解いているところが素晴らしい本です。
カバーに若干の小アタリ等ありますが概ね状態良好。
1998年、Editions du Patrimoine刊、ハードカバー:256ページ、サイズ:29 x 26 cm、フランス語表記。
大判本にて宅急便60サイズでの発送。